テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

クマ魂!

2011-03-01 23:39:06 | ブックス
 冬ってしぶといわね~と思わせる3月の幕開けとなった東京・多摩地方から
 こんにちは、ネーさです。
 ふぅ~、寒い!

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!ぐるぐるがーるる!」(←訳:虎です!皆さま風邪引かないでね!)

 さあ、本日の読書タイムは、
 風邪じゃないんだけれど、
 なんかもーおアタマが痛くなっちゃうぅ~…という
 ファンキーな一冊を御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  


 
            ―― アー・ユー・テディ? ―― 


 
 著者は加藤実秋さん、2010年10月に発行されました。
 渋谷のホストクラブ『インディゴ』を舞台にした人気ミステリシリーズで名高い加藤さんが
 この御本で探偵役に抜擢したのは……
 ぬいぐるみの、
 いえ、あみぐるみの、
 クマ!

「わほォ♪
 くまくまくまァ~ッ♪♪」
「がるがるぐるるる?」(←訳:わあ、テディベアなの?)

 むくむくファーのテディベアとは、
 ちょこっと違う、クマさん、なんですよ。
 御本の中では何度も、ぬいぐるみ、と呼ばれちゃったりしてますが、
 毛糸で編みあげられたこの種類の子たちは、
 手芸の分野では
 あみぐるみ、と称します。

 山瀬和子(やませ・かずこ)さんは
 代官山駅近くのフリマで
 そのクマを見つけました。

 いえ、見つけるっていうより、
 目が合ってしまったんですね。

   ――連れてって――

 そんな声が脳裏に響いては、
 もう素通りは出来ないじゃありませんか。

「そうでスゥ!
 だッこしてあげてェくださいッ!」
「がるがるぐるる!」(←訳:うんうん、そうしてあげて!)

 うちの子におなり!

 ミルクティー色の頭部・胴体・手足、
 手足の先はスカイブルー、
 黒い目玉はガラス製。
 300円で、和子さん、そのあみぐるみクマくんをお買い上げです。

「ありがとうゥッ!」
「ぐるがるぐるぐるるーる!」(←訳:良い人に逢えて良かったね!)

 命名、ミル太。
 (ミルクティー色だから)

 自分の部屋の棚に飾って、
 いい感じだわ、と満足する和子さん。
 が、そこに、聞こえてきたのは、

  おい!

 ……野太い声です。
 え? 誰?
 この部屋には私しかいないのに、
 えっ? えええっ???
 まさか!

「まさかァ??」
「がるるるっる?」(←訳:クマくんがっ?)

 ……クマくん、でした。
 
 見た目にそぐわない、と混乱しつつも和子さんに思わせたその声は、
 ミル太が発した声、だったのです。
 わあん、可愛いミル太が!
 こんなにカワイイのに!

 中身は、おっさんだったなんてー!

「…………」
「……ぐるるるっ??」(←訳:……おっさん??)

 おしゃれでキュートなあみぐるみクマには、
 実は、おっさんの魂が宿っていた、とは?

 衝撃にうちのめされる和子さんを、
 クマはさらに追い詰めます。
 俺は刑事だ! いや、刑事だった、んだ!
 手掛けていた事件を、
 俺に代わってお前が解決しろー!

「…………」
「……がるるーるがるる……」(←訳:……そんなこと言われてもー……)

 あみぐるみクマと和子さんの二人三脚、
 ガラスの目玉はいった何を見つめ、見出すのでしょうか?
 かわゆくも、サスペンステイストをたっぷり盛りこんだ
 クマミステリ!
 全国のクマ好きさん、必読ですよ~♪

 あらっ?
 テディちゃ、何か言いたそうね?
 どうぞ、言いたいことがあるなら言ってごらんなさいな!
 我慢はよくないわよ!


「…………テディちゃ、おッさんじゃないィでスゥ~ッ!!!!」
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