「こんにちわッ、テディちゃでス!
るるゥ~♪おきなわァはァ~はるゥ~♪」
「がるる!ぐるるるがるるっる!」(←訳:虎です!梅の花が咲いたって!)
こんにちは、ネーさです。
大寒も過ぎて、春まであと少し!思いたい今日の読書タイムは、
さあ、こちらの御本を、どうぞ~!
―― 甘いもんでもおひとつ ――
著者は田牧大和(たまき・やまと)さん、2013年10月に発行されました。
『藍千堂菓子噺(あいせんどう かしばなし)』と副題が付されています。
前回記事に続いて、
この御本もお江戸を舞台とした“時代小説”ですよ♪
「でもォ、ちゃんばらッ、でてきませんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:忍者もなし!)
合戦場に響く剣戟がなくとも、
忍者さんの放つ手裏剣がなくとも、
お侍さんが殆ど出てこなくても、
読み手の心をつかむ時代小説は存在します。
たとえば、この御本の主役さんたち――
頑張り屋の菓子職人さんと、
その職人さんが作り出す美味しいお菓子があれば、
はい、目前に浮かぶのは、
小さいけれど繁盛している一軒の菓子屋、
神田相生町の
《藍千堂(あいせんどう)》さんです。
「わはァ~♪ おかしやさんッ♪」
「がるぐるるぐるる!」(←訳:いい匂いがするよ!)
空腹を刺激するのは、
お餅を蒸している作業中の香りでしょうか。
ただね、テディちゃ、虎くん、
《藍千堂》さんのお菓子は、上菓子なのよ。
「……じょうがしィ???」
「っるぐるるる??」(←訳:って何ですか??)
上菓子というのは、
御本の表紙にもなっているような
お茶会で振る舞われるお菓子や、
御進物用のお菓子(上物菓子)のことです。
美味しくて、美々しくて、当然ながら、
お安くはないんですけれど、
《藍千堂》の品は評判上々、
しっかりした常連さんもついています。
が、主の晴太郎(はるたろう)さんは、
四文の柏餅(かしわもち)を作って売ろう!
と言いだして、弟の幸次郎(こうじろう)さんを驚かせました。
四文のお菓子。
それはすなわち、
お小遣いで買えちゃうようなお菓子。
「うふゥ! それはァすてきィ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:ボクらも買えそう!)
上菓子としての柏餅と、
毎日のおやつに近い安価な柏餅。
作り分けて売り出せば、
さらなる評判を呼ぶに違いありません。
ええ、妨害を受けさえしなければ――
「おみせのォ、ゆくてにィ、あやしのかげッ!」
「ぐっるるがるる!」(←訳:真っ黒い暗雲が!)
菓子司《藍千堂》さんは
どうやら複雑な事情を抱えているらしいですね。
晴太郎さんと
幸次郎さん、
ふたりの背後に何があるのでしょうか……?
お菓子にまつわる連作6編、
お江戸の世も、
また現代でも変わらない人間ドラマを
野中深雪さんの装丁、
㈱榮太樓總本舗さんによる御本表紙の和菓子、
各章の扉に用いられた菊寿堂いせ辰さんの千代紙とともに、
活字マニアの皆さま、
愉しく味わってくださいませ♪
「おかしまにあさんにもォ~」
「がるるる!」(←訳:おすすめ!)
るるゥ~♪おきなわァはァ~はるゥ~♪」
「がるる!ぐるるるがるるっる!」(←訳:虎です!梅の花が咲いたって!)
こんにちは、ネーさです。
大寒も過ぎて、春まであと少し!思いたい今日の読書タイムは、
さあ、こちらの御本を、どうぞ~!
―― 甘いもんでもおひとつ ――
著者は田牧大和(たまき・やまと)さん、2013年10月に発行されました。
『藍千堂菓子噺(あいせんどう かしばなし)』と副題が付されています。
前回記事に続いて、
この御本もお江戸を舞台とした“時代小説”ですよ♪
「でもォ、ちゃんばらッ、でてきませんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:忍者もなし!)
合戦場に響く剣戟がなくとも、
忍者さんの放つ手裏剣がなくとも、
お侍さんが殆ど出てこなくても、
読み手の心をつかむ時代小説は存在します。
たとえば、この御本の主役さんたち――
頑張り屋の菓子職人さんと、
その職人さんが作り出す美味しいお菓子があれば、
はい、目前に浮かぶのは、
小さいけれど繁盛している一軒の菓子屋、
神田相生町の
《藍千堂(あいせんどう)》さんです。
「わはァ~♪ おかしやさんッ♪」
「がるぐるるぐるる!」(←訳:いい匂いがするよ!)
空腹を刺激するのは、
お餅を蒸している作業中の香りでしょうか。
ただね、テディちゃ、虎くん、
《藍千堂》さんのお菓子は、上菓子なのよ。
「……じょうがしィ???」
「っるぐるるる??」(←訳:って何ですか??)
上菓子というのは、
御本の表紙にもなっているような
お茶会で振る舞われるお菓子や、
御進物用のお菓子(上物菓子)のことです。
美味しくて、美々しくて、当然ながら、
お安くはないんですけれど、
《藍千堂》の品は評判上々、
しっかりした常連さんもついています。
が、主の晴太郎(はるたろう)さんは、
四文の柏餅(かしわもち)を作って売ろう!
と言いだして、弟の幸次郎(こうじろう)さんを驚かせました。
四文のお菓子。
それはすなわち、
お小遣いで買えちゃうようなお菓子。
「うふゥ! それはァすてきィ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:ボクらも買えそう!)
上菓子としての柏餅と、
毎日のおやつに近い安価な柏餅。
作り分けて売り出せば、
さらなる評判を呼ぶに違いありません。
ええ、妨害を受けさえしなければ――
「おみせのォ、ゆくてにィ、あやしのかげッ!」
「ぐっるるがるる!」(←訳:真っ黒い暗雲が!)
菓子司《藍千堂》さんは
どうやら複雑な事情を抱えているらしいですね。
晴太郎さんと
幸次郎さん、
ふたりの背後に何があるのでしょうか……?
お菓子にまつわる連作6編、
お江戸の世も、
また現代でも変わらない人間ドラマを
野中深雪さんの装丁、
㈱榮太樓總本舗さんによる御本表紙の和菓子、
各章の扉に用いられた菊寿堂いせ辰さんの千代紙とともに、
活字マニアの皆さま、
愉しく味わってくださいませ♪
「おかしまにあさんにもォ~」
「がるるる!」(←訳:おすすめ!)