テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

荒波こえて、きらきら舞えば。

2011-06-02 23:14:55 | ブックス
「うぴゃーッ!」(←いきなりのバク転!)
「がるーっ!」(←ガルっと空中三回転!)

 きゃーっ!(←ネーさ、蹴り飛ばされました)
 あ痛たたた、いたたっ、うぅ~…。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!ぐるぐるぐるるがる!」(←訳:虎です!運動不足解消しよう!)
「つぎはァ、だんすゥ!」

 こ、こんにちは、ネーさです。
 雨で外出できず、イラつきがちなクマとトラが暴れております。
 いえ、本当は、この御本の影響を受けちゃったのかも知れませんね。
 活字マニアさんは、影響され過ぎないよう用心しつつ、
 こちらを、どうぞ~!

  


 
             ―― 源内なかま講 ――


 
 著者は高橋克彦さん、2011年5月に発行されました。
 『だましゑ歌麿』に始まる人気の『だましゑ』シリーズ第5作となるこの御本は
 ちょこっと不思議なロードムーヴィー風!

「ふァいッ!
 おえどじだいィのォ、ものがたりッ!」
「がるるっぐるるっ!」(←訳:だからぁ宙返りっ!)

 『だましゑ』シリーズの重要なキャラクターさんの一人が、
 蘭陽(らんよう)さんという、
 もとは役者さんだった美貌のおにいさん。
 前作『蘭陽きらら舞』では
 事実上、主人公として物語を動かしました。
 狭い場所で、高いところで、
 トンボを切る切る!
 身も軽く、舞い、跳ぶ!
 役者さんらしいアクロバティックな所作は、お手のもの!

「ふァいッ!
 えいきょうゥ、されましたッ♪」
「ぐるぐるがるるるー!」(←訳:カッコいいもんねー!)

 今作『源内なかま講』でも、
 もちろん蘭陽さん、大事な役どころを担います。
 けれど、真の主人公は――

 長らく身を隠し、
 世間からは亡くなったのだろうと思われている
 平賀源内さん。

 源内センセ、
 センセを慕う人々の働きかけのおかげで、
 晴れて公けの場に出ても構わぬ身となりました♪
 
「やッたねッ、せんせッ!」
「がるぐるるぐる!」(←訳:おめでとうです!)

 源内センセの表舞台復帰にあたって、
 蘭陽さんは奇策を立てます。

  料亭をやろうじゃないか!

「りょうていィ~! いいなァ~!」
「ぐるぐるぐるがるるる!」(←訳:美味しいものいっぱい!)

  いま借りている御屋敷を修繕して、
  襖は歌麿さんたち人気絵師さんに描いてもらって、
  腕利き料理人を引き抜いてきて、
  そうだ!
  料理を盛りつけるのは
  源内センセが以前に創ったっていう
  『源内焼』の器にしたらどうだろう?
  評判をとること、間違いないよ!

 張り切る蘭陽さん、
 久しぶりの浮世に感慨深げな源内センセ、
 危なかしいふたりを補佐するのは
 『鉄ちゃん』こと若き日の北斎さん。

 はたして、料亭オープンまでの山あり谷ありの難航路は……?

「しんぱいィでスゥ!」
「がるるぐるる?」(←訳:大丈夫かなあ?)

 背景にあるのは
 お江戸時代の“キング・オブ・賄賂”田沼意次の政治と、
 緊縮財政&町人文化締め付けが強化された田沼後の政治模様。
 近年は、
 いやぁ悪いことばかりじゃなかったんじゃない?と
 田沼政治への見直しが進んでいるようですね。
 そんな大波小波の時代を庶民の視点から活写する
 『だましゑ』シリーズ、
 お江戸もの好きな御方、
 歴史ミステリ好きさん、
 そして
 アタシ平賀源内マニアなんですぅ♪という御方に
 おすすめの一冊です!
 シリーズ未読の御方は、
 話の流れをつかむためにも発行順に読破してくださいませ♪

「ではァ、さいごにィ、もういッかいィ、ばくてんッ!」
「がるるる!」(←訳:宙返りも!)
「とりゃりゃッ!」

「きゃーっ!!」(←ネーさ、再びブッ飛ばされました……) 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする