テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ カミは、語るや ~

2020-04-03 22:42:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さくらァ、ひゃくにじゅゥぱーせんとォ!」
「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!つまり満開です!)

 こんにちは、ネーさです。
 ゆったりのんびりお花見……する訳には行かぬ現状ではあれ、
 今年もソメイヨシノちゃんたちはきれいに咲いてくれました♪
 ありがとうサクラちゃんたち!と
 ピンク色の花々を見仰いで感謝を捧げつつ、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こtこちらの御本を、どうぞ~!

  


 
     ―― 紙鑑定士の事件ファイル ――



 著者は歌田年(うただ・とし)さん、
 2020年1月に発行されました。
 『Paper expert case file Murder of the miniature house 』
 と英語題名が、
 『模型の家の殺人』と日本語副題が付されています。

 前回記事では、2019年のベストミステリランキングを席捲した
 『Medium』を御紹介いたしました。
 そして、こちらの『紙鑑定士の事件ファイル』は、
 おそらく2020年のベストミステリの
 候補となること間違いなし!の快作、
 いえ、怪作ですよ♫

「そもそもォはァ~」
「ぐるるるるるがるぐるる!」(←訳:カンチガイが原因でした!)

 語り手の《私》こと
 渡部(わたべ)さんのお仕事は、
 紙の鑑定士。

 洋紙、すなわち西洋式製法の紙、
 また板紙や特殊紙を鑑定――
 持ち込まれた紙のサンプルを調べて、
 メーカー、銘柄を割り出し、
 米坪(べいつぼ)という紙の密度を推定し、
 紙厚を測定し、
 さらには“紙商”として
 紙の販売代理も行っているんです。

「めずらしィでスゥ!」
「がるぐるるがるる!」(←訳:紙の専門家なんだ!)

 紙の鑑定士であり専門家、
 いわば、紙の探偵さん。

 この、《紙の》っていう点が、
 問題の始まり、だったのね。

 《紙》を《神》と、
 カン違いしちゃった人がいたのよ。

「かみィはァ、かみィでもォ~」
「ぐるがる!」(←訳:カミ違い!)

 西新宿にある渡部さんの事務所を、
 訪ねてきた女性は言ったのです。

   あの、調べてほしいことがあるんです。

   実は……カレシのことなんですが。

   こちらには、
   何でも解決してくれる
   神探偵さんがいるって聞きましたけど。

「あうゥ~…!」
「がっるる~!」(←訳:がっかり~!)

 神探偵と、紙探偵。
 カミはカミでもずいぶん大違いなカミですよと、
 渡部さんは丁寧に説明します。

 普通ならそこで、
 失礼しましたカン違いでした、
 いえいえ、お気になさらずに、では……と、
 そんなやり取りになるのでしょう。

 ところが、女性は渡部さんに食いつきます。

   鑑定士って、他にもいろいろ鑑定できるんですか。
   もしかして、こんなのはわかりますか。

 そう言いながら、
 スマートフォンを突きつけてくるのです。
 そこには、
 プラモデルを写した画像がありました。

 最近、急にプラモデルを作り始めた彼氏さん。
 彼は浮気をしているのか、
 心はもう私から離れてしまったのか。

 興味をそそられた渡部さん、
 つい、話し込んでしまって。

「いつのォまにかッ?」
「ぐるがるるるる?」(←訳:力を貸すはめに?)

 紙と神が結ぶ縁。

 深く考えもせず、
 受けてしまった”彼氏の秘密”検証作業は、
 思いのほか大事になってゆく……?
 
「どうィしようゥ!」
「がるぐるるがるるる~!」(←訳:でもあとには引けない~!)

 紙鑑定士・渡部さんの想定外の大冒険の、
 顛末や如何に?

 作品中には、ここ・八王子市も
 ちょっと登場したりして、
 多摩っ子には嬉しいミステリです。
 皆さまも、ぜひ、一読してみてくださいね。
 おすすめですよ~♪♫
  

コメント
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