テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

画伯の偉業。

2007-09-12 14:01:17 | ブックス
 本日ご紹介しますこちらは……書籍、と分類できるのでしょうか?
 美術書専門の古書店などでは扱っているものですから、
 一応は、広義な意味で書物、なのかな?

「これ、なンでスか、ネーさ」

 これはね、テディちゃ、美術展のカタログなのですよ。



      ―― 東山魁夷展。 ひとすじの道 ――


 
 2004年に開催された東山魁夷さんの展覧会カタログです。
 何を隠そう、私、東山画伯の大ファン。
 え~東山魁夷さんはポピュラーすぎるよ~という方も
 いるかもしれませんが、
 実物の画を前にすれば、そんな先入観は吹っ飛びます。

 粛然としつつ、意外にも画面には荒涼感さえ漂います。
 それでいて、瑞々しく、色あざやか。
 筆致は、繊細でありながら、これもどこか荒々しく、勢いがあり。
 なんとも不思議な、
 そして、限りなく魅力的な画家さんであると、思うのです。

 東山魁夷さんをここで取り上げましたのは、実は画伯さん、
 書物との関わりもとても深い御方なのです。
 本の装丁の仕事を沢山なさっています。
 ご自身で本を作ってもおられますし。

「え~? ほんやさんン~?」

 本屋さんではありませんよ。
 装丁のお仕事については、
 有名画家さんが本の装丁をするのは珍しいことではなく、
 例を挙げれば、
 鏑木清方さんは泉鏡花さんの御本の装丁をしていますね。
 東山画伯も、川端康成さんの本の装丁をしたり、
 週刊誌の表紙画も描きました。

 しかし、何よりも素晴らしいのが、
 東山さん御自身が作った、殆ど美術品のような或る御本です。

「ふつうのほん、じゃない、のでスか?」

 東山さん著の文庫本や、画集などとは、まったく違うのです。
 丸ごと一冊が絵画作品、
 絵が本になった――
 とでも言いましょうか。

 ずっと以前に、たしか限定千部(もっと少なかったかも?)
 程度で発行された大判の御本、なのです。
 題名は、

         『 古き町にて 』

 であったと思います。
 この御作、現在では、ほぼ流通してないので
 (完全なコレクターズアイテム、手離す人はいないようです)
 滅多にお目にかかれません。

 でも、もしも!
 展覧会場などで展示してあるのを発見した時は、
 どうか愛書家の皆さま、
 目を皿にしてください!
 
 こんなきれいな本があるのか!

 そう驚かれる筈です。
 西洋の写本や稀本とは異なる、
 可憐な、なんとも愛らしい御本です。
 絶対に、お見逃しのなきように。


  * * * * * * * * * * * * * * * * 


「ネーさ、そのごほん、ほしいのでスか?
 じゃ、かっちゃえばいい、でスよ♪」

 欲しいんだけど、すっごく欲しいんだけど、
 売っていないんです。
 もし売っていたとしても、いったい幾らすることか。
 高いだろうなあ。
 五十万円は下らない、かも……もっと、かな?

「え…………えエ~ッ????」
 
 
 
 
 
 
 
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