テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 江戸に花咲く 名場面 ~

2022-03-08 22:41:36 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 よッ! せんりょうゥ~やくしゃァ!」

「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!成田屋~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 響く拍子木、上がる幕、拍手に掛け声――

 はい、本日の読書タイムは、

 前回記事に続いて《江戸》をテーマとした

 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 歌舞伎江戸百景 ――

 

 

 著者は藤澤茜(ふじさわ・あかね)さん、

 2022年2月に発行されました。

 『浮世絵で読む芝居見物ことはじめ』

 と副題が付されています。

 

「はじまりはァ、きょうとッ!」

「ぐっるがっる!」(←訳:踊って踊って!)

 

 伝えられるところでは、

 出雲阿国さんによって創始された、という

 歌舞伎踊り。

 

 実際には、阿国さんが一座を立ち上げるより前から、

 京都の河原で、或いは寺社の境内などで、

 『かぶき踊り』『ややこ踊り』

 と呼ばれる芸能が評判となっていたようです。

 

 そして、野原と湿地だった東国のド田舎に、

 江戸という名の町が新しく誕生して――

 

「かぶきィ、ほんかくゥしどうッ!」

「がるるぐっるぅる!」(←訳:劇場も作っちゃう!)

 

 こんな演目がある!

 こんなスーパースターがいる!

 こんな物語やこんな衣装が大ヒット中!

 

 といった“歌舞伎最新情報“を、

 江戸の人びとに、地方の人びとに、

 いっちばん効果的に知らしめる方法は……

 そう、浮世絵です。

 

 この御本では、

 第1章『江戸っ子は芝居と浮世絵が大好き!』

 第2章『浮世絵と歌舞伎で読み解く江戸時代』

 第3章『浮世絵で見る歌舞伎の名シーン』

 第4章『江戸の大スター 市川團十郎家』

 第5章『大スクープは歌舞伎と浮世絵で知る』

 と、5つの章で

 江戸の町に大輪の花を咲かせた

 《歌舞伎》の表&裏を追いかけてゆきますよ。

 

「きもののォでざいんッ、わんだふるゥ!」

「ぐるるるがるぅる!」(←訳:すこぶるオシャレ!)

 

 収録されているのは、

 広重さん、写楽さん、国芳さんたち

 人気絵師さんだけではなく、

 作者不詳のもの、無名に近い絵師さんのもの、と

 有名無名を問わぬ100点余。

 

 どれも本当に色鮮やかで、

 着物の絵柄、

 髷の形、

 指先の繊細な表現までも

 はっきり印刷されていて、

 版画好きな方々には堪らないでしょう♫

 

 芝居小屋の土間の、観衆の熱気。

 名場面を真似て遊ぶ子どもたち。

 流行りの小物雑貨が描き入れられていたり、

 楽屋のドタバタぶりも拝見できたり。

 

「これがァ、がくやうらッ??」

「がる~る!」(←訳:面白~い!)

 

 本文42~43ページの

 歌川国貞(三代豊国)さん作『中村屋楽屋之図』には、

 役者さんたちが行き交う舞台裏の様子が活写されていますが、

 いやぁ、すごいわ、これ……

 楽屋って、こんなに大所帯なの?

 

「にんずうゥ、かぞえェきれませんッ!」

「ぐるるがーるぐるる!」(←訳:芝居はチームなんだ!)

 

 江戸の町を沸かせた

 一大文化のパワーが

 確かに感じられる《百景》の愉しさ。

 

 図版に加えて

 解説の文章も充実していますから、

 江戸アート好きな方々はもちろん、

 歴史好きな活字マニアさんに

 おすすめですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♫

 

 

コメント
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