空気清浄機器がフル稼働中の東京・多摩地方から、
こんにちは、ネーさです。
最近は電車の車両やビルのエアコンにも
フツーに空気清浄機能が備わっているんだそうですよ~。
「こんにちわッ、テディちゃでス!
かふんッ! おおッ、かふんよッ!
そなたはなにゆえェかふんなのだッ!!」
「がるる!…ぐるぐるがるるーるる?」(←訳:虎です!…だって花粉だからでしょ?)
本日ご紹介いたします物語の舞台も、
かつてはここ多摩地方と同様に“東京の郊外”と呼ばれた土地でした。
現在は都市化の波に飲み込まれ、
大住宅地の一角となってしまったその地に、
今もなお、在り続けるのは……こんな名前のアパートさんです。
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―― 木暮荘物語 ――
著者は三浦しをん さん、2010年11月に発行されました。
『木暮荘』は『こぐれそう』とお読みくださいね。
「……あぱーとォ、かなッ??」
「がるがるるるぐるる~る~…」(←訳:名前で判断するに相当の~…)
ええ、すっぱり申しましょう。
木暮荘さん、相当にボロいです。
木造二階建ての外壁は茶色いペンキで塗られ、
窓枠の白ペンキを引き立てています。
小田急線の世田谷代田駅より徒歩数分なのは交通至便でとても魅力的、
ですが……ボロいこのアパートのお部屋に
シャワールームはあれど、
バスルームはありません。
狭いキッチンは夏ともなると暑くて暑くて、
壁が薄いために隣室の、いえ、アパート各部屋の生活音が
筒抜けになっております。
外階段を慌ただしく走り下りたりしようものなら、
アパート中に振動が及ぶのです。
「こッ、こわいィでスゥ!
ぼろくてェ、こわッ!」
「がるぐるぐるるる~がる~」(←訳:ボロいけど、でもその割に~)
ボロいけれども、その割に、そうなんです、
木暮荘さんに入居者さんはいるんですね。
真新しい新築アパートより安価だから?
昭和レトロな雰囲気が良しと思われて?
駅まで近いため、かしら?
それとも他に、何か理由が……?
冒頭に収録されている『シンプリーヘブン』の主人公さんは、
お花屋さんで働く坂田繭(さかた・まゆ)さん。
或る日曜日の午後、
アパート玄関のドアを開けた繭さんは驚愕しました。
訪ねて来たのは、
昔の彼氏!
部屋の中には、現在の恋人がいるというのに!
「あわわわわッ!
それはァ、たいへんでスゥ!」
「がるぐるるるっ!」(←訳:修羅場だようっ!)
修羅場……といえば修羅場的ではあるのですが、
どうにも奇妙な、調子ハズレの楽器のような、
おかしな三角関係が始まります。
繭さんの胃が痛くなっちゃうのも
お構いなしに。
木暮荘に住まうひと、木暮荘を通過してゆくひと、
庭先をかすめてゆくひとびと。
著者・三浦さんが織り出すボロくても
決して入居者がゼロになることはない木暮荘の物語7編は、
甘くもホロ苦くもあり、
優しくもあり厳しくもあって、
雨風の吹き込むバス停を想わせます。
ここで待てば、目的地へ向かうバスは来るのでしょうか?
或いは、バス便は永久にお休みなのでしょうか?
通過点なのか、終点なのか、
出発点なのか……?
登場人物群中、
さりげなく光っているのは、
犬のジョンくん!
『風が強く吹いている』のニラくんや
『神去なあなあ日常』のノコくんにも負けない存在感です。
三浦さんのファンの方々、
わんこ好きさんにもぜひ知っていただきたいですね、
ジョンくんの名優ぶり~♪
「もしかしてェ、ぼろあぱーとのォ、まもりがみィはァ……!」
「がるがるるーぐる!」(←訳:犬のジョンくんかもー!)
わんこ小説好きさんに、おすすめです!
こんにちは、ネーさです。
最近は電車の車両やビルのエアコンにも
フツーに空気清浄機能が備わっているんだそうですよ~。
「こんにちわッ、テディちゃでス!
かふんッ! おおッ、かふんよッ!
そなたはなにゆえェかふんなのだッ!!」
「がるる!…ぐるぐるがるるーるる?」(←訳:虎です!…だって花粉だからでしょ?)
本日ご紹介いたします物語の舞台も、
かつてはここ多摩地方と同様に“東京の郊外”と呼ばれた土地でした。
現在は都市化の波に飲み込まれ、
大住宅地の一角となってしまったその地に、
今もなお、在り続けるのは……こんな名前のアパートさんです。

―― 木暮荘物語 ――
著者は三浦しをん さん、2010年11月に発行されました。
『木暮荘』は『こぐれそう』とお読みくださいね。
「……あぱーとォ、かなッ??」
「がるがるるるぐるる~る~…」(←訳:名前で判断するに相当の~…)
ええ、すっぱり申しましょう。
木暮荘さん、相当にボロいです。
木造二階建ての外壁は茶色いペンキで塗られ、
窓枠の白ペンキを引き立てています。
小田急線の世田谷代田駅より徒歩数分なのは交通至便でとても魅力的、
ですが……ボロいこのアパートのお部屋に
シャワールームはあれど、
バスルームはありません。
狭いキッチンは夏ともなると暑くて暑くて、
壁が薄いために隣室の、いえ、アパート各部屋の生活音が
筒抜けになっております。
外階段を慌ただしく走り下りたりしようものなら、
アパート中に振動が及ぶのです。
「こッ、こわいィでスゥ!
ぼろくてェ、こわッ!」
「がるぐるぐるるる~がる~」(←訳:ボロいけど、でもその割に~)
ボロいけれども、その割に、そうなんです、
木暮荘さんに入居者さんはいるんですね。
真新しい新築アパートより安価だから?
昭和レトロな雰囲気が良しと思われて?
駅まで近いため、かしら?
それとも他に、何か理由が……?
冒頭に収録されている『シンプリーヘブン』の主人公さんは、
お花屋さんで働く坂田繭(さかた・まゆ)さん。
或る日曜日の午後、
アパート玄関のドアを開けた繭さんは驚愕しました。
訪ねて来たのは、
昔の彼氏!
部屋の中には、現在の恋人がいるというのに!
「あわわわわッ!
それはァ、たいへんでスゥ!」
「がるぐるるるっ!」(←訳:修羅場だようっ!)
修羅場……といえば修羅場的ではあるのですが、
どうにも奇妙な、調子ハズレの楽器のような、
おかしな三角関係が始まります。
繭さんの胃が痛くなっちゃうのも
お構いなしに。
木暮荘に住まうひと、木暮荘を通過してゆくひと、
庭先をかすめてゆくひとびと。
著者・三浦さんが織り出すボロくても
決して入居者がゼロになることはない木暮荘の物語7編は、
甘くもホロ苦くもあり、
優しくもあり厳しくもあって、
雨風の吹き込むバス停を想わせます。
ここで待てば、目的地へ向かうバスは来るのでしょうか?
或いは、バス便は永久にお休みなのでしょうか?
通過点なのか、終点なのか、
出発点なのか……?
登場人物群中、
さりげなく光っているのは、
犬のジョンくん!
『風が強く吹いている』のニラくんや
『神去なあなあ日常』のノコくんにも負けない存在感です。
三浦さんのファンの方々、
わんこ好きさんにもぜひ知っていただきたいですね、
ジョンくんの名優ぶり~♪
「もしかしてェ、ぼろあぱーとのォ、まもりがみィはァ……!」
「がるがるるーぐる!」(←訳:犬のジョンくんかもー!)
わんこ小説好きさんに、おすすめです!