テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 言いたい放題?なアート談義 ~

2020-04-10 22:37:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しんりょくゥしーずんッ、なのでス!」
「がるる!ぐるる~♪」(←訳:虎です!青葉だ~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 う~んと背伸びをして、
 新緑に染まりつつある
 高尾山の方向を庭の片隅から仰ぎ見ながら、
 さあ、今日も読書タイムですよ。
 本日は、こちらの“アート放談本“を、どうぞ~♪

  


 
   ―― 初老耽美派 よろめき美術鑑賞術 ――



 著者は高橋明也(たかはし・あきや)さん、
 冨田章(とみた・あきら)さん、山下裕二(やました・ゆうじ)さん、
 2019年12月に発行されました。

「わほッ! びじゅつかいィのォ、ゆうめいィじんッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:美術史家三羽烏!)
 
 御本冒頭の『はじめに』に拠れば、
 題名にある《初老耽美派》とは、
 著者の高橋さん&冨田さん&山下さんが、

   酔った勢いのまま
   冗談半分で結成したユニット

 なのだとか。
 そして、
 《初老耽美派》の気高き理念はただひとつ、

   ぼーっと仲良く
   美術作品を眺めること。

「うんうんッ!」
「がるぐるる~♪」(←訳:それいいね~♪)

 ぼ~っと仲良く美術鑑賞……
 新型コロナウィルス禍により
 殆どの美術館が休館となってしまった今、
 理念というより
 はるかな理想郷の出来事のようですが、
 いやいやいや、
 海千山千の美術史家3人衆が、
 ただ“ぼ~っと“作品を鑑賞するワケがありません。

 この御本の中で、
 御三方とも、
 グチる、
 ボヤく、
 大いに嘆く、
 怒る、
 惚れ込む……などなど、
 脱線したりちょぴりフザケたりしつつ、
 美術談義を繰り広げます。

「なやみごとォ、つきないィのでス!」
「ぐるるるがるるぐるる!」(←訳:展覧会はいつも大騒ぎ!)

 アートの専門家として
 展覧会の企画運営に携わることもある
 御三方が心配せずにいられないのは、
 長~い行列ができてしまう“大入り展覧会“。

 大勢のお客さんが来てくれるのは嬉しいけど、
 最長5時間待ち、なんて、
 ぐったり疲れはてて、
 苦行になっちゃうよねえ。

「へとへとッ!」
「がるぐるるるぅ!」(←訳:心が折れるよぅ!)

 照明が暗いと、つらい。
 巨大な会場では、ひと休みする場も欲しいし、
 トイレ探しもたいへんで。

 おお、そういえば。
 とある企画展で、
 あまりの人の多さにトイレが壊れるという、
 前代未聞のアクシデントがあったっけ。

「えええッ??」
「ぐるるがるる!」(←訳:そんなことが!)

 かと思えば、
 突然、山下さんは煮えたぎる内心を吐露します。

 明治の工芸を凋落させた犯人は
 高村光太郎さんだ、
 あいつのせいで
 明治の工芸品がおとしめられたんだ、
 あいつは諸悪の根源だ!
 とディスりまくり、
 ダメ出ししまくって。

「びッくりィしましたでスゥ!」
「がるるぐるるがるるる~!」(←訳:そんな見方もあるんだ~!)

 第1章『いくつになっても美術館に行きたい!』
 第2章『巨大博物館を攻略する』
 第3章『にぶった感性を刺激する』
 第4章『おっぱいとエロとエロスの話』
 第5章『アートは結局《好き》《嫌い》』

 という5つの章で構成され、
 クスクス笑えるコラムも収録された
 ルール無用のアート放談録、
 美術館・博物館めぐりが恋しいアート好きな方々に
 おすすめの怪作です。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪ 
 

   
  
コメント
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