「こんにちわッ、テディちゃでッス!
わきゃァッ! れすたーがァ、やッたでスゥ!」
「がるる!ぐるるるがるるー!」(←訳:虎です!プレミア制覇だー!)
こんにちは、ネーさです。
優勝が決まった瞬間は狂喜していた選手さんたちが、
しばらくすると涙を堪えられず、嗚咽する……
基本ユーヴェファンの私ネーさも貰い泣きする、
感慨深い光景でした。
おめでとう、レスターの選手さんスタッフさんサポさんたち!!
本日の読書タイムも
読後は思いっきり感慨深くなるこちらの一冊を、さあ、どうぞ~!
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―― 奇妙な孤島の物語 ――
著者はユーディット・シャランスキーさん、
原著は2009年に、日本語版は2016年2月に発行されました。
独語原題は『ATLAS DER ABGELEGENEN INSELN』、
『私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう50の島』と
日本語副題が付されています。
前回記事では、
フランスの美しい村のガイド本を御紹介いたしました。
どの村も、鉄道の駅からは離れていても、
車と地図があれば行きつけるところ、でしたが……
この御本では、そうはゆきません。
「ふァ? ゆきつけないィのでスかァ?」
「ぐる~??」(←訳:なぜ~??)
ちょっとやそっとじゃ
到底、行けやしない島。
著者・シャランスキーさんが読者さんを案内するのは、
そういう場所です。
陸地の影も見えない、絶海の孤島。
島、とうよりも、
大海に浮かぶ環礁。
ロビンソン・クルーソーの物語のモデル?
と推察される島。
「ううゥッ、ぶるるゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:なんだか壮絶!)
どこかしら不吉な気配が感じられなくもない
それらの島の中には、
しかし、私たちがよく聞き知っている島もあります。
例えば、セント・ヘレナ島。
「あはァ! なぽれおんさんのォ、しまッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:流刑の島だね!)
例えば、南キーリング諸島。
1836年、珊瑚礁からできたその島にやって来たのは
英国軍艦ビーグル号。
そして、チャールズ・ダーウィンさんは
静かに島へと降り立ちました……。
「わおゥ! だーうぃんさんッ??」
「がるるるぐる!」(←訳:歴史的な一歩!)
或いは、南極海のフランクリン島。
トラファルガー海戦の英雄フランクリン卿の名を冠する島の、
名付け親は、ロス船長という探検家でした。
フランクリン島を訪れた4年後、
ロス船長は北西航路を開拓せんと
北極海へ出航します。
帰り道のない、絶望の旅になると知る由もなく……。
「だいじけんッでしたでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:いまも謎の!)
余っ程の覚悟がないと、行けぬところ。
費用も手間も手続きも常識ハズレのものになるところ。
いえ、中にはお金を払っても行けないところもあります。
硫黄島って、一般人は立ち入り禁止じゃありませんでしたっけ?
満潮時には海抜1mになっちゃう島、には、
島民以外は上陸を許されない……。
かくのごとく、この御本は、
《行けない》地への、案内書なのです。
「でもォ、たぶんッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:そこが良いんだ!)
この御本には、一枚の写真も掲載されていません。
あるのは、
そっけないような地図と、
著者・シャランスキーさんが語る島についてのエピソードだけ。
それが逆に、
読み手の想像力を刺激します。
その島を囲む海の色、
波の高さ、
風の強さ、
空のひろがり。
住む人は、いるのか、いないのか。
植物は? 動物は?
そして、島の未来は――
「ついついィ、かんがえェちゃうゥ!」
「ぐるるがるる??」(←訳:どんなだろう??)
海の彼方の、
ここではないどこか。
見果てぬ、理想郷の島影。
「ゆけそうでェ~」
「がるるるぐるる!」(←訳:行けないところ!)
著者・シャランスキーさんによる『はじめに』、
訳者・鈴木仁子さんによる『訳者あとがき』は
必読の名文です。
地図マニアさんに、
旅エッセイ好きな御方に、
いえ、全活字マニアさんにおすすめしたいこの御本、
皆さま、ぜひ、一読を!!
わきゃァッ! れすたーがァ、やッたでスゥ!」
「がるる!ぐるるるがるるー!」(←訳:虎です!プレミア制覇だー!)
こんにちは、ネーさです。
優勝が決まった瞬間は狂喜していた選手さんたちが、
しばらくすると涙を堪えられず、嗚咽する……
基本ユーヴェファンの私ネーさも貰い泣きする、
感慨深い光景でした。
おめでとう、レスターの選手さんスタッフさんサポさんたち!!
本日の読書タイムも
読後は思いっきり感慨深くなるこちらの一冊を、さあ、どうぞ~!
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―― 奇妙な孤島の物語 ――
著者はユーディット・シャランスキーさん、
原著は2009年に、日本語版は2016年2月に発行されました。
独語原題は『ATLAS DER ABGELEGENEN INSELN』、
『私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう50の島』と
日本語副題が付されています。
前回記事では、
フランスの美しい村のガイド本を御紹介いたしました。
どの村も、鉄道の駅からは離れていても、
車と地図があれば行きつけるところ、でしたが……
この御本では、そうはゆきません。
「ふァ? ゆきつけないィのでスかァ?」
「ぐる~??」(←訳:なぜ~??)
ちょっとやそっとじゃ
到底、行けやしない島。
著者・シャランスキーさんが読者さんを案内するのは、
そういう場所です。
陸地の影も見えない、絶海の孤島。
島、とうよりも、
大海に浮かぶ環礁。
ロビンソン・クルーソーの物語のモデル?
と推察される島。
「ううゥッ、ぶるるゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:なんだか壮絶!)
どこかしら不吉な気配が感じられなくもない
それらの島の中には、
しかし、私たちがよく聞き知っている島もあります。
例えば、セント・ヘレナ島。
「あはァ! なぽれおんさんのォ、しまッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:流刑の島だね!)
例えば、南キーリング諸島。
1836年、珊瑚礁からできたその島にやって来たのは
英国軍艦ビーグル号。
そして、チャールズ・ダーウィンさんは
静かに島へと降り立ちました……。
「わおゥ! だーうぃんさんッ??」
「がるるるぐる!」(←訳:歴史的な一歩!)
或いは、南極海のフランクリン島。
トラファルガー海戦の英雄フランクリン卿の名を冠する島の、
名付け親は、ロス船長という探検家でした。
フランクリン島を訪れた4年後、
ロス船長は北西航路を開拓せんと
北極海へ出航します。
帰り道のない、絶望の旅になると知る由もなく……。
「だいじけんッでしたでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:いまも謎の!)
余っ程の覚悟がないと、行けぬところ。
費用も手間も手続きも常識ハズレのものになるところ。
いえ、中にはお金を払っても行けないところもあります。
硫黄島って、一般人は立ち入り禁止じゃありませんでしたっけ?
満潮時には海抜1mになっちゃう島、には、
島民以外は上陸を許されない……。
かくのごとく、この御本は、
《行けない》地への、案内書なのです。
「でもォ、たぶんッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:そこが良いんだ!)
この御本には、一枚の写真も掲載されていません。
あるのは、
そっけないような地図と、
著者・シャランスキーさんが語る島についてのエピソードだけ。
それが逆に、
読み手の想像力を刺激します。
その島を囲む海の色、
波の高さ、
風の強さ、
空のひろがり。
住む人は、いるのか、いないのか。
植物は? 動物は?
そして、島の未来は――
「ついついィ、かんがえェちゃうゥ!」
「ぐるるがるる??」(←訳:どんなだろう??)
海の彼方の、
ここではないどこか。
見果てぬ、理想郷の島影。
「ゆけそうでェ~」
「がるるるぐるる!」(←訳:行けないところ!)
著者・シャランスキーさんによる『はじめに』、
訳者・鈴木仁子さんによる『訳者あとがき』は
必読の名文です。
地図マニアさんに、
旅エッセイ好きな御方に、
いえ、全活字マニアさんにおすすめしたいこの御本、
皆さま、ぜひ、一読を!!