テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

魅惑の《哲学》小路。

2016-05-26 22:04:20 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでスゥ!
 そろそろォ~おおづめェでスかッ♪」
「がるる!ぐるるがる?」(←訳:虎です!優勝は誰に?)

 こんにちは、ネーさです。
 2016ジロ・ディ・イタリアは波乱続き!
 無名の選手さんがステージ優勝したり、
 ペースメイカーさんがトップでゴールしちゃったり、
 先読みできない展開です。
 本日の読書タイムで御紹介いたしますのは、
 “読みにくい”ジャンルに敢えて挑戦!という
 勇気あふれる一冊ですよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
  
  



          ―― はじめての哲学 ――



 著者は石井郁夫(いしい・いくお)さん、画はヨシタケシンスケさん、
 2016年2月に発行されました。
 はいっ、哲学です、
 ネーさが書き間違えしたワケじゃありませんよ。
 美味しいケーキを求めて
 未知のお菓子屋さんを訪ねるのと同じように、
 踏み込んでみましょう、《哲学》の世界へ!

「てッ、てつがくゥ~…!」
「ぐるるるる!」(←訳:五里霧中だ!)

 いえ、慌てる必要はありませんとも。
 御本の題名に『はじめて』とありますでしょ?
 哲学初心者さんでも、
 ゆったりと迎え入れてくれる
 ふところの広い文章と画が
 私たち読み手を導いてくれます。

 哲学を学ぶ――

 というより、
 14人の哲学者の人生をたどりながら、
 彼らの思想を学ぶ哲学入門書。

 ↑これが、この御本のスタンスです。

「つまりィ、てつがくぶんやのォ~」
「がるる?」(←訳:偉人伝?)

 哲学史偉人伝の始まりは、
 まずは王道に則り、
 古代ギリシャがスタートラインとなります。

 紀元前479年、
 ギリシャ半島に侵攻したペルシア軍を撃退されます。
 そうして、都市国家アテネは
 《偉大な50年》と呼ばれる黄金時代を謳歌することになり、
 ソクラテスさん→プラトンさん→アリストテレスさんの3人が
 現代にまで影響を及ぼす
 《叡智》の塔を築き上げました。

「あはァ! ありすとてれすさんッ、いいかもッ!」
「ぐるるがるる~!」(←訳:分かりやすい~!)

 裕福なお家に生まれ、
 プラトンさん主宰の学園で勉強し、
 アレクサンドロス王の家庭教師となるも、
 動物好きの海洋学者であり、
 世界初の動植物園を造った――

 哲学者さんよりも博物学者さんだわね。

「こだいぎりしゃッてェ~、ぐろーばるゥ!」
「がるるぐるがる!」(←訳:時代の先端だよ!)

 古代ギリシャを舞台とする第一章の次は、
 近代哲学が芽吹いた時代へ。

 ルネサンス、といっても
 イタリアではなくイギリスのルネサンス時代に
 著者・石井さんは筆を進めます。

 《知は力なり》と著したベーコンさん。

 一方、ドイツではデカルトさんが
 《我思う、ゆえに我あり》と言い、

 カントさんは学生に問われ、
 《人間とは何かを具体的に知ることが、
  すべての学問の出発点なのだ》
 と答えます。

「うむゥ! だんだんッ!」
「ぐるがるるぐっるるる!」(←訳:哲学らしくなってきた!)

 ヘーゲルさん、
 ショーペンハウエルさん、
 ニーチェさん……

 著者・石井さんによる学者さんたちの略伝は、
 哲学という小路を形作るレンガのひとつひとつを
 あらためて磨き、
 光を当てているかのようです。

 こうして、ヒトは学んできた――

 いえ、まだまだ学び足りていないようですが。

「これからもォ、てつがくのォみちはァ、つづきまスゥ!」
「が~っる!」(←訳:ず~っと!)

 哲学の祖・タレスさんから、
 20世紀の実存主義者・サルトルさんまで。

 ヨシタケシンスケさんのイラストがとても楽しくて
 ついふらふら~っと読み進んでしまう
 魅惑の哲学入門書、
 歴史好きさん
 伝記モノ好きな御方にもおすすめです。
 もちろんフィクション好きな活字マニアさんも、
 ぜひ、一読してみてくださいな♪ 




   
コメント
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