テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

旅する先では、謎また謎?

2011-06-03 23:21:05 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 2、3日前の映像ですが、現在、我が家のお庭はこんな具合ですよ~♪

  

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むふもふッ♪ きれいィでス!」
「がるる!ぐるるるがるるるるー!」(←訳:虎です!ホタルブクロも咲き始めたよ!)

 きれいなお花を眺めながら、
 では今日も読書タイム!
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  


     
           ―― 蛇、もっとも禍し ――


 
 著者はピーター・トレメインさん、原著は1996年に、画像の日本語文庫版は2009年に発行されました。
 『禍し』は『まがし』とお読みくださいね。
 英原題は『THE SUBTLE SERPENT』、
 先日ご紹介いたしました『修道女フィデルマの洞察』の前日譚といえる作品です。
 ただし、御覧の通り、上・下巻に分かれておりますから――

「ちょうへんッ、でスねッ!」
「がるーるる!」(←訳:長ーいんだ!)

 ええ、そうです、
 この御本はどっしり重厚な、長編ミステリ、なんですのよ。

 以前にも申し上げましたように、
 主人公の修道女・フィデルマさんが生きるのは
 7世紀半ばのアイルランド。
 法廷弁護士さんであり、
 王さまたちとも対等に話し合える上位弁護士さんであり、
 モアン国の王さまの王妹さんでもあって……という
 異色の修道女さんは
 名探偵でもあるのでした。

 この御本では、
 フィデルマさん、或る修道院からの要請を受け、
 海上を旅するシーンから物語の幕が上がります。

「むむッ! ぜんぽうにィ、ふしんぶつゥ!」
「がるるっぐるがる!?!」(←訳:まさかっ幽霊船!?!)

 荒れる海で、
 フィデルマさんが乗る船と行き逢ったのは
 乗員のいない大型船……
 幽霊船ではないようですが、
 この船の船長さんはどこへ行ったのでしょう?
 乗員は? 乗客は?
 フィデルマさんが目指す修道院と
 そこで起きた事件に、
 だぁれも乗っていない不審船は
 何か関係があるのでしょうか……?

 修道院で起きた事件とその謎、
 解決を依頼されて遠くから参じる探偵役の僧侶さん――
 というと、
 多くの活字マニアさんが連想するのは
 ウンベルト・エーコさん著『薔薇の名前』であることでしょう。
 『薔薇の名前』の名探偵・バスカヴィルのウィリアムさんは
 14世紀の御方でしたが、
 フィデルマさんが数々の謎と対峙する
 7世紀のアイルランドは
 ずいぶんと事情が違っているようです。

 各地に残る、土着の古い宗教や俗信、
 王さまたちと族長たちの対立、
 フィデルマさんへの嫌悪感を隠そうとしない傲慢な修道院長、
 そして乗員が消えた船……

「ふゥ~、
 とかなくちゃならないィ、なぞッ、おおすぎまスでス!」
「がるるぐーる!」(←訳:忙しいよ!)

 法廷弁護士の名に懸けて!
 フィデルマさんは少しずつ、
 でも確実に、
 謎の真相に近付きます。
 不穏な気配が背後から忍び寄るのを
 充分に知りつつも……。

 7世紀のアイルランドを舞台にしたミステリなんて
 ワケわかんないよ~!と、お嘆きの活字マニアさん、
 心配は御無用です♪
 じっくり、ゆっくり、読んでゆけば、
 フィデルマさんの推理についてゆけますとも!
 『薔薇の名前』ファンの方々は、
 中世イタリアの風習と比較しつつ、
 古きアイルランドの探偵物語を御堪能くださ~い!

「すいりィ、ありッ!
 ぼうけんッ、ありッ!
 さすぺんすもォ、いぱァーいッ!」
「ぐるぐるがるぐるる!」(←訳:一流エンタミステリですよ!)
コメント
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