テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 語りの、ひとふり ~

2022-03-14 23:50:44 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぷふッ♪ きのうもォ、わらッちゃいィましたでス!」

「がるる!ぐるるgるぐる!」(←訳:虎です!もはや毎週恒例!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、

 実はコント番組なのでしょうか……

 その可能性は否定出来ないぞ、

 登場人物さんたちが皆ヘンテコすぎる、と思いながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 週明けの本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  

 

 

      ―― 小説 刀剣幻想曲 ――

 

 

 著者は秋月逹郎(あきづき・たつろう)さん、

 2022年1月に発行されました。

 『三日月宗近、山鳥毛、にっかり青江……刀をめぐる九つの物語』

 と副題が付されています。

 

 『刀剣画報』誌上に連載された短編を中心に

 収録されている作品の主役は、

 いずれも人気知名度ともに抜群の

 《名刀》たち。

 

 彼らの物語は……

 

「みすてりィ?」

「ぐる?」(←訳:SF?)

「ふぁんたじィ?」

 

 と、枠に囚われない多様な形で展開しますが、

 私ネーさのいちばんの推しは、

 

 『こぶ屋藤四郎×千利休』。

 

「だれにもォ、とけないィ~…!」

「がるるるぐる!」(←訳:歴史の謎だよ!)

 

 茶人・千利休さん。

 

 太閤秀吉さんは、

 なぜ、利休さんに死を命じたのか。

 利休さんは、

 なぜ、死を受け入れたのか。

 詫びることも、

 逃げることもせず、黙したまま?

 

 この物語は、利休さんをはじめとする

 当時の一流茶人さんたちと交流があったという

 ひとりの商人の目線で描かれています。

 

 天正19年(1592年)の頃は、

 練り切りなどの和菓子、

 上等なお砂糖をふんだんに使った干菓子も

 まだありません。

 

 お茶席で用いられるのは、

 金平糖などの南蛮菓子、

 栗・柿・金柑・クルミ・ザクロなどの果物や、

 シイタケ・山芋・昆布などの蒸し菓子、でした。

 

 五郎兵衛(ごろべえ)さんは、

 京の四条堀川にある『こぶ屋』の主人です。

 

 『こぶ屋』の主力商品は、文字通り、

 昆布。

 

 茶席の前に味わう点心料理に欠かせぬ昆布、

 それも極上の昆布を、

 遠地から取り寄せ、

 商っている五郎兵衛さんは、

 当然ながら、

 利休さん、古田織部さん、

 細川三斎さんたちと交流がありましたが……。

 

「もしやッ! まさかッ!」

「ぐるがるるるる!」(←訳:ああどうしよう!)

 

 利休さんが切腹した、との報を耳にし、

 五郎兵衛さんの後悔は募るばかり。

 

 小田原攻めの折のこと、

 五郎兵衛さんは利休さんに

 ひとふりの短刀を贈りました。

 

 藤四郎吉光(とうしろうよしみつ)が鍛えたという、

 八寸二分五厘の、名刀。

 

 もしや、まさか、

 利休さんは、お腹を召すのに

 あの藤四郎の短刀を?

 ああ、なんたることか。

 刀など、贈らねばよかったのだ……!

 

 ……いや、しかし……?

 

「どうにもォ、おかしィ!」

「がるぐる!」(←訳:疑問噴出!)

 

 後悔しつつも、考えめぐらすうち、

 五郎兵衛さんは奇妙な事々に気付きます。

 利休さんの死の謎は――

 

「ふァいッ! そこまでッ」

「ぐるるるがる!」(←訳:ネタバレ厳禁!)

 

 五郎兵衛さんが辿り着いた

 利休さんの謎の死の真実とは。

 多くの作家さんが挑んだ歴史の不思議を、

 名刀はいかにして斬り開いてゆくのか。

 

 9つの作品それぞれに

 魅力的な名刀が降臨する異色作は、

 刀剣ファンの方々に、

 歴史好きな活字マニアさんにも

 おすすめですよ。

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする