テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

好きキライ、あるんです。

2018-06-07 21:00:16 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ころもがえェ~しんこうちゅうゥでス!」
「がるる!ぐるがるるぐるるる!」(←訳:虎です!服も小物も夏仕様で!)

 こんにちは、ネーさです。
 はーい、夏です……ほぼほぼ夏、な季節です。
 なので私ネーさ、早くも夏バテというか暑さバテでぐったり、
 食欲もいまひとつ……
 こんな日の読書タイムは、
 “食べる気力”を掻きたててくれそうな
 こちらの新書を、さあ、どうぞ~♫

  



        ―― 作家のまんぷく帖 ――



 著者は大本泉(おおもと・いずみ)さん、2018年4月に発行されました。
 この御本に登場するのは、
 明治・大正・昭和の時代に活躍した22人の作家さん――

 そう、それは、
 エアコンなんてありませんし、
 冷蔵庫や冷凍庫も無かったか、
 まだ普及していなかった時代だとも言えます。

 現代とは全く異なる食生活、食糧事情、食文化の中、
 作家さんたちは、
 どんな“ごはん”“食べもの”を好み、
 創作の栄養源としていたのか、というと……?

「ようしょくゥ?」
「ぐるがるぅ?」(←訳:和食でしょ?)

 洋食か、和食か。

 いえ、それよりも、
 一種のスタイルを追求した作家さんもおられます。

 金沢生まれの作家にして戯曲家、
 泉鏡花さん(1873~1939)は
 大の潔癖症でもありました。

 若い頃はそうでもなかったらしんですけど、
 赤痢にかかって以降は、
 なまもの?
 とんでもない!てな具合で。

「しゃふつゥ~しょうどくゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:お酒は煮燗!)

 虎屋さんの羊羹が好きで、
 銀座木村屋さんのパン(餡なしのパン)も好き。
 うどんも好物で、
 大根やヤツガシラの煮物も好物でした。

 って、鏡花センセ、ホントにダメなんですねえ、生もの……。

「このォせんせいィもォ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:好みがあります!)

 歌人の斎藤茂吉さんは、
 鰻、ウナギ、うなぎ……鰻丼を愛して止みません。

 詩人・彫刻家の高村光太郎さんは、
 フランス留学中はパンに親しみ、
 ビールをたしなみ、
 疎開中は自分で畑を耕したり。

「あッ! このォひとォはッ!」
「がるるるるるぐるるがる!」(←訳:折り紙つきの美食家さん!)

 近代日本で随一の“美食家”さんといったら、
 やはり行き着くのは……北大路魯山人さん。

 魯山人さんにも大好物があって、それは、
 田螺(たにし)……

 えっ? はぁ? 

 たにし??

「たッたにしィ?」
「ぐるっるがるるるるる?」(←訳:田螺って食べられるの?)

 著者・大本さん、当たり前のようにサラっと書き流していますが、
 田螺――美食家さんの好物がタニシ、って。
 えーと……さりげなくショックです……。

「ほかにもォ、たくさんのォ~」
「がるぐる?」(←訳:衝撃あり?)

 好きなもの、嫌いなもの、苦手なもの。

 笑顔や、膨れっ面や、
 にんまりとした恵比寿顔が
 エピソードの数々から透かし見えてきます。

「まんぷくはァ~」
「ぐるがる!」(←訳:口福です!)

 作家さんたちの“素の顔”が浮かぶ
 20世紀の食卓を、
 皆さまも、ぜひ♪
 
 
コメント
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