12月になったので、テンプレートを変えて、「読み返したくなる本」もカポーティの「クリスマスの思い出」を紹介します。
遠い親戚にあたる、ぼくとおばちゃんは、親戚の家でちょっと小さくなって暮らしています。
毎年11月になると、二人はクリスマス用のフルーツケーキの準備を始めます。二人ともお金がないので、1年間かけて溜めた小遣いでケーキの材料を揃えます。ピカンの実を採りに行ったり、違法なウィスキーをこっそり手に入れたり。
ケーキの材料でお小遣いを使い果たしてしまう二人は、クリスマスプレゼントを買うお金は残っていません。だから毎年手作りの凧を贈り合います。
二人が最後に一緒に過ごすことになるクリスマスの思い出。
こうして書いてるだけで、じわっと涙が出てきます。
最近の読書はもっぱらKindleですが、この本はハードカバーを買いました。セレステ・ホルムが朗読するCDがついています(これが、恐ろしく早口で大変)。
自分が年を取るにつれ、印象に残る個所が違ってくるのも面白いです。
でも何度読んでも、最後の凧のイメージが一番ずしーんと響きますね。
この時期だから何かクリスマスものを読みたいなとは思っていましたが、ばっちもんがらさんが取り上げてくださらなかったら読んでいませんでした。ありがとうございました(^-^)短いですが、グリシャムやスパークスみたいなスッキリした文体とちょっと違って詩的なので最初はこれ読み切れるかしら?と思いました。私にはなじみのない単語もありましたし。こういうものを読まないとNHKの講座などではなかなか出会わない類のものですね。
ちょっと大草原の小さな家とかそういうシーンを思いましたが、温かくもあり物悲しい物語でもありますね。カポーティの実体験も反映されているのでしょうか、生い立ちを知ると余計にそう思ったりしました。ハードカバーにはCDがついているのですね。アマゾンやiTunesに手ごろなオーディオブックはないかなと思いましたが見つかりませんでした。ま、宝の持ち腐れになりそうですが。深い声の役者さんにゆったりと噛み締めるように朗読してほしい作品でしたが早口とは!
get someone's goatが出てきて、私も使っても大丈夫かなとも思いました。
この話は"Breakfast at Tiffany's"のペーパーバックに収録されていた短編の一つだったんですが、だいぶくたびれてきたし、この先もきっと読み返すだろうと思ってハードカバー版を買いました。
このバディ はまさにカポーティなんでしょうね。
フルーツケーキを贈る相手がたった一度会っただけの人達。
密造酒を分けてくれたハハ・ジョーンズさん。
小遣い稼ぎに殺したハエ。
何度数えても会わない合計金額。
バディが見に行く picture show。
そういうひとつひとつが物語を構成している。
でもやっぱり凧だなあ。
get someone's goat って割と新しい表現なのかなと思っていたら、クリスティからたくさんメモしてました。