テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

春よぶ暖色♪

2012-01-11 23:03:39 | くま
 こんにちは、ネーさです。
 冷蔵庫どころか冷凍庫みたいな寒さの東京・多摩地域ですよ~!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こんなァひィはァ、そとにィでたくないィでスゥ!」
「がるる!ぐるがるぐるるるぐる!」(←訳:虎です!外に出たら凍っちゃう!)

 そうね、
 氷点下の風が吹きすさぶ日には、
 せめて、目に快い暖色系グッズとフードで、ふんわか温まりましょう♪

  

「わふゥ! ぴんくゥ!」
「がるるー!」(←訳:桜色だー!)

 現在、ローソンさんでは
 《リラックマクリアファイルプレゼントキャンペーン》が開催中です。
 対象のお菓子2個を購入すると、
 A4サイズのファイル1個(1枚?)が貰えるという
 恒例のフェアですね。

「おかしィ!
 どんなのォでスかッ♪」
「がるる~ぐるる~!」(←訳:見たい~見たい~!)

 はいはい、注目の、
 ローソンさんでのみ販売されているキャンペーンオリジナル商品は……

  

 画像上から順に、
 《ブルボン リラックマ ミニシルベーヌ》、
 《ブルボン リラックマ エリーゼ (レアチーズケーキ味)》!

「みゃッほッほゥ!」
「がるる~!」
 
  

 こちらは、画像右から順番に、
 《おやつごろ。 リラックマ いちごチョコチップクッキー》、
 《不二家 リラックマ スイーツトルテ (ストロベリーチーズケーキ)》!

 リラックマちゃんたちがスイーツを満喫しているイラストと、
 全体に春色なパッケージがキュートですね♪
 熱々のコーヒー?ココア?ハーブティー?
 お好みの飲物を用意して、召し上がれ~!

「ふァいッ!
 がつがつゥ、いただきまスゥ!」
「ぐるがる~!」(←訳:食べるぞ~!)

 本日も御来訪いただき、ありがとうございます!
 北は北海道から、
 あの日から10ヶ月が過ぎた東北地方、
 ここ関東や、中部、関西、中国、九州、沖縄地方までをも覆う
 きつい寒波が南下してきているようです。
 皆さま、風邪に気を付けて~!

「ぬくぬくゥ、してねッ!」
「ぐるるがるるがるぐるるる!」(←訳:春さん早く来てください!)
 
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百花な華のパリごはん♪

2012-01-10 23:20:23 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 昨日1月9日の夜空には、輝くまる~いお月さまが♪
 よし!モッくんがCMしてる新品カメラをちょいっとネーさ弟から拝借!
 撮ったるぞ~!と寒い戸外で奮闘したのですが……

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぷふふッ! ネーさッ、へたぴィでス!」
「ぐるる!ぐるがるるるがるがるる!」(←訳:虎です!これじゃ何だか判りません!)

 ふぅ~、天体写真の難しさ……!
 専門家さんの技術と凄味に脱帽です。
 本日の読書タイムは、
 これもまた、
 餅は餅屋!な一冊を御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  


 
               ―― パリのパン屋さん ――


 
 著者は川村明子さん、2011年10月に発行されました。
 表紙の写真こそ素っ気ないモノクロームではありますが、
 ページを捲ると……?
 ああ、空腹時には危険な……!

「わひゃッ♪
 ぱんぱんッ!」
「ぐるるがるるがるー!」(←訳:パンがいっぱーい!)

 この御本は、題名の通り、
 フランスの首都パリで
 美味しい!
 と評判のパン屋さんのガイド本ではありますが、
 《食》についても深く考察し、
 パンの歴史にも踏み込んでいます。

 バゲット――日本でいうフランスパンは
 世界的に有名ですよね。
 でも、それは、今だからこそ。

 バゲットのもととなったパンが生まれたのは、
 20世紀初めの頃、であったそうです。
 
「ふァ~??
 ひゃくねんまえェッ??」
「ぐるるがるるがるがる!」(←訳:もっと昔からあると思ってた!)

 当時発売された、
 細長く、皮の部分がパリっとしたパン。
 『細い棒』を意味する『バゲット』の名を得て、
 パリと周辺に浸透していったのは第一次世界大戦後。
 観光客や外国人に好まれて、
 世界中へ広まってゆくのは第二次世界大戦後のこと。

 そののち、
 フランス国内での消費量が低下してしまったバゲット……
 しかし、1980年代以降、
 盛り返します!

「おいしィばげッとッ、ふたたびィ!」
「ぐるがるがるぐる!」(←訳:伝統の美味復活!)

 伝統的な製法、
 良質な材料。
 本物の味を求め、
 皮パリッ!のバゲットを、
 サクサクのクロワッサンを探し、
 著者・川村さんは
 お家からやや離れたパン屋さんへも出掛けます。

 このお店のバゲット、おいしい!
 クロワッサンは、日によって出来に差があるけど。
 こっちのお店は、
 サンドイッチがいい!
 このお店のパン・ドゥ・ミーはカツサンドに最適~!

「……むむむゥ、おなかがァ、すいてきたでスゥ!」
「ぐるがるるぐるがる!」(←訳:どのお店もかっこいいし!)

 パン屋さんそれぞれの人生や信念も丁寧にすくいあげるこの御本は
 パリ大好き!パン大好き!な方々だけではなく、
 パン作りを勉強中の御方、
 美味しいものならいつでもウェルカム♪な活字マニアさんにおすすめです。
 体重計の数字は……
 しばし忘れて、お読み下さい!

「ぱんやさんのォ、かおりィはァ~」
「ぐるがるる!」(←訳:幸せの香り!)
 
 
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彼こそは、挿絵画家の王。

2012-01-09 23:27:00 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日1月9日は2012年の《成人の日》!
 新成人の皆さま、おめでとうございます!

「こんにちわゥ! テディちゃでスゥ!
 テディちゃからもォ、おめでとうございまスッ!」
「がるるー!ぐるぐるぐるがるるるー!」(←訳:虎ですー!心よりおめでとうをー!)

 うんうん、いいですね!
 振袖の女の子たちの、可愛らしいこと!
 さくら咲く春を先取り♪って感じで、おめでたいわ!
 こんな日の読書タイムは、
 絢爛として華麗、金襴錦のような夢の世界へ、さあ、どうぞ~!

  


 
           ―― 神秘なる挿絵画家 エドマンド・デュラック ――


 
 解説・監修は海野弘さん、2011年12月に発行されました。
 画家エドマンド・デュラックさん――
 私ネーさが偏愛し、
 折にふれ御紹介している《挿絵本の黄金時代》を代表する名画家さんです!
 デュラックさんの画集が、
 日本語の解説付きで刊行されるなんて、嬉しいです!素晴らしいです!感涙ですー!
 
「ふァいふァいッ、
 ネーさッ、おちつきましょゥッ!」
「がるぐる!」(←訳:冷静にね!) 

 そ、そうね、落ち着かなくちゃ。
 では、挿絵画家?なにそれ?という方々のために、
 デュラックさんの略歴を記してみましょうか。

 1882年、フランスのトゥールーズに
 エドマンド・デュラックさんは生まれました。
 御父上が織物関係のお仕事をしていたおかげで、
 生家にはオリエントの絨緞やタペストリー、
 数多くの日本の浮世絵があったそうです。
 アールヌーヴォーとジャポニズムの中で育ったデュラックさんは、
 法律学校で学んだ後、
 いったんはパリのアカデミーに入学したものの飽き足らず、
 ついには描きためたスケッチを抱え、
 英国の出版社の戸を叩いたのでした。

 デント社の目に留まったデュラックさんは、
 『ジェイン・エア』の挿絵を担当、
 そして1907年、
 クリスマス向けの豪華本『アラビアン・ナイト』の挿絵を制作します。

 この『アラビアンナイト』が、大ヒット!

 オーバーナイトサクセス――
 一夜明けたら有名になってた!と言っては大袈裟かもしれませんが、
 それくらいの勢いはありました!

「だいにんきィ、わんだふるゥ~♪」
「ぐるがるがるるるぐるる!」(←訳:人気が出たのには理由がある!)

 故郷フランスで培った美的感覚、
 確固としたデッサン力、
 中国や日本など東洋の文物に対する理解と知識、
 水彩画独特の“にじみ”“ぼかし”を活かした画風、
 圧倒的な色彩感覚……

 書物の挿絵、は簡単そうに見えて
 難しいものです。

 ここにはない世界を、
 見たこともない世界を、
 引き寄せ、つかみとり、紙の上に描き出す。
 その画で
 自分だけではなく、
 観る者をも魅了し、納得させねばならない。

 アラビアンナイトの舞台となった土地に旅した経験がなくたって、
 紫禁城を訪問したことも、
 魔神に遭ったことがないとしても、
 描かなければなりません。
 人びとが、
 これか!と感嘆するような魔神の姿を、
 霧に浮かぶ魔法の城の全景を。

「こうしゃくしィ、みてきたようなァ~」
「がるぐるる!」(←訳:嘘をつき!)

 ええ、まさに嘘です。
 けれど、それは
 《花も実もある嘘》
 なのです。

 この御本に掲載されている図版は
 デュラックさん畢生の作品
 『アラビアンナイト』の他に、
 『テンペスト』
 グリム、ペロー、アンデルセンの童話集、
 ギリシア神話、ロシアの民話……

 そう、
 デュラックさんこそ、挿絵界の魔法使いプロスペロ!

 読み手の想像力をびしばし刺激する、
 真の挿絵画家さんの名作&傑作ギャラリー、
 アート好きさん、
 少女漫画好きな御方、
 シェイクスピア好きさんも、
 ぜひぜひ、一読を!

「あらびあんないとのォ、せかいへェ~」
「ぐるがるるがる~!」(←訳:皆さま、ようこそ~!)
 
 
 
 
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将軍の、苦き夢。

2012-01-08 23:30:36 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 昨日&今日と、めちゃくちゃ寒~いここ東京・多摩地域……

「もうやだァーッ、こんなさむいィのッ!
 む?
 あわわッ、しつれいィしましたッ、
 こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!ぐるぐるるるがるがる!」(←訳:虎です!でもホント寒いんだよう!)

 寒の入りは伊達じゃないってことですわね。
 では、寒さが身に染みる日の読書タイムは、
 気持ちだけでも温かい国へ、さあ、どうぞ~!

  


 
             ―― ナポレオンのエジプト ――


 
 著者はニナ・バーリーさん、原著は2007年に、日本語版は2011年7月に発行されました。
 原題は『MIRAGE Napoleon's Scientists and Unveiling of Egypt』、
 『東方遠征に同行した科学者たちが遺したもの』と日本語副題が付されています。

 ナポレオンとエジプト――
 テディちゃ、このテーマから導き出される事象は何であるか、といえば?

「ふァいッ!
 テディちゃ、わきゃりまスゥ!
 ろぜッたすとーんッなのでス!」
「がるがるるるるぐる!」(←訳:大英博物館のアレだね!)

 ヒエログリフ解読のきっかけとなり、
 時間の砂に埋もれていたエジプトの歴史をも解明する大発見となった
 ロゼッタストーン――
 現在は英国の大英博物館に収められていますが、
 もともとはナポレオン指揮下の部隊が
 当時のエジプトから奪い取ったものでした。

 でも、なぜ?
 なぜナポレオンはエジプトへ遠征したのでしょう?
 遠征とロゼッタストーンは、どう結びつくのでしょうか?

 フランスとエジプトでは
 このあたりの経緯はよく知られています。
 けれど、その他の国々では
 殆ど知られていないナポレオンの東方遠征の発端と結末を、
 この御本は
 《科学者》
 をキーワードに再現してゆきます。

「ふむむッ……そうだッ!
 きッとォ、なぽれおんさんはァ~」
「ぐるがるがるるる!」(←訳:寒がりだったんだ!)

 いーえ、違います。
 フランス軍のエジプト遠征は、もちろん、
 18世紀当時の、フランス共和国政府が決定し、
 若き将軍・ナポレオンの采配に委ねられた軍事行動であり、
 また同時に……経済行動でもありました。

「けいざいッ??」
「がるるる?」(←訳:お金絡み??)

 フランスの敵国・イギリスは
 インドを植民地にして大儲けしている!
 じゃあ我がフランスはどうすればいいんだ?
 このまま黙って見ているのか?

 いやいや、対抗手段がない訳じゃないぞ!
 地中海を隔てたすぐそこに、
 あるじゃないか!
 まだどの国の植民地にもなっていない広大な国、
 エジプトという国が――!

 ナポレオン将軍も、
 アレクサンダー大王の東方遠征を想わせるこの侵攻作戦に
 大乗り気になりました。

 大王がしたように、
 遠征部隊には軍人だけでなく
 科学者たちもメンバーに加えよう!
 天文学者、数学者、博物学者、医者、化学者、
 エンジニア、植物学者、画家……!
 みんな連れてゆくぞー!

「わわわうッ、だいじょうぶゥでスかッ??」
「ぐるがるる!」(←訳:心配だねえ!)

 しかも。
 往時のフランス軍部は、
 マトモじゃなかったのでしょうか。
 なんとまあ、
 どこへ向かうのか、
 遠征先を全く明かさずに、
 5万人の大軍を港町トゥーロンに集結させます。
 その中に、151人の科学者と画家さんも含まれておりました……

  我々はどこへ行くのだろう?

 上りゆく暁星のような将軍ナポレオンを盲信する者、
 或いは
 やむなく権力者の命令に従わざるを得なかった者たちが
 異文化の地・エジプトで目にするものとは――

「こッ、こわいィでス!」
「がるるぐるぐるるがるるぐるっ?」(←訳:ハッピーエンドはあるのっ?!)
 
 ナポレオンマニアの方々も
 これは知らなかったのじゃないかしら?
 という驚きがあっちにも!こっちにも!
 歴史好きさん、必読の一冊です!
  
「のんふぃくしょんのォ、はくりょくッ!」
「がるるーぐるがるるるぐるがるる!」(←訳:ナポレオンへの見方が変わります!)

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テディもびっくり!な。

2012-01-07 23:12:03 | 美味
 こんにちは、ネーさです。
 年始のお休みが終わった~…と思ったら?
 あらまっ、連休ですって??
 
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おやすみィにはァ、おやつゥた~いむッ!」
「がるる!ぐるがるがるるるぐる!」(←訳:虎です!2012年もおやつGO!)

 ではでは、参りましょう♪
 本日の美味物件は、こちら~!
 
  

 フランス『LU(ルー)』社さんの
 《LULU ベア~ストロベリー》!

「むぽッ♪ くまァでスかッ♪」

  

「がる~るるる~ぐるるる~」(←訳:え~と中身はこんなで~)
「……むッ!
 むむむむゥ!
 こッ、これはッ!」

  

「くッ、くまッ!」
「ぐるがるるがるる~!」(←訳:あっ本当だクマだ~!)

 あら~? けっこうリアルなクマ型の焼き菓子だわ。

「どどどッ、どうしようゥッ?」

  

「たべるゥべきかッ? たべざるゥべきかッ???
 むむゥ~ッ!」

  

 ……なんだかテディちゃ、悩んでいるようね。

「がるぐるがる!」(←訳:悩んでますね!)

 じゃ、私たちはこちらのお菓子をいただきましょうか。
 可愛い『ロディ』くんの《クリスマスベンダブル》♪

 クリスマスにいただく予定だったお菓子なのですが、
 年末期は余りにも忙しくて、
 ゆっくりお菓子を味わう時間すらありませんでした……。
 でも、美味しいお菓子はいつ食べても美味しゅうございます。
 『ロディ』くんの
 どことなく、おめでたくも福々しい真っ赤なボディ内部には、
 色とりどりのマーブルチョコ風ちびチョコが入ってますよ♪

「がるっ♪」(←訳:んまッ♪)

 うん?
 楽しくチョコをいただいている私たちの背後で、
 不気味な呻き声が……?


「たァ~べェ~るゥ~べきィかァ~ッ?!?」

 
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お髭に隠れて、キングはニヤリ?

2012-01-06 23:24:31 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日1月6日は《色の日》なんだそうですよ~♪
 ……って、語呂合わせ、ですわね。

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ごろあわせェならァ、ほかにもォありまスよゥ!」
「がるる!ぐるる~がるぐるがるるる!」(←訳:虎です!例えば~1月10日は110番の日!)

 ものすご~く分かり易い語呂合わせですが、
 本日の読書タイムにはもってこい!な数字です。
 何故かと申しますと…… 
 はい!本日ご紹介いたしますのは、こちらの一冊~!

  


 
              ―― キングを探せ ――


 
 著者は法月綸太郎(のりづき・りんたろう)さん、2011年12月に発行されました。
 ミステリ好きさん、
 特に本格ミステリマニアさんは、
 この作品のおかげで楽しい年末を過ごした御方もおられることでしょうね。
 探偵さん対犯人の正面対決~!

「よいいみィでェ、こてんてきィ!」
「がるるぐるがるぐるる!」(←訳:ミステリの王道だ!)

 内容は、しかし、
 “古典”という牧歌的な言葉がそぐわないほど、
 現代――21世紀の要素に満ちています。
 
 悪を為す犯罪者『キング』を追う警察と、
 デジタルでありアナログでもある様々な手段を用い、
 法の網目を潜り抜けようとする者……

「わるいィやつがァ、きんぐッ?」
「ぐるるがるがるぐるがる~!」(←訳:王さまを名乗るなんて生意気~!)

 『キング』が何を意味するのか、
 手掛かりは御本の装丁の中に隠されていますよ。
 表紙をよ~く観察してみましょう。
 どこかで見たような、
 ヒゲやら、巻き毛やら、眼元やら……。
 それらをぐるりと囲んで、
 赤や黒の小さなマークが……。

「あッ、これはァ!」
「がるーるるぐーるる!」(←訳:ハートにスペード!)
「だいやァにィ、くろーばァー!」

 ええ、そうです、
 トランプに描かれている紋様ですね。
 
 或る事件の捜査にあたっている警視庁の法月(のりづき)警視は、
 御機嫌があまり良くありません。
 簡単に片付きそうだ、と読んでいた事件は、
 いまだ犯人が絞り込めず、
 逆に混乱が増すばかり。

 いえ、容疑者はいる、というか、いた、のです。
 が。

 突き崩せない強固なアリバイを持つ者を、
 逮捕することは出来ません。

「そんなァありばいッ、うそォでスよッ!」
「がるるがるる!」(←訳:そうだそうだ!)

 嘘じゃないから、
 法月警視も困っているんですよ。
 犯人は、他にいるのか?
 我々がその存在を全く察知していない別の人物の犯行なのか?

 困惑しきりの法月警視に手を差し延べるのは、
 警視の息子さんの、
 法月綸太郎さん。
 綸太郎さん、
 トランプのカードに事件のヒントを見出したようです。
 『キング』像が暗示するのは、
 驚愕すべき頭脳ゲームと心理戦……?

「わわわッ、ふくざつゥ、でスッ」
「ぐるがるるるぐるる!」(←訳:難しくなってきたよう!)

 巨匠エラリイ・クイーンさんのスタイルを踏襲しつつも、
 独自の推理と挑戦を展開する綸太郎さんの探偵ぶり、
 理系さんも文系さんも
 がっつり堪能されたし!

「さいごのォさいごまでェ~」
「ぐるがるるがるる!」(←訳:目を離さないでね!)
 
 
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植物園のとびらを開ければ?

2012-01-05 23:27:01 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日1月5日が仕事始め、という会社さんも多かったのでしょうか。
 近所では、急に公共工事の騒音が~!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わおッ! どうろォじゅうたいィもォ、はじまッたでスゥ!」
「がるる!ぐるぐるるがるる~!」(←訳:虎です!電車もバスも混雑~!)

 ちょこっとくらい道が混んでも、
 慌てず騒がず、おめでた~い新年モードで♪
 そして待ち時間には、めでためでたの読書タ~イム!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
              ―― 柿のへた ――


 
 著者は梶よう子さん、2011年9月に発行されました。
 『御薬園同心 水上草介(おやくえんどうしん みなかみそうすけ)』と副題が付されています。

「ふむむッ、とりものちょうッ、でスかッ?」
「ぐるがるるるぐるる!」(←訳:お江戸の同心さんだね!)

 ノンノン、先走ってはいけません。
 同心――と聞くと、
 悪党捕縛のため八百八町を疾走するお役人さんや十手もちの親分さんを
 連想しがちですが……
 水上草介(みなかみ・そうすけ)さんは
 間違っても、銭を投げたり、
 火盗改装束で御用だ~!と走り出したりするような御方じゃありません。

 腰には、植木鋏。
 頭には、手拭いや笠。
 自宅の文机には、軍術書ではなく、押し葉の帳面。

「ふァ~? うえきィばさみィ???」
「がるるぐるる~?」(←訳:押し葉って何~?)
「めずらしィどうしんさんッ、でスゥ!」

 植木鋏を携行するのも
 押し葉に熱心なのも、
 それが水上さんの《御役目》だからなんです。

 御薬園同心(おやくえんどうしん)さんの勤務先は、
 江戸・小石川にある幕府の施設。
 広い敷地内では、
 薬草が栽培され、
 生薬(しょうやく)の精製や、
 食用植物の研究も行われています。

 つまり、同じ同心さんであっても、
 町奉行所にお勤めの同心さんと、
 御薬園の同心さんのお仕事では
 天地の差があり……そうなもの、ですが。

「でスがッ?」
「がるるっ?」(←訳:もしやっ?)

 《事件》というほどではないにしろ、
 どこか奇妙な、
 《相談事》
 《無茶な話》が、
 水上さんのもとに持ち込まれます。

 表題作『柿のへた』では、
 水上さん、
 或る御薬を用意せねばならなくなりました。

 用途も効果も、まことにヘンテコなそのお薬は……
 御薬園に、
 いえ、そもそもこの世に存在するの??

「ふかのうもんだいィ、でスよゥ!」
「がる~ぐるるるぐるがる?」(←訳:でも~まさかのまさかで?)

 時代は天保6年(1835年)。
 そろそろ黒船の気配が感じられなくもない頃合いです。
 幕末、日本へやって来た異人さんたちは、
 江戸の郊外に整然と広がる植木・苗木の畑、
 家々の軒先に咲く花の鉢に
 そりゃもうビックリしたそうですよ。
 そう、当時の江戸の町は確かに、
 世界でも屈指の
 花木あふれる緑園都市、だったのです。

 緑園都市・江戸で、
 奉行所の同心さんのような探偵ではないけれど、
 薬草専門家の同心さんは、
 はたしてどんな《快刀乱麻》名推理を見せてくれるのでしょうか。

 清冽なものがたりは、
 すがすがしいお正月気分にぴったり!
 時代小説好きさん、
 ミステリ好きさん、
 ガーデニング好きな御方にも、おすすめです~♪♪

「このごほんをォ~よむゥとォ~…!」
「がるるぐるがるがるがるるる!」(←訳:貴方は必ず小石川植物園に行きたくなる!)
  
 
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マニア涙の、巡礼路。

2012-01-04 23:37:05 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 お正月三が日のお休みは、いかがお過ごしでしたか~?
 
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 テディちゃ、てれびィでェ、はこねェえきでんッ、みてたのでスよゥ!」
「がるる!ぐるぐるるがるがるるー!」(←訳:虎です!ボク七福神巡りしたよー!)

 都心にお住まいのアート好きさんは、
 美術館でゆったり~♪だったでしょうか。
 2012年最初の読書タイムは、
 アート好きさんにおすすめの、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  


 
             ―― フェルメール巡礼 ―― 


 
 著者は朽木ゆり子さん、前橋重二さん、2011年11月に発行されました。
 先日の《2011のBEST BOOKは何処に?》でも御案内いたしましたね、
 カラー図版多数!
 参考資料やMAPも充実!な
 巨匠・フェルメールさんの画業を追う一冊です。

「ふむふむゥ! うるとらァ、ゆうめいッ!」
「がるぐるるるがる!」(←訳:マニアが大勢いるよ!)

 2011年には、ヨハネス・フェルメールさん(1632~1675)作の
 『地理学者』が日本の美術館を巡回しました。
 現在、渋谷のbunkamuraミュージアムでは
 『手紙を読む青衣の女』
 『手紙を書く女』
 『手紙を書く女と召使い』
 の3作品を中心とする
 《フェルメールからのラブレター展》が開催されています(2012年3月14日まで)。

 そして、2012年夏には、
 最も有名な、
 フェルメールさんの作品が日本にやって来ます――

 『真珠の耳飾りの少女』!

「わおおおッ!
 くるでスかッ!」
「がるーる!」(←訳:見たーい!)

 この御本では、
 表紙の『手紙を書く女』をはじめ、
 『真珠の耳飾りの少女』
 『絵画芸術』
 『天文学者』といった名作たちが
 世界各地のどの美術館に収蔵されているのか、
 それら作品はどのような経路を辿ってその美術館で公開されるに至ったのか、
 エピソードとともに紹介されています。

 また、フェルメールさんが画中に描きいれた地図や書籍などの
 “小道具”の実物探し、
 フェルメール家の“部屋割り再現図”も掲載されていて、
 ああ研究者って怖ろしいと
 驚いちゃったり、
 ニヤリとさせられたり……。

「だいにんきィ、でスからねッ♪」
「ぐるるがるがるる~!」(←訳:みんな夢中なんだ~!)

 無名時代もしくは忘れられていた時代が長かったフェルメールさんですが、
 20世紀に高く評価されて以降は
 超貴重品扱いされてきました。
 とはいえ、
 描かれてから350年近い月日が経過し、
 画面のダメージは看過できぬ程になり、
 専門家さんによって修復作業が進められています。

 『真珠の耳飾りの少女』も
 近年、精密かつ高度な分析結果をもとに大掛かりな修復が行われ、
 画面はより明るくなり、
 隠れていたフェルメールさんの筆致も
 再び日の目を見ることとなりました。
 
 ですから、
 ずいぶん昔にこの名画を観たよ~という御方も、
 画の前に立てば、
 まったく別の印象を受けるかもしれませんね。

「まえよりィ、かわいいッ♪とかッ?」
「がるがるがるぐるる?」(←訳:美人になった、とか?)

 たとえようもないその魅力、美しさゆえ、
 作品見たさに
 世界中を旅するマニアさんすら生み出す
 画家ヨハネス・フェルメールさん。

 あたしフェルメールさんマニアなんです!
 という御方は、ぜひ一読を!
 これからフェルメールさんの作品を収蔵するミュゼ巡りをするんです!
 という御方にも
 参考になりそうな情報が満載です。
 世界を巡るヒマはなくても
 この夏は『真珠の耳飾りの少女』を観に行くんだ!
 という御方も、御一緒に!

「ぎょうれつゥしたッてェ、みるぞォ!」
「ぐるがるぐるー!」(←訳:頑張れマニアー!)
 
 
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2012新春特別企画!《黄金色い依頼人》オマケ編!

2012-01-03 23:23:05 | 2012も!新春特別企画♪
 こんにちは、ネーさです。
 えへん、あらためまして……

  あけまして おめでとうございます~!

  

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぼくたちからもォ、おめでとうゥなのでスよゥ~!」
「シロクマのユキノジョーです! 賀正!」
「がるる!ぐるるぐるるるがるー!」(←訳:虎です!ハッピーニューイヤー!)
「龍で~す!おめでとうございます!」

 今年もまた、おフザケ新春企画にお付き合い下さり、
 まことにありがとうございます♪

「ほんとォにィ、ありがとうございまスゥ!」

 寒波やら大雪やら、
 お天気不安定な年末でしたが、
 明けて年始は……お散歩&お買いもの日和?
 皆さま、
 初詣、それに初売りには、もうお出掛けになりましたか?
 私ネーさも、ちょこっとだけ福袋争奪合戦に参加いたしましたよ。
 その成果は……こちらで~す!

  

「わはッ?」
「何ですか、これ~?」
「がるぐるぐる?」(←訳:布地の袋だよ?)

 はい、こちらはね、
 バラエティショップの元祖的存在『アメリカンファーマシー』さんの
 LUCKY BAG!
 お菓子の福袋、ということで、
 お値段とってもリーズナブルな¥1.050(税込)!

「きゃぽゥッ♪
 ネーさッ!なかみィはッ?なかみィはッ???」
 
 はいはーい、ラッキーな内容は――

  

「がるぐる!」(←訳:チョコだ!)
「ウエハースもある!」

  

「ポップコーンに、ビスケット!」

  

「きゃんでィにィ、ぐみィもッ♪」

 大収獲のラッキーバッグ、
 さあ、《黄金色い(きんいろい)依頼人》出演の諸君、
 美味しく召し上がれ~♪

「いッただきまァ~ス!」
「出演料分を食べまくるぞ~!」
「がるぐるる!」(←訳:お腹空いた!)
「ぱくぱくぱく~!」

 ……は、速い、速すぎる! なんというスピード……!

「ごちそうさまァッ!」
「がるる!」(←訳:でした!)

  

 再度あらためまして、
 御来訪下さった心優しい活字マニアの皆々さま方、
 ありがとうございました!
 2012年もテディちゃ&虎くん&ネーさを
 どうぞよろしくお願いいたします~!

「よろしゅゥおたのみもうしまスるゥ~♪」
「がるるぐるがるぐるるる~!」(←訳:明日は読書タイム復活!で~す!)
  
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2012新春特別企画!《黄金色い依頼人》その4!

2012-01-02 23:26:10 | 2012も!新春特別企画♪
 てくてく、ばたばた、どたどた、と。
 御話の第四回が、さあ、足音とともに始まりました。
 足音の主は、ええ、もちろん、
 名探偵テディちゃムズ一行でございます。

  

「テディちゃムズ!どこへゆくんだい?」
 と、ユキノジョン・H・ワトソン博士。

「ぐるるがる~?」
 と、虎くん。

「ダディの居場所が分かったの?」
 と、依頼人のドラゴンくん。

 そうさ!と名探偵テディちゃムズ、鼻をぴかりと光らせます。
 ヒントの紙片にあった言葉の意味、とは――

「ささやきィ、ッていうのはァ、せんとぽーるじいんッ、だよッ!」

 なぁるほど!
 セントポール寺院にあります有名な『囁きの回廊』のことであったかと、
 一同、感心感服いたします。

「いそがなくッちゃッ!」

 ベイカー街から、やや東へ。
 新年を迎えて大騒ぎのリージェントストリート、コヴェントガーデン、ピカデリー広場……
 ロンドン市民たちが、飲んだり、歌ったり。
 そのお祭りの賑わいに加わりたいのをぐっと我慢して、
 てくてく、ばたばた、ふーふーはーはー、
 セントポール寺院へ到着です!

「ようしッ、ここからッ!」

 紙片によれば、
 『フェニックスふたつはばたき』。
 
 おっしゃ!とユキノジョン・H・ワトソン博士、
 ベイカー街から担いで持ってきた重~い《くまブリタニカ事典》を開きます。
 フェニックスの項を参照いたしますと……

 『はばたき二回分は、テディベアの歩数1000に相当する』ですって?

「よゥしッ!
 みなみィへェ、1000ぽッ!」

 1、2、3……1000歩と進めば、そこは。

「がるるぐる!」(←訳:テムズ川だ!)

 次の一節は『ながれにさからい ヒッポグリフにかいスキップ』でしたか。

「てむずをォ、さかのぼるんだッ!」

 では、とテムズ川沿いを上流へと歩き。

 さらに『ヒッポグリフのスキップ』を事典で調べますと、
 『スキップ一回でテディベアの歩数200にあたる』とな?

「ふーはー……200、あるいたよ!
 テディちゃムズ、このつぎは?」

 そうですね、
 『むかしのみちを ペガサスひとまたぎ』
 って、どういうこと?

「かんたんさッ!
 むかしのォみちィはァ~…ろーまかいどうッ、だよッ!」

 おおお!
 ローマ帝国時代の街道ですね!
 ブリテン島のあちこちに巡らされた古代ローマ街道!
 ローマへ通じる道を、
 ペガサスひとまたぎ分、って……
 あららら、
 事典で調べる手間ももどかしいのか、
 テディちゃムズ一行、
 ばたばたわらわら、と走り出します。

 そうして、辿り着いたところは――

  

「むゥ!
 くりすたるぱれすッ!」

 水晶宮ことクリスタルパレス。
 ロンドン南郊、
 かつては万国博覧会の会場であったそこは今、
 大きな公園になっています。

 緑ゆたかな公園は
 昼間はピクニックによさそうですが、
 夜ともなれば、
 物凄まじい暗さ、寂しさ……。

 けれど、その闇を裂いて、
 テディちゃムズたちは叫ぶのです。

  

「どらごんくんのォ、おとうさ~んッ!」

  

「ドラゴンのとぉちゃーん! いますかー?」

  

「がるるーぐるるるっ!」(←訳:どこに――わあああっ!)

  

「ダディ!!」

 万博の名残りの、モニュメントのひとつ。
 恐竜の彫刻が、
 むくむく、ぐんぐん、と巨きくなりました。
 雲をも凌ぐ身の丈に、
 きらめくウロコ、
 長~い尾。
 これぞまさしく、龍!

「ふぁ~、よく寝た~♪」

「ダディ!
 探したんだよ~! うわわ~ん!」

「お? ジュニアじゃないか!」

 ああ、映画の仕事を終えた後、
 恐竜像の姿を借りて、
 ほんのちょっと居眠りをするつもりが
 ずいぶん寝過ごしてしまったらしいな、
 すまんすまん――
 そう言って父親ドラゴンさんは謝ります。

「あのねダディ、みんなが待ってるよ!
 早くヤポンへゆこうよ~!」
「うん、そうだった、そうだった!」

 龍たちは、極東の或る国でこの一年の間を
 護り神となって過ごすのだと
 父親ドラゴンさんは説明し、
 テディちゃムズたちに御礼を言いました。

「探してくれて、ありがとう!」

 ぐんぐん、ずんずん。
 巨大なドラゴンは一段と巨大になり、
 子ドラゴンを首に巻きつかせて
 いま明けようとする空へ舞い昇ります。
 きんきら、きらきら、
 黄金色の龍たちは、
 見送る名探偵と仲間たちにヒゲを振りながら、
 しめくくりに、

「これ、依頼料だよー!」

 ドでかい黄金のウロコを、
 上空から、
 どかーんと一枚!

「うきゃーッ!」
「うひゃーっ!」
「がるるーっ!」

 ナイスキャッチ!な名探偵テディちゃムズ!
 新春早々景気も縁起も良きかな良きかな♪
 黄金のウロコを抱え、
 名探偵テディちゃムズ、
 ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 虎くんも、
 東の国へ祝福を贈ったのでした――

「しんねんッ、おめでとうッ!!」


 
 

 
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