テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 瞬望カレイドスコープ ―

2020-04-12 22:10:00 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いつだッてェ、はくしゅゥ~!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!感謝なのです!)

 こんにちは、ネーさです。
 医療従事者の方々、
 社会インフラを支えてくださっている全ての方々に、
 今日も感謝の拍手を送ります。
 そして、山下達郎さんがラジオ番組で言っていたように、
 《冷静と寛容》を肝に銘じながら、
 さあ、読書タイムでリラックスも!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  



      ―― 歩道橋シネマ ――



 著者は恩田陸(おんだ・りく)さん、
 2019年11月に発行されました。
 4月15日には映画化された『蜜蜂と遠雷』が
 ブルーレイ・DVDになって発売!とのことですが、
 こちらは短編18作品が収録された短編集です。

「おもむきィ、いろいろッ!」
「ぐるがる!」(←訳:制限なし!)

 ファンタジーあり、SF系あり、
 ミステリあり……と、
 バラエティ豊かな構成は、
 著者・恩田さんの企み、でしょうか。

 作品の題名が並ぶ目次を眺めて、
 どれから読もう?
 とっつきやすいのはどれかな?
 なぁんて迷ったりしますが、
 ここは、やっぱり。

「じゅんばんにィ~!」
「がるるる!」(←訳:収録順に!)

 御本のいちばん最初に収められているのは、

 『線路脇の家』。

 物語の語り手《私》は、
 米国人画家エドワード・ホッパーさんの作品
 『線路脇の家』を見、
 ひっかかりを感じます。

 代表作『ナイトホークス』など、
 “いかにもアメリカらしい“風景や情景を描いたホッパーさんの、
 数ある作品の中でも、
 この『線路脇の家』には
 特別な上にも特別な伝説がある――

 そう、アルフレッド・ヒッチコックさんの傑作
 『サイコ』のモデルになったのは、
 『線路脇の家』の家そのもの。

 固く閉ざされた窓、
 入り口がどこかもはっきりしない、
 人の気配がない家……。

「うゥ~んッ? でもォ??」
「ぐるがるぐるぅ?」(←訳:気のせいかなぁ?)

 《私》がひっかかりを感じた原因は、
 既視感でした。

   どこかでこの家を見たことがある。

 米国ではなく、ここ日本で、
 《私》はこの家を見た――

   いったいどこでだろう?

「うむむむむゥ~……あッ!!」
「がるるるる!」(←訳:思い出した!)

 《私》が思い出した『線路脇の家』とは、
 その在り処とは。

 ノスタルジーと
 不思議な高揚感がせめぎあう『線路脇の家』、
 必読の快作です!

 そして、
 『蜜蜂と遠雷』ファンの方々におすすめしたい
 『春の祭典』、

 もしかしたら江戸川乱歩さんへのオマージュ?な
 『楽譜を売る男』、

 コミカルな寸劇調の
 『トワイライト』、

 18作品のオオトリを飾る表題作
 『歩道橋シネマ』、

 どれも読みごたえあり!ですが、
 著者・恩田さん御自身による
 『あとがき』も
 ひとつの作品のようで、
 印象に残ります。

「どれもォ、ゆにィーくゥ!」
「ぐるるるるがる~る!」(←訳:それぞれに面白~い!)

 短編好きな活字マニアさんに
 手に取っていただきたい万華鏡のような18景は、
 ミステリ好きさんにもおすすめですよ。
 ぜひ、覗いてみてくださいね~♪
 
 

 
 
コメント
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