テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 夜を翔ぶ ~

2025-01-09 22:03:09 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 くんくんッ! かおりィ~さわやかッ!」

「がるる!ぐるるるがるるる!」(←訳:虎です!味わいもGOOD!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日1月9日は《ブルーマウンテンの日》!

 コーヒー好きな方々には嬉しい日、でしょうか。

 カフェインだめダメな私ネーさはデカフェのラテなどいただきながら、

 さあ、こちらの御本で読書タイムを、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― 塵よりよみがえり ――

 

 

 著者はレイ・ブラッドベリさん、

 原著は2001年に、日本語版は単行本が2001年に、

 画像の文庫新装版は2024年10月に発行されました。

 英語原題は『FROM THE DUST RETURNED』、

 ブラッドベリさんのファンの方々には

 《一族》シリーズとして知られる作品群の

 ”集大成”となる一冊です。

 

「そこはァ、いりのいィ……!」

「ぐるるるがる!」(←訳:黄昏の丘だよ!)

 

 シリーズの出発点であり、

 基幹とも言えるのは、

 1945年に着想を得た作品『集会』。

 

 『集会』は、

 ブラッドベリさんにO・ヘンリー賞をもたらし、

 作家としての名声&知名度を一挙に高めた作品でもありました。

 

 米国イリノイ州の片田舎、

 小高い丘に建つ屋敷には、

 年に一度――ハロウィーンの日、

 世界中に散らばっている《一族》の面々が、

 集会に出席すべく、帰ってくる。

 

 魔女、有翼鬼、魔物、幽霊……

 《一族(ファミリー)》に属する者たちは、

 旧交を温め、パーティーでバカ騒ぎして、

 万聖節の夜を満喫します。

 

「あれッ?」

「がるるるぐるるるる?」(←訳:あの子はどうしたの?)

 

 集会の片隅で、

 青白い顔色をしているのは、

 ひとりの少年。

 

 魔物たちが集うこの屋敷で、

 彼だけが……人間です。

 

 或る日、屋敷正面の鉄門の脇に

 誰かが置いていったピクニック・バスケット。

 バスケットの中で泣いていた赤ちゃんは、

 風吹きすさぶ戸外にそのまま見捨てられ……ることはなく。

 

 抱きあげられました。

 

「ふうゥ!」

「ぐるっるる!」(←訳:良かったあ!)

 

 暖かな室内へ、

 かつて子ども部屋だった一室へ、

 運び入れられてゆく小さな命。

 

 ティモシーと名付けられた少年と、

 闇に生きる者たちの物語に

 ブラッドベリさんは深い愛情を抱いていたそうです。

 登場人物たちには

 ブラッドベリさん御自身の祖母、おじ、おばが投影され、

 屋敷や丘の情景は

 故郷イリノイそのもの。

 

 なつかしのイリノイへ、

 親族たちが、海を越え、空を越えてやって来る

 『集会』の夜。

 そして、その先に待つ新たな物語とは。

 

「ゆッくりィ~よみましょゥ!」

「がるるぅぐるがる!」(←訳:慌てちゃだめだよ!)

 

 『集会』着想から、55年。

 長い時をかけ、

 ブラッドベリさんは《一族》の物語を完成させました。

 ティモシー少年が歩みゆく世界へ、

 皆さまも、ぜひ♪

  

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