「こんにちわッ、テディちゃでス!
むひゃひゃッ! よりともさんもォ、びッくりィ~♪」
「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!新説だよねえ~!)
こんにちは、ネーさです。
『ウルトラセブン』最終回に泣いた日曜日は、
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で爆笑しました。
水鳥の羽音で平家軍潰走!の真相が、
まさか、あんな……?!?!
笑い過ぎてよじれた腹筋をさすりながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♫
―― 半鐘の怪 ――
著者は岡本綺堂(おかもと・きどう)さん、
編者は末國善己(すえくによしみ)さん、
2022年2月に発行されました。
『Mystery of a Fire Bell』と英語題名が、
『半七捕物帳 傑作選』と日本語副題が付されています。
「てえへんだッてえへんだァ~ッ!」
「ぐるが~る!」(←訳:親分さ~ん!)
それは、明治中頃のこと。
新聞記者の“わたし”に請われ、
かつては腕利きの岡っ引きであった
半七(はんしち)さんが語るのは。
江戸の町を騒がせ、
人々を震え上がらせた難事件の数々――
「とッておきのォ、みすてりィ!」
「がるぐるるる?」(←訳:誰も解けない?)
表題作品は、まさにとっておきの謎!
からっ風が吹く初秋の時季、
江戸っ子さんたちが用心するのは、
ええ、火災です。
現代と違って、消火用の機具など
ろくにない時代ですから、
火が出たら、住居も家財も諦めて、
もう逃げるしかありません。
家族とはぐれないよう、しっかり手をつないで。
「とにかくゥ、まいにちィ、ひのォようじんッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:警戒を怠らずに!)
人々に火事の危険を報せるのは、
半鐘の音。
ジャンジャンジャン!と鳴ったなら、
夜中だろうと飛び起きて、
逃げる準備を……って、あれれ?
「むむッ? おかしィでス!」
「がるぐる?」(←訳:火はどこ?)
半鐘が鳴っているのに、
火も煙も、見当たらない?
これは、何かの間違いか、
子どものいたずらなのか?
という奇怪な出来事が続き、
町内の人は皆、困惑し、怖れます。
悩んだ末に、
撞木(しゅもく)――鐘を撞く木を
取り外しさえしたのですが、
それでもなお、
半鐘の音が!
「たすけてェ、おやぶんッ!」
「ぐるっっるがるるる!」(←訳:スパッと謎解きを!)
半七さんの絵解きは、はたして?
読み終えてみれば、
おお!これはあの!
ミステリ好きさんなら知らぬ者なし、
推理小説史の金字塔たる
超有名なあの作品へのオマージュなのか?
と、感激感心させられる『半鐘の怪』、
全《捕物帳ミステリ》の原点とされる
『お文の魂』他、
短編18作品が収録されている傑作選は、
ミステリ&エンタ作品好きな方々に
おすすめですよ。
編者・末國さんによる解説も必読の
《半七さんの冒険譚》、
ぜひ、一読してみてくださいね~♪