テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ それは、古くて、新しく ~

2020-04-17 22:36:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かわりだねェ、きましたでス~!」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!ヘンテコだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、ステイホームを続行しながらの
 本日の読書タイムは、
 変わり種でヘンテコ系な?こちらの御本を、
 さあ、どうぞ~♪

  



    ―― ヴァンパイアの教科書 ――



 著者はオーブリー・シャーマンさん、
 原著は2014年に、日本語版は2020年3月に発行されました。
 英語原題は『VAMPIRES The MYTHS,Legends,and Lore』、
 『神話と伝説と物語』と日本語副題が付されています。

「ひゅゥ~…どろどろォ~…」
「ぐるがるるぐるる~!」(←訳:いやそれは違うよ~!)

 えへん、そうね、
 ヒュ~ドロドロ~って、
 まあオバケの効果音として
 お芝居で使われる”鳴り物”でしょ。

 ヴァンパイア、
 いわゆる《吸血鬼》を
 オバケのジャンルに放り込んじゃっていいのか、というと、
 異論がありそうね。

「ふむむッ? そもそもォ~?」
「がぅるるるるっるる?」(←訳:ヴァンパイアって何?)

 ヴァンパイア――
 その名を聞くと、私たち活字マニアが
 真っ先に思い浮かべるのは、
 英国人作家ブラム・ストーカーさんの
 『吸血鬼ドラキュラ』でしょうか。

 日本のコミック好きさんなら
 萩尾望都さんの『ポーの一族』なのは、
 間違いありませんよね。

 しかし、上記のような
 フィクション作品を除くと。

「むかァ~しィむかしィ?」
「ぐるがる?」(←訳:古代から?)

 最初に英語の文献に
 《ヴァンパイア》という言葉が現れるのは、
 1600年代後半のことだったと、
 著者・シャーマンさんは
 第一章『ヴァンパイアの起源』で述べています。

 ただ、民間伝承には
 その言葉は通常使われていなかった、とも。

 ところが、です。
 目線を英国から世界へ向けると、
 様相が変わってくるんですね。

「いろんなァ、なまえェ!」
「がるぐぅる!」(←訳:あるじゃん!)

 東欧圏では、《ヴァンパイア》の呼び名が
 ↓こ~んなにあります。

 ククッド(アルバニア)
 ノソフォロス(ギリシア)
 ヴァンピール(ハンガリー)
 ヴコドラク、プリコサク(クロアチア)……

 そして、世界各地の神話にも、
 《ヴァンパイア》的な存在や伝承が取り上げられていて、
 南北アメリカ、インドのお話などとともに、
 日本の《ヴァンパイア》として
 紹介されているのが、なんと。

 河童……!

「ふァ??」
「ぐっるるぅるる?」(←訳:カッパちゃんが?)

 河童って吸血鬼なの?
 あ~でも似ていなくもないのかしら?
 いえやっぱり違うでしょ?
 違う……わよね?
 
「だいこんらんッ!」
「がるるる~!」(←訳:迷うなあ~!)

 起源や歴史、
 地理から生じる差異、
 悲惨な事件といった
 “事実“の中の《ヴァンパイア》を追跡しつつ、
 御本の後半部分では
 “創作物”の中の《ヴァンパイア》も
 シャーマンさんは拾い上げます。

 そのため、
 ところどころで
 フィクションとノンフィクションが混在し、
 混乱させられてしまうのですが、
 或いは、それこそ著者さんの狙い……なのでしょうか。

 小説、絵画、映画、ファッション、コミック、ゲーム、
 さまざまなジャンルの作家さんたちを魅了する
 《ヴァンパイア》とは、
 造りモノに過ぎないのか、
 それとも?……と。

「えッとォ、それはァ~…」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:造りモノでいいです!)

 ブラム・ストーカーさんの『吸血鬼ドラキュラ』が
 発表されてから、120余年。
 120年の間に、積もり積もった
 新たな伝説とは。

 《吸血鬼》ジャンルの小説やコミック、
 特に映画好きな方々におすすめしたい
 入門書的な一冊です。
 レトロなホラーが大好きな
 ドラキュラ伯爵ファンの方々も、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
コメント
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