「こんにちわッ、テディちゃでス!
……ふァ? これはァ、とんでもッ?」
「がるる!ぐるがるぐる?」(←訳:虎です!いやSFかも?)
こんにちは、ネーさです。
ふふふ、本日の読書タイムは、
前回記事とは正反対のお笑い路線? トンデモ系の怪作?
その正体は……さあ、こちらを、どうぞ~♪
―― 警視庁 地下割烹 ――
著者は田中啓文(たなか・ひろふみ)さん、
2024年9月に発行されました。
はい、印刷ミスではありません、目の迷いでもありません。
御本の表紙にドーンと記されているのは……
「かッぽうゥ……?」
「ぐるるるがるるるる??」(←訳:御飯処が警視庁内に??)
あら、警視庁内にはあるんですよ、
職員さん、それに一般市民さんが
飲食できる施設が。
でも――と、眉をひそめるのは、
捜査一課に所属する
花菱朝彦(はなびし・あさひこ)さんです。
たった今、月曜の朝いちばんに、
上司から渡されたのは異動の辞令書。
ああ、ついに来たかと、
朝彦さんはがっくり肩を落としました。
異動かぁ、やっぱりなあ……
すっごい田舎へ飛ばされるのかもなあ……
そう、このところミスを連発している朝彦さん、
覚悟はしていたのです。
刑事と呼ばれる捜査員、その花形の、
警視庁捜査一課とも、もうお別れか。
さらば、刑事の俺……。
「どんまいィでスよゥ!」
「がるるるる~!」(←訳:泣かないで~!)
へこみまくる朝彦さんへ、
しかし、上司の管理官さんは意外な言葉を掛けました。
今回の異動で、君は刑事部に残る。
変わるのは所属先だ、と。
それが、
警視庁割烹課。
「きいたことォ、ないィでスよゥ!」
「ぐるるがるるるるぐーる?」(←訳:もしやエイプリルフール?)
エイプリルフールではありません、
だって、朝彦さんは見つけちゃったんですから。
警視庁の、地下3階、
駐車場になっているそのフロアの、
隅っこの壁がどんでん返しになっていて、
隠し階段を下りた先に、
割烹『警視兆(けいしちょう)』
があるのを。
「ほわわァ~…ほんものォだァ~…」
「がるるるるぐるる!」(←訳:女将さんもいるし!)
割烹課での新たな任務は、
板前さんとしての修業、でした。
お店の掃除、洗いもの、
包丁の研ぎ方、野菜の切り方、
出汁の取り方、魚のさばき方、米の炊き方……
ひたすら学んだ数ヶ月ののち、
朝彦さんが命じられたのは、
《フグ料理店へ、潜入せよ》!
「ふぐゥ?!!」
「ぐるがる!」(←訳:潜入捜査!)
猛毒を持つフグを調理するには、
ふぐ取扱責任者免許が必要です。
免許はどうにか取得したものの、
専門店に勤務した経験もない朝彦さんに
こんな怖ろしい任務が課せられるなんて……?
第一話『フグにあたった男』
第二話『桜田門で桜鯛』
第三話『二軒のラーメン屋』
と、天然ドジ系刑事の朝彦さんが奮闘する
《食》をテーマにした3篇のミステリは、
もちろんフィクションではありますが、
「きッとォ、おあじはァ~」
「がるるる!」(←訳:保証付き!)
行けるものなら行ってみたい
割烹《警視兆》、
食いしん坊な活字マニアさんは、
ぜひ、暖簾をくぐってみてくださいね~♪