「こんにちわッ、テディちゃでス!
うむむむゥ! ぞくぞくゥ~しましたでスゥ!」
「がるる!ぐるっるる~!」(←訳:虎です!怖かったよ~!)
こんにちは、ネーさです。
2月7日放送の『ミステリと言う勿れ』第5話、
硬派なホラーミステリ的展開に戦慄いたしました……
ならば、読書タイムは軟派で朗らかに!元気を回復!
という訳で、
本日はこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
―― 古典とケーキ ――
著者は梶村啓二(かじむら・けいじ)さん、
2021年12月に発行されました。
『甘い再読 愉悦の読書案内』と副題が付されています。
「こてんとォ、けェーきィ?」
「ぐるがるるるる?」(←訳:どう結びつくの?)
御本冒頭の『ことのはじまり』に於いて、
著者・梶村さんは宣言します。
《愛する古典と お茶と 焼き菓子さえあれば。
あとはもう何もいらない》
あ~分かるわ、それ!
と大勢の活字マニアさんが頷くことでしょう。
美味しいお菓子に、飲み物に、愛読書。
これ以上ない完璧なトライアングル♪……ですが、
では、梶村さんにとっての愛読書――
古典作品とは?
「まずはァ、こちらッ!」
「がるぐ~る!」(←訳:漱石さ~ん!)
先陣を切って登場する《古典》は、
夏目漱石さんの『文鳥』(1908)。
『こころ』『坊ちゃん』といった
有名な長編に比べれば無名に近い、
けれど梶村さんが最も好きな作品だという『文鳥』を、
小さな鳥をめぐる狂おしい物語を、
ゆっくり、丁寧に、
ジャムをひと匙ずつ味わうように
再読してゆけば……
見えてくるものがある。
分類不能。
どんなジャンルにも整理できない、
これは、そういう作品であると。
自分にとっては
恋愛小説の最高峰であると。
「あまくてェ~せつないィ?」
「ぐるるる!」(←訳:刹那の恋!)
漱石さんは、ジャムが好き。
いちごジャムに、お饅頭、羊羹も。
胃病で入院したときは、
病室にアイスクリームマシンを持ち込んだほど、
甘いものが大好き、だったのでした。
キッチンに立って、
ジャムを煮ながら梶村さんは思います。
漱石さんにとって、甘味とは――こころの避難所。
「……たぶんッ?」
「がるるるるぐっるる!」(←訳:ボクたちにとっても!)
この御本には、
シェイクスピアさんの『マクベス』とショートブレッド。
近松門左衛門さんの『心中天の網島』とブランデーケーキ。
ホメーロスさんの『オデュッセイア』とレモンドゥリズルケーキ。
エミリー・ブロンテさんの『嵐が丘』とジンジャ―バーキン……
と、12の《古典》と甘いお菓子をつなぐ文章が
収録されています。
私ネーさのおすすめは、
菅原孝標女さんの『更級日記』とゆで小豆。
“劇的なことは何も起こらない“
と梶村さんが評する『更級日記』の、
本当の顔、本当の姿とは……?
「これはァ、びッくりィでスよゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:大胆かも!)
《古典》の、しぶとさ、逞しさ。
甘味の、儚さ、やわらかさ。
軟派に見えて実は硬派な、
全活字マニアさんに激推ししたい一冊です。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪