(アルゼンチン中銀は11日に政策金利を10%引き下げて70%とする決定を行った。昨年のミレイ政権発足以降で実質的に3度目の利下げとなる。ミレイ政権による「ショック療法」的な政策運営にも拘らずペソ相場はジリ安の展開が続いている上、生活必需品を中心とするインフレも重なり、直近3月のインフレ率は前年比+288%に達している。ただし、足下では前月比ベースのインフレ率は鈍化しており、中銀はインフレ鈍化に自身を強めるなかで一段の利下げに動いたとみられる。【4月22日 西濱徹氏 第一生命経済研究所】)
【レースから零れ落ちてしまえば、住むところの保証もなく、生きていくことも難しくなる】
下記は3月13日ブログ“アルゼンチン 「ショック療法」を発動する自由主義者・ミレイ大統領 持続可能性には疑問も”の冒頭部です。
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【「ショック療法」省庁廃止・補助金削減などで財政収支は黒字に 一方で物価上昇率276%】
経済混迷が続く南米アルゼンチンはかつての富裕国から転落した唯一の国と言われている国。(日本がこれに続くのでは・・・とも言われていますが) そのアルゼンチンでは昨年11月に「政界のアウトサイダー」を自称する右派(極右とも)のハビエル・ミレイ氏(53)が大統領選挙で勝利し、12月10日に新たな大統領に就任しました。
ミレイ氏は自由主義を信奉する経済学者出身で、中央銀行の廃止や経済のドル化などの過激な主張も展開していました。また、選挙戦ではチェーンソーを振り回して公的支出をぶった切ると叫ぶようなパフォーマンスも。
大統領就任後、さすがに中央銀行の廃止や経済のドル化などの過激な政策は手をつけていませんが、中央省庁削減やエネルギー・公共交通の補助金削減による財政健全化、通貨ペソの50%切り下げなど「ショック療法」を実施しています。(後略)【3月13日ブログ】
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個人的に「チェーンソー男」ミレイ大統領の自由主義的改革「ショック療法」(「壮大な社会実験」とも)を国民が受け入れるのかどうか、どこまで耐えられるのか興味があり、その後の状況を・・・といっても、あまり情報は多くは目にしませんが。
その中で、下記は西原なつき氏のブログ記事。長いので今日はこの記事の紹介で終わりそうです。
****ミレイ政権発足から4カ月。変化していくアルゼンチン経済、「痛みを伴う改革」に国民の反応は?****
昨年末、アルゼンチンで自由主義ハビエル・ミレイ政権が発足して120日が経ちました。
トランプ元大統領との面会やダボス会議での発言に世界から注目を浴びるなど、何かとその動向に関心が集まるミレイ氏ですが、国内の影響や反応はどうなのでしょうか。
トランプ元大統領との面会やダボス会議での発言に世界から注目を浴びるなど、何かとその動向に関心が集まるミレイ氏ですが、国内の影響や反応はどうなのでしょうか。
これまでのアルゼンチンのポピュリズムから大きく方向転換して舵を切るミレイ新政権。
「痛みを伴う改革」と政府も発表しており、彼のプランの最初のステップは「国民の消費を減少させてインフレ率を抑え、マクロ経済を整える」というものです。
「痛みを伴う改革」と政府も発表しており、彼のプランの最初のステップは「国民の消費を減少させてインフレ率を抑え、マクロ経済を整える」というものです。
120日が経った今、実際インフレ率は抑えれているのか?というと、今は月のインフレ率が10%程度と前政権の昨年末の数字とほぼ同じですが、この数カ月のうちに減少に向かうだろうと言われています。(数字だけ見るとこの3カ月で減少していると報道されていますが、就任初月に25.5%と大きくインフレ率が上昇したところから比較しての減少なので、年比較すると変わりません。)
具体的な消費を抑えるための政府のやり方としては、インフレ率に伴う給与や予算の値上げを実行しない・または値上げしてもインフレ率に伴わない額面→物の値段は上昇し給与は減少する、ということになるので、単純に家計は厳しくなり、消費活動が出来なくなる・節約モードになる、いう仕組みです。
これは地方予算、国立の大学や研究所への予算にも同じことが起きています。
現実にインフレ率が落ち着くだろうと言われているのは今年の6月以降であると言われています。
次の段階としては例えば銀行がクレジットを発行することができるようになるだろうと言われており、例えば家や車をローンで買えるようになるなど、国民の消費の仕方も変わってくる、というものです。
(今現在は1年後のインフレ率が想像できない事などから、一部の富裕層以外はローンを組むことができません。大きな買い物をしたい場合、現金一括払いが基本です。)
(今現在は1年後のインフレ率が想像できない事などから、一部の富裕層以外はローンを組むことができません。大きな買い物をしたい場合、現金一括払いが基本です。)
それによる国民の生活の変化
それに伴って何が起きているかと言うと、従業員の給与値上げをしないわけにはいかない企業、インフレに伴い予算は足りない→従業員を解雇していかざるを得ない、というケースも増えています。
リストラ問題で深刻なのは、政府職員。3月末のイースター休暇の直前に「解雇通知や契約更新無しの通知が7万人に届く」とミレイ大統領からの公式会見がありました。
これは、ミレイ大統領の当選前のパフォーマンスでも話題になっていた「チェーンソー」プランで、とにかく不要なものを切り捨てていく、というものを有言実行する形です。
これは、ミレイ大統領の当選前のパフォーマンスでも話題になっていた「チェーンソー」プランで、とにかく不要なものを切り捨てていく、というものを有言実行する形です。
この発表では、ミレイ大統領は契約未更新という形で職員の切り捨てを実施できることを「とても光栄に思っている」と発言しており、お祝いモードでメディアに対応していたことがとても印象的で、多くの人々の反感を買い、大規模ストライキにも繋がりました。
ここにはアルゼンチンの根深い問題が潜んでいて、政府職員の中には「実際には働いていないけれど登録されており給与だけ受け取っている」人が多くおり、その人たちを淘汰していくという目的。
ただ、解雇されている人たちの中には正しく働いている人も含まれており、現段階、この4カ月で解雇通知があった政府職員の人数は24000人。7万人まであと46000人・・・次にチェーンソーの餌食になるのはだ~れだ?というホラー映画のような状況です。
またそのチェーンソーでカットされているのがあらゆる領域の国からの補助金です。
ガソリン代、ブエノスアイレス市内の公共交通料金、光熱費、地方への予算、また国内全土の公共工事には国が一銭も出さない、などが挙げられます。昨年から工事が始まっていた新しい公共病院や国の原子炉の工事は途中で中止となり、現在放置されている状態です。
ガソリン代、ブエノスアイレス市内の公共交通料金、光熱費、地方への予算、また国内全土の公共工事には国が一銭も出さない、などが挙げられます。昨年から工事が始まっていた新しい公共病院や国の原子炉の工事は途中で中止となり、現在放置されている状態です。
国民全体に共通して及んでいるテーマは、光熱費の上昇。今月はガス、電気、水道代と通してこれまでの約3~5倍の値段になりました。
そして現在リアルタイムで問題になっているのは教育部門です。国立大学への国からの予算は2023年と同額と発表があり、存続自体が難しくなっています。(1年のインフレ率は287%)
教授たちの給与問題、また大学の電気代を払うことすらできなくなっており、学生たちが勉強や研究を続けていくことが難しく、今週は大規模な大学生・大学関係者たちによるデモが行われます。
またアルゼンチンは実はバイオテクノロジー・ナノテクノロジーが進んでいて、380の企業・スタートアップが存在し、その分野では世界でもトップ10に入るレベルを持っています。
その発展を担っているのは国立大学(UBA)、そして国立科学技術研究所(CONICET)で、アルゼンチンのテクノロジーに関わる企業全体の88%がこの2つの機関と大きく関わっています。
しかし、この研究所も国立大学と同様の扱いを受けており、研究者たちの解雇やこれまで出ていた予算の大幅カットにより、こちらも存続の危機に至っています。(中略)
自由主義が与える影響、「値付けの自由」
大統領就任直後に施行した緊急大統領令により、366項目の法律が改変されました。
その中に含まれていた「値付けの自由」を目指す法律改変により、家賃と医療保険料が大幅に上昇していることも問題になっています。
その中に含まれていた「値付けの自由」を目指す法律改変により、家賃と医療保険料が大幅に上昇していることも問題になっています。
家賃に関しては、今まで家主と借主の間にあった規律がなくなり、契約内容も家主が自由に決めることが出来るようになりました。これまで家賃は法律的には国内通貨のみ可であったのが、米ドルでもなんでもOKになり、インフレも相まって家賃相場はつり上がっています。
医療保険料もこの4カ月で大きく値上がりし、月々のインフレ率を越えています。(これまでの保険代の予算としては平均月給の18%程度であったものが、現在は30%を占めています。)払えなくなって解約した人も多く、これは中流階級層へのダメージが大きい、と問題視した政府から主要な保険会社への値下げ交渉があったものの、「ミレイ大統領が出した新しい法律の効力はまだ続いている」ということで交渉は成立せず、現在はその政府が改めて法的措置を取っているところです。
また公立病院ではがん患者たちへの抗がん剤治療が中断されるなどしています。予算がカットされこれまでの治療が同じようには提供されないので、プラスのお金を払える人のみが治療対象、という状況です。
また公立病院でも緊急手術から優先して行っているので、緊急度の低い手術の大幅な延期などをはじめ、こちらも問題になっています。
その様相はまさに国民の耐久レース、いつまでの辛抱になるのかは誰もわかりません。
現在のアルゼンチンの最低賃金は約200ドル。市内に家を借りようとするならワンルームでも200ドル程度が相場、外食すれば出ていくお金はほとんど日本と変わらない感覚です。
給料は目減りしていく中、物の値段は上がっていく。それでもせめて職をキープできて、貯金があり、病気をせずにこれまでの生活を続けられたら勝ち、そのレースから零れ落ちてしまえば、住むところの保証もなく、生きていくことも難しくなります。
このやり方を持って、IMFの提示する課題は3月時点で達成したことになります。
ミレイ大統領の思い描く国には実現する可能性はありますが、しかしそこにたどり着くまでにどうなってしまうのか様々な懸念や不安が社会には広がっています。中流階級層以下はもちろん、富裕層の中にも疑念を抱く人も増えているような印象です。
ミレイ大統領の思い描く国には実現する可能性はありますが、しかしそこにたどり着くまでにどうなってしまうのか様々な懸念や不安が社会には広がっています。中流階級層以下はもちろん、富裕層の中にも疑念を抱く人も増えているような印象です。
彼の言う「自由主義」、思い描く社会というのは、貧困層は見捨てられる社会ですが、そんな現在のアルゼンチンの貧困率は52%。この4カ月で毎月100万人ペースで貧困層が増えている状況です。
中東情勢への関わり
2月のイスラエル訪問時、ヘルツォグ大統領との会談にて在イスラエル・アルゼンチン大使館をエルサレムに移す方向で進めていく、という話し合いがあったことは国内でも大きく話題になりました。国際的な超右派と足並みを揃える意向で、現在アルゼンチンはイスラエル側についています。
また現在NATO加盟の申請を始めたところで、デンマークから6億ドルかけて古い戦闘機24機も購入したと報道がありました。
ミレイ大統領は以前から熱狂的にユダヤ教・オーソドックス(超正統派)に大きな憧れを抱いていて、改宗はしていないものの、在アルゼンチンのオーソドックスの会合やイスラエルでの会合にもしっかりと帽子を被って参加しています。
その他の気になる動きとしては、イーロン・マスク氏との会合にも注目が集まりました。
アルゼンチンは世界の主要リチウム生産国のひとつでもあり、現時点では中国企業の投資が一番多い状況です。
ミレイ大統領による「誰でもアルゼンチンの国土を好きなだけ自由に買えるようにする」法律改正も緊急大統領令の中に含まれており、その効力は現在も続いているはずです。
経済的に不安定な国、インフレでの値上げで生活が苦しくなることはこれまでにも何度もありましたが、ここまでの経験は私も10年生活していて初めてなので戸惑っています。
これまでは、どんなに経済危機だと騒いでもそれでも人々はなんとか楽しみを見つけながらそれなりに暮らせていました。それは国が借金まみれになりながらもこれまでのポピュリズム政権が作り出していたもので、汚職や沢山の問題を孕んでいたのも確かです。現在は国民がその代償を払っている、と言って間違いはないでしょう。
うまく上流・中流階級層、90年代後半からの経済危機や軍事政権時代を経験していない若者の憎悪を引き出して、票につなげたのがミレイ政権。現在もそのスタンスは変わらず、法律改変案など説明して国民を説得するのではなく、通して「前政権の悪口を言い続ける」。国民の反感を引き出し、支持率を獲得している、という印象です。
毎日ニュースをつけると新しい問題が勃発しているアルゼンチン。
先週末大きく話題になったのは、国会にて「上院議員の給与を3倍に値上げする案」が上院議員たちの挙手により可決する、というニュース。毎日飽きません。
先週末大きく話題になったのは、国会にて「上院議員の給与を3倍に値上げする案」が上院議員たちの挙手により可決する、というニュース。毎日飽きません。
どんな未来が待っているのか、一般庶民にも、エコノミストたちにとっても、誰にも予測することができません。【4月22日 西原なつき氏 Newsweek】
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「上院議員の給与を3倍に値上げする案」は反大統領派が多数の議会主導で、ミレイ大統領は反対しています。
自由主義的改革・・・弱肉強食のレースに残れる者はそれなりの成果を得ますが、そこからこぼれ落ちる者は“住むところの保証もなく、生きていくことも難しくなります。” そのことでこれまで非効率と無駄が蔓延していた経済は活性化するという「ショック療法」 戦後、日本を含めた多くの先進国が選択した「福祉国家」的な流れとは逆行します。
こういう厳しい改革にどこまで国民、特にラテン気質といわれるような国民性の国民が耐えられるのか興味深いところですが、就任100日時点では国民の支持率は悪くないようです。まあ、これからでしょうか。
****ミレイ大統領=就任100日で支持率50%超も=軍政被害者数千人発言で波紋****
24日付オ・グローボによると、就任から100日が経過したアルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、厳しい支出削減策を実施しているにもかかわらず、国民からの支持率が50%を超えている。同氏主導の財政政策は、12年ぶりとなる2カ月連続の財政黒字達成など、一定の成果を上げている。
一方、同国が陥った不況(景気後退)は中間層を加速度的に貧困化させているという。
政治・経済のアナリストらは、現在の大きな疑問は、国民が大統領の手腕に疑問を挟まずに政府が行っている厳しい調整策をいつまで受け入れられるか、また、どの時点で大統領への支持を止めるかで、同国は今後も困難な時期が続くと指摘する。【3月27日 ブラジル日報】
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“しかし、インフレの高止まりは続いており、また、景気後退の兆候も見られることから、このような状況は、持続可能性があるとはいえず、国民がいつまで我慢することができるかが問題である。ミレイに対する国民の期待は依然として高いが、個々の改革措置については必ずしも支持されていないものも多いと言われる。”【4月4日 WEDGE】
自由主義的改革は経済活動だけでなく、上記記事にもあるように教育にも及んでいます。
下記記事は私立学費補助に関するものですが、前提として、現行の義務教育と無償教育廃止があります。(ミレイ氏は選挙戦終盤で無償教育の廃止を否定してはいますが)
****ミレイ政権、低中所得層向け私立学費補助の一時給付金制度を導入****
アルゼンチン人的資源省は3月21日、人的資源省決議61/2024号を公布し、「教育バウチャー制度」と呼ばれる、国の助成を受けている私立の幼稚園、学校に通う子供を持つ低中所得層の学費を補助する一時的な給付金制度を導入した。
この制度は、国の助成を受けている私立の幼稚園や学校(初等、中等教育段階)に通う子供を持つ低中所得層の世帯を対象に、現金を給付するものだ。(中略)
人的資源省は、現在の厳しい経済情勢を考慮すると、国民が子供の教育を維持するには支援が必要と主張している。(中略)
一方で、ミレイ政権に否定的な報道をみると、今回の教育バウチャー制度を2つの理由で批判している。第1に給付金の金額が不十分、第2に無償の公立学校の運営資金が削減される中、この制度が私立学校を利するという批判だ。
教育バウチャー制度は、ハビエル・ミレイ大統領が2023年の選挙期間中に導入を主張していたものだ。ミレイ大統領は選挙期間中、現行の義務教育と無償教育を廃止し、学校ではなく子供に助成することで学校教育に市場原理を導入し、学校間の競争による教育の質向上を主張していた。
ところが、選挙終盤の公開討論会で、ミレイ大統領は無償教育の廃止を否定した。それにもかかわらず、教育バウチャー制度が無償教育の廃止を念頭に置いたものだとして批判している。【4月17日 JETRO】
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学校教育に市場原理を導入・・・・ここでもレースからこぼれ落ちる者はどうなるのか?という問題があります。
【中国と距離を置き、アメリカ寄りに 特にトランプ復権に期待】
外交面では、コロンビアのペトロ大統領を「テロリストの人殺し」と呼んで外交問題になりましたが、両国は3月31日に発表した共同声明で、関係修復に動いていることを明らかにしています。(ラテン諸国同士のののしりあいは珍しいことではありません)
西原氏記事にある“(ミレイ氏が)熱狂的にユダヤ教・オーソドックス(超正統派)に大きな憧れを抱いている”というのは初耳。それならイスラエル支持も納得。
“現時点では中国企業の投資が一番多い状況”ともありますが、ミレイ氏は中国から離れてアメリカ寄りに路線を変更しています。特に個人的に馬が合うトランプ氏復権となれば加速するでしょう。
****アメリカ寄りになったミレイ政権に中国が報復を開始****
中国はアルゼンチンでのダム建設から撤退
アルゼンチンで2つのダム建設を施工することになっていた中国企業Gezhouba社はミレイ新政権からの工事継続のサインを待ちきれず撤退を決めた。1800人の従業員は解雇。中国から派遣されていたエンジニアも本国に帰国させた。(中略)
ミレイ大統領支持のトランプ氏大統領復帰が怖い中国
当初、中国政府はこのダム建設の再開を期待していた。ところが、米国でトランプ氏が大統領に復帰する可能性が次第に高まっている。
ミレイ大統領を強く支持しているトランプ氏が大統領に選出されれば、アルゼンチンは完全に米国寄りになると中国は判断したようだ。この判断も中国がこの工事の継続を断念する理由となったようだ。
中国はスワップ取引も撤退か?
この決定に続いて、中国はアルゼンチンとのスワップ取引から撤退する可能性も生まれている。仮にそうなると、アルゼンチンは同取引から発生する180億ドルに加え、総額300億ドルの負債が新たに加わることになる。(3月13日付「ラ・ポリティカ・オンライン」から引用)。
更に、ミレイ大統領にとって不安材料となるのは、中国がアルゼンチンからの輸入を減らす可能性も生まれて来る。(中略)実際、中国は大豆と牛肉の輸入についてはそのウエイトを既にブラジルにシフトしている。皮肉なのは、アルゼンチンの最大の貿易取引国であるブラジルがアルゼンチンの中国向け品目の市場を奪っていることになる。【4月5日 白石和幸氏 アゴラ】
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興味深いところでは、ロシアによるウクライナ侵略後、アルゼンチンに移住するロシア人が急増しているとのこと。
“ロシアから1万キロ以上離れたアルゼンチンへ、ビザなし渡航で移住急増…戦争忌避や動員逃れ”【4月20日 読売】