テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 旅は、ふたりで ~

2012-05-14 23:32:51 | ブックス
「こんにちわッ!テディちゃでスーッ!
 ネーさッ、たいへんッたいへんッ!」
「がるる!ぐるがるるーっ!」(←訳:虎です!これを見てーっ!)

 こんにちは、ネーさです!
 ふひゃーっ!
 今週号の週刊少年JUMP掲載『ONE PIECE』の扉絵には
 我らがボンちゃんが!!
 元気でいてくれたのねボンちゃーん!
 嬉しい気分で、本日も読書タイムに出発進行ですよ~♪

  


 
            ―― 澁澤龍彦との旅 ――


 
 著者は澁澤龍子(しぶさわ・りゅうこ)さん、2012年4月に発行されました。
 先日ご紹介しました『作家の旅』にも登場していた澁澤龍彦(しぶさわ・たつひこ)さん――
 この御本は、著者・澁澤龍子さんが御夫君・龍彦さんとの
 旅の思い出を綴った一冊です。

 澁澤龍彦さん……!
 平成生まれのお若い活字マニアさんは、
 どうなのかしら?
 澁澤さんのお名前を知っておられるのでしょうか?

「しッてるゥかなッ??」
「ぐるがるがる?」(←訳:知らないかな?)

 美術評論家?小説家?仏文学者?
 そのどれでもあって、
 同時にどの枠にも収まりきらないような、
 偉大な文章家さんであった、と申し上げたらよいのでしょうか。

 ただ、これだけは言えます。
 澁澤龍彦さんは、
 美しいもの、
 不思議なもの、
 隠されていた秘密の世界を
 私たち読み手に教えてくれた御方でした。

 現在ではとても有名になっている
 ボマルツォの奇怪な庭園も、
 シチリア島の荒れた屋敷も、
 ラコストのサド侯爵城跡も、
 花や樹木をモチーフにした騙し絵も、
 明恵上人の夢も、
 高丘親王の航海も、
 みんなみんな澁澤さんが見出し、伝えてくれたからこそ、
 私たちは知ることが出来ました。

 そして、常に澁澤さんのかたわらに在り、
 一緒に旅をしたのがパートナーの澁澤龍子さんです。

「ほんとうのッ、たびのともッ!」
「がるがるぐるる!」(←訳:手に手を取って!)

 《書斎の旅人》であった澁澤龍彦さんは、
 龍子さんと出逢って初めて書斎の外へ、真の異国へと
 旅を始めます。
 けれど、すべての雑事を担うのは、龍子さん!
 切符の手配、
 レストランでの注文、
 各国通貨の両替をぜ~んぶ龍子さんに任せて、
 龍彦さんは半ば空想の世界の旅人状態。
 
「ふつーのおくさんならァ、おこりまスゥ!」
「がっるる!」(←訳:きっとね!)

 龍子さんは怒りませんよ。
 想えば、御二方を結びつけたのも《旅》でした。
 
 旅に行きたいと休暇の申請をしたら
 上司に怒られたと嘆く龍子さんに、
 澁澤さんは言います――
 『ぼくが連れて行ってあげるから会社なんてやめちゃえ』。

「わーおッ♪♪」
「がるるっ♪♪」

 友人たちを巻き込んで、
 欧州へ、京都へ、東北へ――

  《眼》を持つひとは、こんな風に旅をする。

 そう思わせる御本です。
 澁澤さんのファンの方々、
 これから澁澤さんの作品に触れる活字マニアさんも、
 どうかぜひ!
 
「はるもォ、なつもッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:いつでも旅へ!)

コメント
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