テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

キラリとはばたく、連想の国へ♪

2014-12-14 21:33:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はなまるおにいさんッ、だいきちおにいさんッ、やッたねッ!」
「がるる!ぐる・がるるるぐる~!」(←訳:虎です!祝ザ・マンザイ優勝~!)

 こんにちは、ネーさです。
 “脚本”“配役”“テンポ”“勢い”、
 すべて揃った最高品質の漫才でしたね。
 では、本日の読書タイムも、
 最高品質のエッセイ作品を、どうぞ~♪

  



             ―― 今日はぶどうパン ――



 著者は平松洋子(ひらまつ・ようこ)さん、2014年11月に発行されました。
 食の雑誌『dancyu』に連載された《台所の時間》2010年5月号から
 2014年6月号掲載分に加筆・修正し、
 楽しくも美味し~いエッセイブックが出来上がりましたよ。

「ぶどうぱんッ、すきさッ♪」
「ぐるがるるぐる!」(←訳:あの香りが好き!)

 表題作『干しぶどう 今日はぶどうパン』をはじめ、
 収録されているのは、
 テーマとサブテーマの組み合わせから成る46編の、
 《食》と《日々》のおはなし。

 例えばそれは、

  『噛む いいことずくめ』
  『絞る 手加減ひとつ』

 だったり、

  『パンの耳 ひそかな宝物』
  『炒り卵 食卓の太陽』

 だったり、

  『緩衝材 籾殻(もみがら)が懐かしい』や、
  『ペットボトル マラカスにもなる』。

「まらかすゥ??」
「がるぐるるるっ」(←訳:そう来ますかっ)

 著者・平松さんの《食》へのこだわりは、
 ときに、読み手の意表をつく転回をみせます。

 『しずく これも味のうち』で
 蒸し煮や煮物をしながら
 平松さんが想うのは、
 正岡子規さんの随筆『墨汁一滴』――
 病床の子規さんの切なる願い。

 『手袋 ふたつでひとつ』では、
 郵便局で見かけた、
 ぽつんとひとつだけ置き去りにされていた手袋から、
 新見南吉さんの『手袋を買いに』を。

 『夕焼け 一瞬の祭事』では、
 向田邦子さんの『あ・うん』を。

「えッせいィなのにィ~」
「ぐるぐるがるる!」(←訳:どんどん広がる!)

 映画のように、
 想像力がワイドにひろがってゆく文章には、
 親しみやすさと、
 ある種の神々しさが同居しています。

 身近なのに、清々しい。
 馴染みがあるのに、凛々しく、美しい。

「おしゃしんもォ、すてきィでスねッ♪」
「がるぐるっるぅる!」(←訳:つい見入っちゃう!)

 エッセイ一編ごとに
 添えられている日置武晴さんの写真にも
 心を打たれます。
 平松さんのファンの方々のみならず、
 写真好きな方々も、
 ぜひ、手に取ってみてくださいな♪
 



コメント
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