テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 江戸の空、鐘が告げるは ~

2022-03-07 22:39:14 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むひゃひゃッ! よりともさんもォ、びッくりィ~♪」

「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!新説だよねえ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 『ウルトラセブン』最終回に泣いた日曜日は、

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で爆笑しました。

 水鳥の羽音で平家軍潰走!の真相が、

 まさか、あんな……?!?!

 笑い過ぎてよじれた腹筋をさすりながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♫

  

 

 

       ―― 半鐘の怪 ――

 

 

 著者は岡本綺堂(おかもと・きどう)さん、

 編者は末國善己(すえくによしみ)さん、

 2022年2月に発行されました。

 『Mystery of a Fire Bell』と英語題名が、

 『半七捕物帳 傑作選』と日本語副題が付されています。

 

「てえへんだッてえへんだァ~ッ!」

「ぐるが~る!」(←訳:親分さ~ん!)

 

 それは、明治中頃のこと。

 

 新聞記者の“わたし”に請われ、

 かつては腕利きの岡っ引きであった

 半七(はんしち)さんが語るのは。

 

 江戸の町を騒がせ、

 人々を震え上がらせた難事件の数々――

 

「とッておきのォ、みすてりィ!」

「がるぐるるる?」(←訳:誰も解けない?)

 

 表題作品は、まさにとっておきの謎!

 

 からっ風が吹く初秋の時季、

 江戸っ子さんたちが用心するのは、

 ええ、火災です。

 

 現代と違って、消火用の機具など

 ろくにない時代ですから、

 火が出たら、住居も家財も諦めて、

 もう逃げるしかありません。

 家族とはぐれないよう、しっかり手をつないで。

 

「とにかくゥ、まいにちィ、ひのォようじんッ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:警戒を怠らずに!)

 

 人々に火事の危険を報せるのは、

 半鐘の音。

 

 ジャンジャンジャン!と鳴ったなら、

 夜中だろうと飛び起きて、

 逃げる準備を……って、あれれ?

 

「むむッ? おかしィでス!」

「がるぐる?」(←訳:火はどこ?)

 

 半鐘が鳴っているのに、

 火も煙も、見当たらない?

 これは、何かの間違いか、

 子どものいたずらなのか?

 

 という奇怪な出来事が続き、

 町内の人は皆、困惑し、怖れます。

 悩んだ末に、

 撞木(しゅもく)――鐘を撞く木を

 取り外しさえしたのですが、

 それでもなお、

 半鐘の音が!

 

「たすけてェ、おやぶんッ!」

「ぐるっっるがるるる!」(←訳:スパッと謎解きを!)

 

 半七さんの絵解きは、はたして?

 

 読み終えてみれば、

 おお!これはあの!

 ミステリ好きさんなら知らぬ者なし、

 推理小説史の金字塔たる

 超有名なあの作品へのオマージュなのか?

 

 と、感激感心させられる『半鐘の怪』、

 全《捕物帳ミステリ》の原点とされる

 『お文の魂』他、

 短編18作品が収録されている傑作選は、

 ミステリ&エンタ作品好きな方々に

 おすすめですよ。

 

 編者・末國さんによる解説も必読の

 《半七さんの冒険譚》、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする