「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふァ…ふァ…ふァ…ッくしょんッ!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!目薬目薬~!)
こんにちは、ネーさです。
花粉に黄砂に寒暖差……
ふぅ、春ってハードル高いわぁ~と
メゲそうになりながらも、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪
―― 暗殺から読む世界史 ――
著者はジョン・ウィッティントンさん、
原著は2020年に、日本語版は2022年1月に発行されました。
英語原題は『ASSASSINS DEEDS: A History of Assassination』、
古代から現代までの、
4000年を超える《暗殺》の歴史を辿るノンフィクションは
全487ページの大作です。
「あんさつゥ~…!」
「ぐるがるるるるる……!」(←訳:この世界情勢下で……!)
著者・ウィッティントンさんは、
本文の冒頭でこう記しています。
人類の本性に鑑みたとき、
およそ社会というものが生まれてからこのかた、
人の世に暗殺が絶えたことがないと仮定することは、
おそらく理にかなっている。
この考察を証明するかのように、
『世界で最初に暗殺された人物』
として指摘されるのは、
紀元前2333年に亡くなったエジプトのファラオ、
テティ(オトエスとも呼ばれます)。
さらには、エジプトだけではなく、
ペルシアやシリア、中東の諸国、
中国、ギリシアでも、《暗殺》が……。
「それにィ~!」
「がるるる!」(←訳:カエサル!)
昨日、3月15日は、
ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)さんの
命日でした。
西洋社会で3月15日といえば、
ああ、カエサルの命日ね、と誰もが頷くほどの
《歴史上最も有名な暗殺》です。
そう、ローマ帝国の歴史も、
キリスト教が広まって以降も、
騎士道の時代がやってきてもなお、
《暗殺》は続きます。
もちろん、
日本も例外ではなくて。
「ぎくりッ!」
「ぐるる?!?」(←訳:日本も?!?)
ウィッティントンさんは
日本の歴史も研究したのでしょう、
『日本で起こった暗殺事件』として、
室町幕府の足利義教(よしのり)将軍を挙げています。
また、
『銃火器が暗殺に使用された』最も初期の例というのも
日本でのこと、のようですね。
1566年、日本の大名・三村家親(みむら・いえちか)が
軍議の席で銃撃された、と。
そして……赤穂浪士の討ち入りも、
ウィッティントンから見れば、
仇討ちというよりも、暗殺。
「うむむむゥ~…!」
「がるぐるがるるる……!」(←訳:日本でもそんなに……!)
幕末、明治の時代に入っても、
《暗殺》は止みませんでした。
この事実は、あらためて私たちを震撼させます。
いま日本は平和な国だと思っているけれど、
そうだと信じたいけれど、
ほんの少し時間を遡れば、
《暗殺》など珍しくなかった……
この平和は、薄氷の上に
辛うじて保たれているものなのか……。
「へいわッ、だいじィでス!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:これからも平和を!)
ウィッティントンさんが終章のテーマに据えたのは
『暗殺を免れた人々』。
《暗殺》の標的にされながらも、
死を免れた要人たち――
ヒトラー、ムッソリーニ、
レーニン、ナポレオン三世、といった面々の、
最後尾に取り上げられているのは、
意外な人物です。
アーティストの、
アンディ・ウォーホルさん。
彼がなぜ、
誰に《暗殺》されかけたのか。
《暗殺》のダメージから、
ウォーホルさんはは立ち直れたのか……
虚しさばかりが募る幕切れに、
私たちは何を見、読み取るべきか。
こころを研ぎ澄ませつつ、
皆さま、ぜひ、一読を。