テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 遠い異国の名探偵 ~

2011-06-28 23:32:36 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 ……あら? どこからか良い香りが……?

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くんくんッ! うむッ、これはァ、むぎちゃッ!」
「がるる!がるるがるぐるるるがるるー!」(←訳:虎です!どこかのお家で麦茶を作ってるんだ!)

 昔ながらの、煮出す方法で麦茶を作っている香り、なのね。
 風情があって、美味しそうで、ステキだわ~♪
 手間はかかるけれど、読書タイムの合間に、やってみようかしら?

「ふァいッ! かんげいッ、けんげいッ!」
「がるぐる~♪」(←訳:大歓迎~♪)

 では、麦茶製作の前に、ますはこちら!
 本日の一冊を、どうぞ~!

  


 
              ―― 死をもちて赦されん ――


 
 著者はピーター・トレメインさん、原著は1994年に、日本語文庫版は2011年1月に発行されました。
 拙ブログで幾度か御紹介しております《修道女フィデルマ》シリーズの、
 そもそもの第一作に当たる作品です。
 『赦されん』は『ゆるされん』とお読み下さいね。

「ふァ~、わだいのォおねえさんッ、とうじょうッ!でスねッ」
「がるるぐるがるる!」(←訳:7世紀の修道女さん!)

 舞台は7世紀のアイルランド、
 主人公は『キルデアのフィデルマ』と呼ばれる修道女さん。
 修道女フィデルマさんは、
 ドーリィーという、弁護士の資格を有する才女さんでもあります。
 その才を駆使し、
 教会絡みの不思議な出来事、事件、訴訟などを
 解明&解決する物語が《修道女フィデルマ》シリーズ。
 
 本家の英語圏では高い人気を誇り、
 既に第18作が刊行されていると聞きますが、
 シリーズの第一作、
 修道女フィデルマさんが、お初に登場!の作品は
 日本では6番目に訳出&今年の1月に刊行されたこの御本なんですね。
 これこそ、長編第一作!

「ややこしィッ!」
「がるるるっ!」(←訳:フクザツぅ!)

 ややこしいんですけど、
 おかげで、フィデルマさんが生きる時代がどのようなものなのか、
 読み手は理解しやすくなりました。
 現代とは大きく違う、
 昔むか~しの、異国の風習、宗教、文化、法律……。

 でも、ちょっと驚いてしまうことに、
 この作品の舞台は、フィデルマさんの国・アイルランドではありません。

 フィデルマさん、
 招請されて、現代でいうブリテン島(イングランド)にやって来たのです。
 ノーサンブリア王が采配する教会会議が、
 いままさに始まろうとしていました。
 歴史的な会議の主題は、
 アイルランド系アイオナ派か、
 ローマ派か、
 同じキリスト教でも暦や祭事の設定が異なるふたつの派の、
 どちらを王は選択するのか――?

「それもォ、ややこしィ!」
「がるぐるがるがる!」(←訳:ややこし過ぎるよ!)

 当事者たちにとっても混乱と口論の尽きぬ会議の、
 アイルランド・カトリック教会側の法的な助言者として、
 フィデルマさんは参加することになったのです。

 が、法的な助言を述べるよりも前に。

 事件が起こりました。
 先ずこの事件を解決せぬことには会議も行えん!と考えた王さまは、
 フィデルマさんに調査を命じます。
 
「ふむふむッ!
 おうさまのォ、かんがえはァ、ごもッともォ!」
「がるぐるがるるるる!」(←訳:そこはややこしくないね!)

 母国アイルランドとは、何かにつけ勝手が違うこの国で、
 制約を課されつつも、
 調査と推理にとりかかるフィデルマさん。
 犯人は……判明するのでしょうか?

 ややこし~い時代ミステリじゃん?と敬遠せず、
 ミステリ好きさん、
 時代もの好きさんはぜひ挑戦を!
 当時のアイルランドは文化先進国だったんだわ!
 それに比べて昔のイングランドの野蛮さはなんなの?
 などなど、ビックリさせられる事柄がいっぱいです!
 読んでハマっちゃう御方、多いそうですよ~♪

「いつのォ、じだいもォ!」
「がるぐるがるるーがるる!」(←訳:求められるは名探偵!)

 活字マニアの皆さま、ハマりましょう!
 
コメント
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