テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ めぐり巡る、旅ならぬ旅 ~

2018-06-12 22:13:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 わわゥ! おもたいィ~!」
「がるる!ぐるるるる?」(←訳:虎です!サイズはL?)

 こんにちは、ネーさです。
 果物屋さんやスーパーマーケットに並ぶスイカが、
 どんどんサイズが大きく丸くなってくるにつれ、
 夏も本番なのだそうですよ♫
 最近は日本のスイカが中東で大人気だそうですが、
 さあ、本日の読書タイムは、
 世界中の旅行者さんから大々人気のあの都市を舞台にした
 こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



 ―― 京都伏見のあやかし甘味帖  花散る、恋散る、鬼探し――



 著者は柏てん さん、2018年3月に発行されました。
 以前に御紹介しましたね、
 『京都伏見のあやかし甘味帖 おねだり狐との町屋暮らし』に続く
 シリーズの第2巻目となる作品です。

「あァ~、あのォおねえさんッ!」
「ぐっるぅっるるがる!」(←訳:突っ走っちゃった人だね!)

 働いて働いて働き詰めで、
 お仕事に全力投球していた小薄(おすすき)れんげさん。
 或る日、愕然としてしまいます。

 恋人が、浮気。
 ミスをしたわけでもないのに、失職。

 こんなことって……!
 
「むむゥ! いッすんさきィはァ~」
「がるっるるる……」(←訳:闇だったんだ……)

 漠然と思い描き、想像していた未来が消えた――
 呆然自失状態のれんげさんが向かったのは、
 京都でした。

 東京から京都へ、
 つまりは傷心旅行のようなものでしょうけれど、
 傷心旅行とちょっとばかり違うのは、
 れんげさん、京都に“腰を据え”ちゃったんですね。

 大学生の虎太郎(こたろう)くんが住む町屋の一室に民泊し、
 気が向けば形ばかり出歩きはするものの、
 やはり、心の傷が疼いて、
 観光に熱中は出来ません……。

「でもォ、そこにィ!」
「ぐるぅるる!」(←訳:新キャラが!)

 れんげさんと親しくなったのは、
 いえ、なついた、というべきなのか、
 四六時中まとわりつくようになったのは、
 小さなキツネ。

 れんげさんが“クロ”と命名した黒いチビキツネちゃんは、
 伏見の御稲荷さまの一族の子。

 チビキツネちゃんと係れば、
 ヒトの眼には視えない別世界の京都の姿が 
 れんげさんにも見えてくる――

「こんかいィもォ、まきこまれてェまァ~ス!」
「がるるぐる??」(←訳:鬼退治騒動??)

 れんげさんの、スペクタクル?な体験と、
 対照的にのんびりと描かれるのは
 虎太郎くんの“京都甘いもの買い出し日記”。

 今日の和菓子屋さんを巡る虎太郎くんの食いしん坊っぷりが、
 物語に、バランスとアンバランス、両方をもたらします。

 読み手の方々は、
 はたして、鬼を探す羽目になったれんげさんと、
 お菓子を求めて町々を訪ねる虎太郎くん、
 どちらに共鳴することでしょうか♪

「それはァ、やぱりィ!」
「ぐるる!?!」(←訳:お菓子だ!?!)

 ミステリ的な要素も持つ御話ですので、
 これ以上詳しくは記せませんが、
 京都好きなカツジマニアさんはきっと楽しめる一冊です。
 和菓子好きな御方も、ぜひ♫

 
 
コメント
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