テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

馥郁たる 《 陰謀 》 の香り?

2014-01-28 21:44:03 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるるゥ~♪はるがァきたかもォ~♪」
「がるる!ぐるるがっるるぐるる!」(←訳:虎です!今日はあったかでした!)

 こんにちは、ネーさです。
 春の足音が聞こえてきたような天候は、
 どうやら花粉も運んできたらしゅうございます。
 鼻がムズムズするのを堪えながら、
 さあ、本日の読書タイムは、この美術評論本でゆきましょう~!

  



 
             ―― 名画の謎 歴史の陰謀篇 ――



 著者は中野京子さん、2013年12月に発行されました。
 第一作『ギリシャ神話編』、第二作『旧約・新約聖書編』に続いての
 《名画の謎》シリーズの第三作が、こちらの
 『歴史の陰謀篇』です。

「うむむゥ~! おどろおどろしィふんいきィ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:陰謀だからね!)

 ええ、なんたって陰謀です。
 空気が重苦しくなるのも無理はないわね。

 御本表紙の、重苦しいのみならず、
 暗くて、不穏で、強い胸騒ぎを感じさせる絵画は、
 ポール・ドラローシュさん(1797~1858)の
 『ロンドン塔の王子たち』。

 シェイクスピア劇ファンさん、
 英文学好きな御方はもう、
 『ロンドン塔の王子たち』と聞けば、
 万事お分かりでしょう。

 叔父である王リチャード三世によって
 ロンドン塔に幽閉された王子たち。
 彼らを待つ運命は……

「ぶるるるッ!」
「がるるぅ!」(←訳:怖いよぅ!)

 かくのごとく、絵画には
 “陰謀の歯車が回り始める瞬間”を
 描いた作品が多数あります。

 この御本では他に、

 
   ラファエロさん画『レオ十世と二人の枢機卿』

   ヨハネス・フェルメールさんの『恋文』

   ダヴィッドさんの『サン=ベルナール峠を越えるナポレオン』

   ゴヤさんの『異端審問の法廷』

   ジョージ・グロスさんの『恋わずらい』

 等々が、陰謀の香りプンプンの名画として
 紹介&解説されます。

「いッけんッ、へいわなァふうけいィもッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:実は愛憎熾烈!)

 絵画に描き込まれた暗喩(=メタファー)を発見し、
 正確に読み解くことは、
 とても難しいとされています。

 名画と称賛されるものの中にも、
 専門家さんたちにも解釈に悩み迷う作品が少なくありません。

 が、著者・中野さんは
 人気シリーズ《怖い絵》以来の眼力を発揮して、
 隠された意味を掘り起こし、
 作品の“裏事情”を引き出してゆきます。

 華々しく、美しい画面にひっそり植え付けられた
 陰謀のタネとはどのようなものなのか――

「きになるのはァ~」
「がるるぐる!」(←訳:その後だね!)

 読み手の想像力を刺激しまくるこの御本は、
 アート好きさんにも
 ミステリ好きさんにも
 歴史好きな活字マニアさんにもおすすめですよ♪

「じじつはァ、しょうせつよりもォ~…?」
「ぐるるる!」(←訳:たぶん奇!) 



コメント
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