テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 誰が、いつ、どこで? ~

2025-01-10 22:03:12 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふくおとこさんッ、おめでとうゥ~ッ!」

「がるる!ぐるるがるるる~!」(←訳:虎です!一年間よろしく~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日1月10日、西宮市の西宮神社で《福男選び》が行われ、

 俊足の高校2年生さんが今年の福男に!

 福よ、たくさん来~い!と念じつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 教養としての 最恐怪談 ――

 

 

 著者は吉田悠軌(よしだ・ゆうき)さん、

 2024年7月に発行されました。

 『古事記からTikTokまで』と副題が付されています。

 

「ぎゃあああッ! かいだァ~んッ!」

「ぐるがるぐるっ!」(←訳:新年早々怪談っ!)

 

 ええ、『福男』さんの話題から、

 いきなり怪談……!

 

 とはいっても、

 ちょっぴりご安心ください、

 この御本は怪談本……というよりも、

 古今のさまざまな怪談の

 ルーツや成立過程の探索を主眼にしています。

 

 なので、怪談の歴史本、と御紹介すべきでしょうか。

 

「かいだんのォ、れきしィ??」

「がるるるるぅ?」(←訳:古いのかなぁ?)

 

 本文は、

 

 第一章『母子』

 第二章『巨女』

 第三章『江戸』

 第四章『禁忌』

 第五章『真相』

 第六章『異界』

 第七章『実話』

 第八章『伝染』

 

 と、8つの章で構成されていて、

 第一章は、イザナミの神話から始まります。

 そして、章ごとのテーマに沿って、

 今昔物語集や遠野物語など、

 著名な怪談の骨格が解説されてゆくのですが……

 

 圧倒的にすばらしいのは、

 第六章『異界』のパートです!

 

「あわわわッ!」

「ぐるる~…!」(←訳:うわわ~…!)

 

 ここで紹介されているのは、

 5編の怪談――

 いずれも、昭和の後半や平成の時代を背景とする

 ”ほぼ現代”のエピソードです。

 

 その5つの怪談の隅から隅までを、

 著者・吉田さんは徹底的にリサーチ!

 

   誰が、いつ、その怪談を言い出したのか。

   どういう経路でその怪談は広まっていったのか。

 

 これがもう、本当に見事で、

 例えば、『タクシー怪談』と呼ばれる

 乗客が忽然と消える怪談の始まりは、というと。

 

 1969年10月6日午前1時半頃、京都にて。

 

 大正時代にもタクシーの怪談はあるらしいんですけど、

 1969年の件では警察が出動する程の騒動になり、

 新聞でも大きく報じられたとのことです。

 

「そッ、それはァ、かいだんッよりもォ~」

「がるるるぐる!」(←訳:怪事件に近い!)

 

 また、『タクシーの怪談』を上回って、

 ただもう啞然とさせられるのは、

 『トンネルの怪談』です。

 

   夜中、郊外のトンネルへ

   肝試し気分でドライブに出かけた若者たちに

   次から次へと降りかかる恐怖……!

 

 今でも度々耳にする『トンネルの怪談』について、

 吉田さんはいっそう詳しく調べ上げました。

 

 この話を、最初にメディアで発したのは誰か。

 それはいつのことか。

 話が全国に伝播してゆき、

 《怪談》として完成していった背景に

 いったい何があるのか。

 

「むむむゥ! みごとなァ、ぶんせきィ!」

「ぐるるー!」(←訳:ブラボー!)

 

 ネタバレになってしまうので、

 これ以上はお喋りできません

 (本文では、怖ろしいことに

  実名や地名がしっかり記載されています)。

 

 けれど、

 《怪談》って何なのだろう?

 と考えた経験がある活字マニアさんには

 熱くおすすめしたい一冊ですよ。

 歴史をテーマとする

 優れたノンフィクション作品に接する心構えで、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

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