テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ その足音を聞け ~

2022-03-16 23:43:15 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふァ…ふァ…ふァ…ッくしょんッ!」

「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!目薬目薬~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 花粉に黄砂に寒暖差……

 ふぅ、春ってハードル高いわぁ~と

 メゲそうになりながらも、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― 暗殺から読む世界史 ――

 

 

 著者はジョン・ウィッティントンさん、

 原著は2020年に、日本語版は2022年1月に発行されました。

 英語原題は『ASSASSINS DEEDS: A History of Assassination』、

 古代から現代までの、

 4000年を超える《暗殺》の歴史を辿るノンフィクションは

 全487ページの大作です。

 

「あんさつゥ~…!」

「ぐるがるるるるる……!」(←訳:この世界情勢下で……!)

 

 著者・ウィッティントンさんは、

 本文の冒頭でこう記しています。

 

   人類の本性に鑑みたとき、

   およそ社会というものが生まれてからこのかた、

   人の世に暗殺が絶えたことがないと仮定することは、

   おそらく理にかなっている。

 

 この考察を証明するかのように、

 『世界で最初に暗殺された人物』

 として指摘されるのは、

 紀元前2333年に亡くなったエジプトのファラオ、

 テティ(オトエスとも呼ばれます)。

 

 さらには、エジプトだけではなく、

 ペルシアやシリア、中東の諸国、

 中国、ギリシアでも、《暗殺》が……。

 

「それにィ~!」

「がるるる!」(←訳:カエサル!)

 

 昨日、3月15日は、

 ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)さんの

 命日でした。

 

 西洋社会で3月15日といえば、

 ああ、カエサルの命日ね、と誰もが頷くほどの

 《歴史上最も有名な暗殺》です。

 

 そう、ローマ帝国の歴史も、

 キリスト教が広まって以降も、

 騎士道の時代がやってきてもなお、

 《暗殺》は続きます。

 

 もちろん、

 日本も例外ではなくて。

 

「ぎくりッ!」

「ぐるる?!?」(←訳:日本も?!?)

 

 ウィッティントンさんは

 日本の歴史も研究したのでしょう、

 『日本で起こった暗殺事件』として、

 室町幕府の足利義教(よしのり)将軍を挙げています。

 

 また、

 『銃火器が暗殺に使用された』最も初期の例というのも

 日本でのこと、のようですね。

 1566年、日本の大名・三村家親(みむら・いえちか)が

 軍議の席で銃撃された、と。

 

 そして……赤穂浪士の討ち入りも、

 ウィッティントンから見れば、

 仇討ちというよりも、暗殺。

 

「うむむむゥ~…!」

「がるぐるがるるる……!」(←訳:日本でもそんなに……!)

 

 幕末、明治の時代に入っても、

 《暗殺》は止みませんでした。

 この事実は、あらためて私たちを震撼させます。

 

 いま日本は平和な国だと思っているけれど、

 そうだと信じたいけれど、

 ほんの少し時間を遡れば、

 《暗殺》など珍しくなかった……

 この平和は、薄氷の上に

 辛うじて保たれているものなのか……。

 

「へいわッ、だいじィでス!」

「ぐるるるるがるる!」(←訳:これからも平和を!)

 

 ウィッティントンさんが終章のテーマに据えたのは

 『暗殺を免れた人々』。

 

 《暗殺》の標的にされながらも、

 死を免れた要人たち――

 ヒトラー、ムッソリーニ、

 レーニン、ナポレオン三世、といった面々の、

 最後尾に取り上げられているのは、

 意外な人物です。

 

 アーティストの、

 アンディ・ウォーホルさん。

 

 彼がなぜ、

 誰に《暗殺》されかけたのか。

 《暗殺》のダメージから、

 ウォーホルさんはは立ち直れたのか……

 

 虚しさばかりが募る幕切れに、

 私たちは何を見、読み取るべきか。

 こころを研ぎ澄ませつつ、

 皆さま、ぜひ、一読を。

 

 

コメント
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