テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

期待と荷物を背負って、遠くまで!

2011-06-12 23:27:33 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 週末は列島のあちこちで大雨模様でしたが、
 どうか、皆さま、御無事でありますように!

「こんにちわッ、テディちゃでス! おおあめッ、こわいィでス!」
「ぐるる!がるがるがるー!」(←訳:虎です!せめて小雨でー!)

 本日の読書タイムで御紹介いたしますのは、
 ちょっとやそっとの雨風にはビクともしそうにない、
 頼もしい屋根を持った建物さんたちを巡る一冊です。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
                ―― 巨匠の宿 ――


 
 著者は稲葉なおとさん、2004年5月に発行されました。
 『Lodgings from the Masters』と英題名が付されています。

「きょしょうッてェ、だァれッ??」
「ぐるぐるるるがるる~…?」(←訳:建築の巨匠っていうと~…?)

 そうね、この御本で取り上げられている巨匠さんは、
 20世紀の建築家といえばこの御方でしょ!のル・コルビュジェさん。
 『プリンセス・トヨトミ』でもフューチャーされた辰野金吾さん。
 いまや日本の顔?な安藤忠雄さん。
 日本とは深い係わりをもつフランク・ロイド・ライトさん。
 昭和の偉大なる作庭家・重森三玲さん。
 民藝運動で有名な河合寛次郎さん。
 ふぅ~、まだまだ大勢おられるわよ。
 丹下健三さん、
 磯崎新さん、
 伊東忠太さん、
 日本画家の竹内栖鳳さん……!!

「ぷはッ!
 きらぼしィ、でスねッ!」
「ぐるがるがるー!」(←訳:確かに巨匠だー!)

 かくも名だたる巨匠さんたちが、作った《宿(やど)》?
 つまり、ホテルとか旅館とかの、泊まるところ?
 
 いえ、よ~く考えてみると、
 不思議なことではないんですよね。
 建築の巨匠さんとはいえ、
 いつもいつも、
 空港や国立美術館や、
 博物館やら市庁舎やらの
 どデカい建物を造っているわけじゃありません。
 個人のお邸を作ることも、
 旅館の施工をすることも、
 公共の宿泊施設を設計することも、あるんです。

 つまり、
 ええっ!あの御方がここを!
 と言いたくなっちゃう建物に、
 意外にも簡単にお泊り出来ちゃう、んですね。

「うむゥ? ほんとにィ?」
「ぐるぐるるーぐる?」(←訳:会員制とかじゃないのー?)

 はい、大丈夫ですよ♪
 でももちろん、予約の電話はお忘れなく!

 ただ、この御本の中で最も魅力的な、
 そしてまた建築マニアさんの心を奪うに違いない或る施設――
 ル・コルビュジェさん晩年の傑作『ラ・トゥーレット修道院』は
 少々事情が異なるようです。
 
「しゅうどういんッ……!」
「ぐるるるるるがる?」(←訳:修道院に泊まれるの?)

 フランスのリヨン市内から車で訳45分の場所にある『ラ・トゥーレット修道院』は
 嘘じゃありません、
 本物の修道院さん。
 ですから、ホテルではありません。
 ありませんが、宿泊者を受け入れては下さるので、
 建築を学ぶ方々にとっては、
 聖なる地ともいえましょうか。

 そこここに、ル・コルビュジェさんの思想がありありと!
 余分な機能を排した小さな空間、
 飾りのない木製の家具、
 部屋にはトイレもシャワーすらもない……。

「わわゥッ、ほんきィでスねッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:媚びてない!)

 いったいどんな感じなんでしょう、
 ル・コルビュジェさんが創り上げたその空間は?
 あんなかな?
 こんなかな?と
 想像力がざわめき始めます!

 楽しく分かりやすい文章と
 あざやかな写真が満載のこの御本、
 残念ながら、現在は入手困難となっています。
 古書店さんや図書館でお探しください!
 建築好きさん、
 それに旅行好きさんにも、ぜひのおすすめ!
 巨匠さん設計のお宿に、
 思わぬお値段で泊まれちゃうかもしれませんよ♪

「おりょうりもォ、おいしィそうッ♪」
「ぐるるるぐるがるるがるっ♪」(←訳:食いしん坊にもおすすめだっ♪)
 
コメント
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