テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ゆらゆら、のティールーム。

2016-05-13 21:57:28 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しんりょくのォ、きせつはァ~」
「がるる!ぐるるがーるる!」(←訳:虎です!新茶のシーズン!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、立夏も過ぎた本日の読書は、
 新茶……ではなくて、
 “茶室”をテーマにした御本に登場いただきますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



          ―― 藤森先生茶室指南 ――



 監修は藤森照信さん・大嶋信道さん、
 著者は、藤森照信さん・中村昌生さん・
 大嶋信道さん・小川後楽さん・原広司さん・速水清孝さん・隈研吾さん、
 2016年3月に発行されました。
 
 お茶……茶室……茶道……
 日本の文化と美術に大きな影響を与えてきた《茶》ですが、

「あううゥッ、あしがァ~」
「ぐるるるがるぅっる!」(←訳:シビレてきちゃった!)

 そうねえ、考えてみるだけで
 正座した足がギチギチに痺れてくるような気がします。
 だって、藤森さんも御本冒頭の『前口上』で述べておられるように、

   400年前に千利休がつくりだした茶室とは
   閉じた空間である。

 つまり、閉塞感ただよう、
 狭~い場所、なんですね。

「おそとォ、みえませんッ!」
「がるるぐる~…!」(←訳:照明も暗い~…!)

 利休さんが理想とした様々な約束事。

 けれど、広さ、畳の質やサイズ、障子や床の間、
 何より美意識……と
 いくつものルールに縛られているはずの極限の空間の真の姿は、
 実のところ、
 急ごしらえの、仮の小屋でした。

 戦場で、太閤秀吉さんのために
 ありあわせの材を集めて作成した
 手作りの空間――

 それを、突き詰めてゆけば、

 《守らなければいけない定形はない》。

「わほゥ! いがいィ、でスゥ!」
「ぐるるがるっ?」(←訳:わりと斬新っ?)

 現代、世に数多の建築あれど、
 内向と自閉をテーマとするのは
 茶室だけ。

 建築家諸君にすすめたい、
 茶室の設計に取り組むことを!

 え?
 茶室の注文なんてない?

 ないのなら、そう、自分でつくればいい。

「あはァ! そッかァ~♪」
「がるるぐるる!」(←訳:自分が注文主!)

 幸いにも?
 藤森さんの茶室第1作『薪軒(ニラハウス)』(1997)は
 盟友・赤瀬川原平さんが注文主となってくれました。

 お家の中に隠れ家が欲しい、との
 赤瀬川さんの要望から生まれた茶室は……

「ううゥッ??」
「ぐるるるっ?」(←訳:浮いてるっ?)

 ふぅっ、と
 お家の軒の上に浮かぶような、
 ありそうでなかった場所。

 それ以来、藤森さんがつくる茶室を
 オノマトペで形容すると、

 ふわふわ。
 ゆらゆら。
 さわさわ。

「くうちゅうゥていえんッ?」
「がるぐる?」(←訳:空中茶室?)

  ――地から生えて宙に浮きたい――

 藤森さんの願望を写す茶室21作品についての、
 解説と設計、施工の経緯、工夫。

 サクラの森に茶室をつくったら、どうなる?
 海外の美術館からの依頼でつくったら、どうなる?
 
 建築好きな御方には
 読みどころ&見どころたっぷりの一冊です。
 利休さんの茶室について、
 建築史について知識を深めたい御方にも
 おすすめですよ。

 週末、窓の外の新緑を眺めながら、
 ぜひ、一読を~♪

「どくしょのォ、おともはァ~」
「ぐるるるがるる!」(←訳:もちろんお茶で!)
 

 

 
コメント
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