テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

変わりダネ、見つけました?

2018-06-11 22:16:42 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いまァ、すいすがァ~あついィ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!前哨戦なんです!)

 こんにちは、ネーさです。
 現在、スイスで開催されているのが、
 《ツール・ド・スイス》――
 ツール・ド・フランスを直前にしての脚ならし、
 選手さんの好調不調を見極める意味も持つ大会ですので
 けっこう盛り上がっているんですよ。
 日本のTVでは殆ど報道されませんが、
 スポーツ好きな御方はネットのスポーツニュース等を御覧くださいね。
 さあ、ではここからは読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  



    ―― シャーロック・ホームズの失われた災難 ――



 編者はジェリー・マーキュラスさん他、
 原著は2016年に、日本語版は2018年1月に発行されました。
 英語原題は『The Missing Misadventures of Sherlock Holmes』、
 ……ええと、敢えてジャンル分けするならば、
 “問題作”でしょうか。

「ふァ??」
「ぐるるぅ?」(←訳:問題作ぅ?)

 この御本の、そもそもの出発点は、
 20世紀ミステリ界の大御所エラリー・クイーンさんが、
  
   そうだ、アンソロジーを作ろう!
   シャーロック・ホームズもののパロディ、
   戯作(バーレスク)、
   それに綿密な摸倣作(イミテーション)を集めて!
   世界初のホームズアンソロジーだ!

 と思い立ったところに在りました。

 そうして、クイーンさんが編集した
 『シャーロック・ホームズの災難』は1944年に刊行された、
 のですけれども……。

「おこられェちゃッたのでス!」
「がるるるるるぐるるるる!」(←訳:ドイルさんの遺族さんに!)

 コナン・ドイル卿の遺児エイドリアンさんからの苦情により、
 クイーンさんの『災難』は絶版となりました。

 ただし、この措置は英語圏でのみ有効のものらしく、
 日本語版『シャーロック・ホームズの災難』は今も入手可能、と
 事情は複雑極まりなくて。

「ややこしィ~…!」
「ぐるるるがるる……」(←訳:オトナの世界だ……)

 この御本――『シャーロック・ホームズの失われた災難』には、
 『シャーロック・ホームズの災難』に収録しきれなかった
 14編の短編作品が収められています。

「もしかしてェ、そこにもッ?」
「がるるるぐるる?」(←訳:オトナの事情が?)

 長過ぎる、
 専門的すぎる、
 差別的な記述がある、
 などの理由があって選ばれなかったのだろう、と
 編者・マキューラスさんとジョンスンさんは
 御本冒頭の『はじめに』で述べています。

 正直に言ってしまいますとね、
 私ネーさも、
 う~ん、これは……
 原典への愛が足りないんじゃ?と首をヒネった作品もあります、が。

 いえ、ちょっと待って!

 スルーしてしまうにはもったいない作品もありますよ!

「えッ? どれどれッ??」
「ぐる?」(←訳:誰の?)

 コルネリス・フェートさん著
 『サー・シャーロック・ホームズ最後の最後の冒険』。

 1912年に刊行されたこの作品、
 兎にも角にも変わってます。

 著者フェートさんはオランダ人、
 原著はオランダ語、
 しかも原著者さんによるオリジナル挿絵も併載!

「うきゃッ! これはッ!」
「がるぐる!」(←訳:珍種だよ!)

 ハチャメチャのようでいて、
 しっかり計算されているようでもいて、
 やっぱり奇妙で変テコなこの作品からは、
 20世紀初頭の雑誌文化&デザインの香りが
 色濃く漂っています。

 ホームズさん好きな活字マニアさんは、
 この作品だけは一読してみるのも
 アリかと思われますよ。

「めずらしィ~おはなしィ、すきなァおかたはァ~」
「ぐるがぅっるる!」(←訳:ぜひチェックを!)
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする