テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

その名は……ズバリ?

2015-09-04 21:45:58 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ふゥッ! ながァ~いィ、いッしゅうかんッでしたでスゥ!」
「がるる!ぐるるるぅ!」(←訳:虎です!疲れたよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 夏休みが終わってしまい、
 身も心もクタクタ……な週末の読書タイムは、
 あははっ♪うきゃきゃ♪
 と明るく笑えるノンフィクション作品を御紹介いたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



           ―― 珍名いきもの124 ――



 著者&本文の解説は北嶋廣敏(きたじま・ひろとし)さん、
 画は藤田和生(ふじた・やすお)さん、2015年6月に発行されました。
 『誰かに話したくなる』と副題にもありますように、
 あまりの面白さ・可笑しさに、

「あのねッ、きいてッきいてッ♪」
「ぐるがるー!」(←訳:これ見てー!)

 と誰かしらに話しかけ、
 知識を共有したくなること請け合いの
 ユニークな動植物雑学図鑑です。

 ああ、それにしても、
 ヘンテコな名前の生きものが
 世の中にこれほどた~くさん存在するとは!

「たつのいとこッ!」
「がるるるる!」(←訳:ヨダレカケ!)

 タツノオトシゴには、イトコがいる!
 いや、イトコだけじゃない、
 タツノハトコという、ハトコ(再従兄弟)もいる!

 あ、冗談ではないんですよ。
 本気です。本当です。

 タツノイトコは、ヨウジオウ科の海水魚。
 相模湾以南、インドシナ半島沿岸、インド洋に分布しており、
 タツノオトシゴに似ていますが、
 首は曲がっておらず、頭部の冠状突起が発達していない、のだそうです。
 タツノハトコはタツノオトシゴの近似種類で、
 こちらも実在いたします。

 ヨダレカケ、というのも
 イソギンポ科の海水魚で、
 英名でさえ『pinafore blenny(エプロンをつけたギンポ)』。
 磯棚に生息し、カエルに似た顔で、
 顎の下には吸盤もある、とか。

「うそじゃァないィんでスゥ!」
「ぐるがるぅ!」(←訳:真実ですぅ!)

 真実のみが持つヘヴィな衝撃はまだまだ続きます。

 パンダダルマハゼ。
 コンペイトウ。
 
 ブンブヌチャガマ。
 ウメボシイソギンチャク。

 ジゴクノカマノフタ。
 ヘソクリ……。

 あっとと、
 活字マニアの皆さまから
 “知る喜び”を奪ってしまってはいけないので
 これ以上は記しませんが、
 動物では魚類・哺乳類・カエル類・昆虫類・貝類他、
 植物では草木・本木・海草、
 原生生物、菌類、変形菌まで、
 揃いも揃ったり、
 ヘンなナマエのヤツらがずら~りと。

「でもォ、いみがァ、あるのでス!」
「がるるる!」(←訳:由来もね!)

 なんでヘンな名前が付けられちゃったのか。

 誤解が原因?
 ルックスのせい?
 生態ゆえか?
 或いは……命名者の気まぐれ?

「いくらァなんでもォ!」
「ぐるるるるがるるぅ!」(←訳:気まぐれはヒドイぃ!)

 著者・北嶋さんは短い解説文の中に
 それぞれの名に籠められたエピソードを
 分かりやすく、詩情をまじえつつ、
 メチャクチャな名を付けられた生きものたちへの
 同情をも滲ませつつ、
 巧みに語ってくださいます。

 ヘンな名に驚いて、
 なぜ?と問えば、
 そこに生きものの多様なかたち、
 生命の不思議が在る――

「へんてこォだけどォ~」
「がるるぐるぅがるるるっ!」(←訳:バカにしちゃダメだぞっ!)

 あはは♪と笑って読んでゆけば、
 こころも晴れる、
 物識りにもなれる、
 世界がぐーんと広がってもゆく稀有なる作品、
 理系さんにも文系さんにもおすすめです。
 探してみてくださいね~♪

 

コメント
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