テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 昔も今も、強く、儚く ~

2022-02-08 22:35:40 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うむむむゥ! ぞくぞくゥ~しましたでスゥ!」

「がるる!ぐるっるる~!」(←訳:虎です!怖かったよ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2月7日放送の『ミステリと言う勿れ』第5話、

 硬派なホラーミステリ的展開に戦慄いたしました……

 ならば、読書タイムは軟派で朗らかに!元気を回復!

 という訳で、

 本日はこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― 古典とケーキ ――

 

 

 著者は梶村啓二(かじむら・けいじ)さん、

 2021年12月に発行されました。

 『甘い再読 愉悦の読書案内』と副題が付されています。

 

「こてんとォ、けェーきィ?」

「ぐるがるるるる?」(←訳:どう結びつくの?)

 

 御本冒頭の『ことのはじまり』に於いて、

 著者・梶村さんは宣言します。

 

  《愛する古典と お茶と 焼き菓子さえあれば。

   あとはもう何もいらない》

 

 あ~分かるわ、それ!

 と大勢の活字マニアさんが頷くことでしょう。

 美味しいお菓子に、飲み物に、愛読書。

 これ以上ない完璧なトライアングル♪……ですが、

 では、梶村さんにとっての愛読書――

 古典作品とは?

 

「まずはァ、こちらッ!」

「がるぐ~る!」(←訳:漱石さ~ん!)

 

 先陣を切って登場する《古典》は、

 夏目漱石さんの『文鳥』(1908)。

 

 『こころ』『坊ちゃん』といった

 有名な長編に比べれば無名に近い、

 けれど梶村さんが最も好きな作品だという『文鳥』を、

 小さな鳥をめぐる狂おしい物語を、

 ゆっくり、丁寧に、

 ジャムをひと匙ずつ味わうように

 再読してゆけば……

 見えてくるものがある。

 

 分類不能。

 

 どんなジャンルにも整理できない、

 これは、そういう作品であると。

 自分にとっては

 恋愛小説の最高峰であると。

 

「あまくてェ~せつないィ?」

「ぐるるる!」(←訳:刹那の恋!)

 

 漱石さんは、ジャムが好き。

 いちごジャムに、お饅頭、羊羹も。

 胃病で入院したときは、

 病室にアイスクリームマシンを持ち込んだほど、

 甘いものが大好き、だったのでした。

 

 キッチンに立って、

 ジャムを煮ながら梶村さんは思います。

 

 漱石さんにとって、甘味とは――こころの避難所。

 

「……たぶんッ?」

「がるるるるぐっるる!」(←訳:ボクたちにとっても!)

 

 この御本には、

 シェイクスピアさんの『マクベス』とショートブレッド。

 近松門左衛門さんの『心中天の網島』とブランデーケーキ。

 ホメーロスさんの『オデュッセイア』とレモンドゥリズルケーキ。

 エミリー・ブロンテさんの『嵐が丘』とジンジャ―バーキン……

 と、12の《古典》と甘いお菓子をつなぐ文章が

 収録されています。

 

 私ネーさのおすすめは、

 菅原孝標女さんの『更級日記』とゆで小豆。

 

 “劇的なことは何も起こらない“

 と梶村さんが評する『更級日記』の、

 本当の顔、本当の姿とは……?

 

「これはァ、びッくりィでスよゥ!」

「ぐるがる!」(←訳:大胆かも!)

 

 《古典》の、しぶとさ、逞しさ。

 甘味の、儚さ、やわらかさ。

 

 軟派に見えて実は硬派な、

 全活字マニアさんに激推ししたい一冊です。

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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~ 海獣たちの、いるところ ~

2022-02-07 23:15:57 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はるゥはァ~どこでスかァ~…」

「がるる!ぐるるるる~…」(←訳:虎です!行方不明だ~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 立春は過ぎたというのに、ああ、寒い……んですけれど、

 今日は庭先でメジロくんを見かけました♪

 ちっちゃい!可愛い!と感激しまくった後は、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!

  

 

 

    ―― 海獣学者、クジラを解剖する。 ――

 

 

 著者は田島木綿子(たじま・ゆうこ)さん、

 2021年8月に発行されました。

 『海の哺乳類の死体が教えてくれること』

 と副題が付されています。

 

 先日ご紹介した

 郡司芽久さん著『キリン解剖記』に続き、

 さらなる大物“解剖“ノンフィクションの到着です。

 

「きりんもォ、おッきィ~けれどッ!」

「ぐるがるるる!」(←訳:超級サイズだ!)

 

 御本冒頭の『はじめに』では、

 さっそく巨大なクジラ(の死体)との邂逅が……!

 

 2020年3月、

 新型コロナウィルス感染者急増に

 緊急事態宣言の発令が検討された時期のこと。

 

 国立科学博物館動物研究部研究院である

 著者・田島さんのもとに

 応援の要請がありました。

 

 熊本県天草市の本渡(ほんど)港の浅瀬で、

 巨大なマッコウクジラが座礁して死亡。

 至急、解剖調査し、

 可能な限りの標本採集を!

 

「そッ、そんなことォ、いうけどォ~」

「がるるるぐる!」(←訳:なんたる大物!)

 

 体長16メートル、推定体重65トン。

 ってつまり、奈良の大仏さまと同等の高さに、

 大型のアフリカゾウ約10頭分の体重。

 

 そして、田島さんたちが解剖調査に費やせる時間は、

 たった1日だけ。

 日で、65トンを、正確に計測し、

 吊り上げ、切り開き、引っ張り、死因を調べ……

 

「ふうゥ! いそがしィ~!」

「ぐるがるぅ!」(←訳:目が回るぅ!)

 

 クジラなどの海洋生物が

 浅瀬で座礁したり、

 海岸に打ち上げられる現象は

 《ストランディング(stranding=漂着、座礁)》

 と呼ばれ、

 日本では、年間300件ほどの

 ストランディングが報告されています。

 

「くじらッ、いるかッ、しゃちィ!」

「ぐるるるるがっるるる!」(←訳:アザラシにオットセイ!)

「まなてィ、じゅごんッ!」

 

 海獣たちの死体から判明する事象、

 未知の現象。

 シロナガスクジラの漂着は日本初だ!

 と興奮する学者さんたち。

 謎の多いコククジラ。

 マッコウクジラの腸から発見される

 稀少な結石『龍涎香(りゅうぜんこう)』の歴史。

 ジュゴンの解剖を前に

 高まる緊張――

 

 地球の未来を覗きこむかのような

 海獣学者・田島さんによる文章と、

 収録されている写真やイラストなどの図版資料は、

 科学好きな方々必見!ですよ。

 《博物館人》さんたちの奮闘の記録を、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ 《謎解き》は、のんびりペースで ~

2022-02-06 23:28:12 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 もじゃもじゃッ!」

「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!くるくる!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 もじゃもじゃで、くるくるクセ毛といえば、

 『鎌倉殿の13人』で源頼朝を演じている大泉洋さん、

 それに……この御方もクセ毛さんですね!

 という訳で、本日の読書タイムは、

 こちらのコミック作品を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― ミステリと言う勿れ 2 ――

 

 

 著者は田村由美(たむら・ゆみ)さん、

 2018年5月に発行されました。

 『Do not say mystery』と英語題名が付されています。

 

 現在、ドラマ化されて放送中のこの作品は、

 第1巻に収録されている

 Episode1『容疑者は一人だけ』が

 ドラマ版・第1話の原作となりました。

 

 そして、

 ドラマ版・第2&3話は、

 コミック第1巻の後半から

 この第2巻の前半に収録されている

 Episode2『会話する犯人』【前編】【後編】を

 原作としています。

 

「たたたッ、たいへんッでスッ!」

「ぐるるぅっるがるる!」(←訳:バスジャックだよう!)

 

 久能整(くのう・ととのう)くん、大学生。

 

 整くんが出かけようとしているのは、

 大隣美術館で開催中の

 『印象派展』です。

 

 会期の最終日である今日は5時には閉館してしまうので、

 2時までに入館して、

 名画をゆっくり鑑賞した後はカフェに行って、

 ショップでお買い物もして……という、

 夢のような予定は、一瞬にして崩れ去りました。

 

 乗り込んだバスが、

 バスジャックされた!んです。

 

「あわわッ、まさかッ!」

「がるるるる~!」(←訳:どうしよう~!)

 

 でも?

 このバスジャック犯、奇妙です。

 

 人質の生命と引き換えに

 何かを要求することはなく。

 ただ乗客たちを

 どこかへ連れてゆこうとしているだけ……?

 

 バスジャック犯の意図は、いったい?

 犯人たちの一挙手一投足を、

 整くんは観察し、考察してゆきますが……

 

「ずのうせんッ、なのでス!」

「ぐるるがる!」(←訳:知力の攻防!)

 

 ドラマ版では、鎌倉文学館が

 撮影のロケ地になっていて、

 整くんと

 或る重要人物との会話が

 いっそう印象深いものになっていました。

 

 このEpisodeの後、

 整くんの物語は、何処へと向かうのか、

 それは――

 

「しィ~ッ!」

「がるるるぐる~!」(←訳:ネタバレ禁止~!)

 

 実は、私ネーさ、

 1~5巻を大人買いしましたものの、

 もっとのんびりペースで読んでゆけば良かったかなぁ、と

 少し後悔しております。

 

 なので、TVドラマ版で『ミステリと言う勿れ』を知り、

 これから原作を読もうかとお考えの方々は、

 ドラマ全話の放送が終了してから

 原作コミックを読む方がいいかもしれませんね。

 

「いそがないェでェ~」

「ぐっるるがるる~!」(←訳:ゆっくり行こう~!)

 

 整くんの眼に映る、

 世界の光と、闇とは。

 

 ミステリ好きな活字マニアさんにも

 激おすすめのコミック作品を、

 皆さま、ぜひ~♪

 

 

 

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~ 楽しきは《グミ》まつり ~

2022-02-05 22:04:34 | 美味

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぷにぷにィ~ぐみィ、とうちゃくゥでスゥ!」

「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!日本の美味だよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 いつもなら展覧会情報をお送りする週末……なれど、

 残念ながら外出が難しい状況になってしまいました。

 そこで本日は、

 ステイホームを楽しむための美味しいものニュースを、

 さあ、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― ニッポンエール グミ ――

 

 

 JA全農さんの新ブランド《ニッポンエール》は、

 『日本産のたべものに、そしてにっぽんに

 エールをおくろう』をコンセプトに誕生しました。

 

 現在発売されているのは、

 ドライフルーツ、グミ、キャンディ、ゼリーや、

 チョコかけ菓子、飲料、茶葉、冷凍食品など。

 

「こんかいィはァ、ぐみィ!」

「ぐるるがる~る!」(←訳:御紹介しま~す!)

 

 全農さんのHPに掲載されている

 《ニッポンエール》グミは、

 計33種類!

 今日はその中から、

 4種類のグミをパクっといってみましょう♫ まずは……

  

 

      『秋田県産 北限の桃 グミ』

 

 ほほう! 桃栽培の北限地って秋田なんですね!

「ぱくもぐッ! おいしィ~♫」

「がるるぐる!」(←訳:上品な香り!)

 そして、同じ桃でも、↓こちらは……

  

 

       『岡山県産 白桃 グミ』

 

 全国に名を轟かせる岡山の白桃も、

 しっかりグミに変身しました。

「はなやかァ~!」

「ぐるがる!」(←訳:夏の味だ!)

 次に、桃に似ているけれど、ちょっと違うんだぜ!なのは……

  

 

     『熊本県産 ハニーローザ グミ』

 

 ハニーローザって何かしら?と思ったら、

 毎年6月上~中旬の10日間しか収穫することが出来ない

 稀少なスモモ、なのだそうですよ。

「これはァ、ゆにィ~くゥ!」

「がるるぐるぅ!」(←訳:クセになるぅ!)

 王道!と言えるのは、↓こちらですね。

  

 

     『山形県産 さくらんぼ グミ』

 

 山形名産・佐藤錦……!

 サクランボ大好きな方々は、にっこり&うっとり♪

「あかいィ~だいやもんどッ!」

「ぐるるるるがる!」(←訳:やわらかな酸味!)

 

 今回ご紹介した種類の他にも、

 『ハスカップ』『和ハッカ』『ラ・フランス』

 『八丈フルーツレモン』『湘南ゴールド』

 『シャインマスカット』『スイカ』『マンゴー』

 といった日本産フルーツのグミが発売されています。

 

 1月22日から全国のロフトさんで

 キャンペーンが開催されていて、

 《ニッポンエール》商品3点を購入すると

 ↓こちらのクリアファイルにもなるバッグを貰えちゃいますよ。

  

「おすすめェなのはァ~」

「がるーぐーる!」(←訳:ハニーローザ!)

 うふふ、貴方のお気に入りはどのグミでしょうか?

 《ニッポンエール》グミやキャンディは、

 オンラインショップでも販売されていますので、

 詳しくは全農さんのHPをご参照くださいな。

 

 美味しいオヤツで笑顔になって、

 皆さま、どうか穏やかな休日を♪

 

 

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~ そして《謎》は 続く ~

2022-02-04 23:16:28 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 りッしゅゥ~んッ!」

「がるる!ぐるるるるる~!」(←訳:虎です!とりあえず春~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日2月4日は立春ですね♪

 春といっしょに

 疫病も戦争も無い平和な世界が来てくれるよう願いつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

    ―― 短編ミステリの二百年 6 ――

 

 

 編者は小森収(こもり・おさむ)さん、

 2021年12月に発行されました。

 『The Long History of Mystery Short Stories vol.6』

 と英語題名が付されています。

 

 2019年10月に刊行が始まった《短編ミステリの二百年》も、

 とうとうこの御本で最終巻となりました……

 まずは、編者・小森さんに労いの拍手を全力で!

 

「ぱちぱちぱちィ~!」

「ぐるーる!」(←訳:祝ゴール!)

 

 第1巻では、スティーヴンスンさん、

 モームさん、ウールリッチさん他の、

 19世紀後半~20世紀前半に発表された作品が

 紹介されていました。

 

 そして、この第6巻は、

 ルース・レンデルさん、ローレンス・ブロックさん他の、

 1960~70年代に発表された

 短編ミステリ12作品で構成されています。

 

 ……いえ、11作品? 12作品?

 どっちなのかしら?

 

「むむむゥ! これはァ~!」

「がるぐるるがるる??」(←訳:同じ作品がふたつ??)

 

 目次のページをひらけば、

 視線が吸い寄せられてしまうのは、

 英国の作家クリスチアナ・ブランドさんの作品名。

 

 『ジェミニ―・クリケット事件《アメリカ版》』

 と、

 『ジェミニ―・クリケット事件《イギリス版》』。

 

「おなじィ~だけどォ?」

「ぐるがぅるる!」(←訳:同じじゃない!)

 

 それは、

 篤志家として知られる弁護士さんが、

 自身の事務所で殺されていた、という事件です。

 

 ドアには内側からかんぬきが掛かっていて、

 警察が駆けつけたのは

 傷の状態から見て犯行の直後でしたから、

 当然のこと犯人は室内に……

 いない?

 

「いませんッ!」

「がるるぐる!」(←訳:つまり密室!)

 

 《アメリカ版》《イギリス版》とも、

 基本的なところに変わりはありません。

 同じプロットで、

 同じ犯人で、

 トリックも同じ。

 

 しかしながら、読後感は大きく変わります。

 《アメリカ版》を”折り目正しく”も

 優れたミステリとするなら、

 《イギリス版》は

 破調にして、有機的。

 

 この事件は、物語は、

 まだ終わっていないんじゃないか……?

 続きがあるんじゃないか……?

 そう思わされる”底知れなさ”が、

 読み手の背筋を凍らせます。

 

「もうゥ、ほとんどォ~」

「ぐるー!」(←訳:ホラー!)

 

  編者・小森さんが

 《20世紀最高の短編ミステリ》と絶賛する

 『ジェミニ―・クリケット事件』

 《アメリカ版》《イギリス版》両作は、

 この御本のメーンイベントとも申せましょう。

 

 ミステリ好きさんだけでなく、

 全活字マニアさんにおすすめの逸品です。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ お茶の香の、ひととき ~

2022-02-03 23:25:23 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きききッ、きちゃッてるゥ~でス!」

「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!憎いアイツが!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 鼻がムズムズ、眼がシバシバ……そうです、

 花粉が今年も飛び始めたようです。

 まあ仕方ないわね~と諦めつつ、

 さあ、キモチを切り替えて読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― 月曜日の抹茶カフェ ――

 

 

 著者は青山美智子(あおやま・みちこ)さん、

 2021年9月に発行されました。

 『木曜日にはココアを』に続く

 人気の《マーブル・カフェ》シリーズ最新作は、

 あら~♫ 和の香りがしますね。

 

「あざやかなァ、みどりィ~!」

「ぐるがるぐるるる?」(←訳:身体にも良さそう?)

 

 川沿いの、桜並木のそばにある

 喫茶店《マーブル・カフェ》。

 

 ショッピングモール内の携帯ショップで働く

 美保(みほ)さんは、

 お気に入りのカフェで気分を上げてゆこう!と

 《マーブル・カフェ》を目指して歩いています。

 何故なら。

 

 今日はツイてない――

 1月のシフトはいつもと違っていて、

 休日なのを忘れ、早番出勤してしまった……

 気になっていた服を買おうかと

 お店に行ってみれば売り切れ……

 ファストフード店でポテトを食べれば

 ケチャップの染みがニットの袖に……

 

 そして、

 ツイてないにもほどがあるのが、

 いざ《マーブル・カフェ》に到着してみれば。

 

 定休日だったわ!

 

「がァ~んッ!」

「がるるるるる~…」(←訳:立ち直れない~…)

 

 今日は、月曜日で、カフェの定休日。

 ため息をついて、

 美保さんは引き返そうとしますが、

 ん? あれれ?

 

 お店から、人が出てきた?

 店内にも人影が?

 そして、ドアには。

 

「むむむゥ? なんじゃッこれッ??」

「ぐーる?」(←訳:テープ?)

 

 《マーブル・カフェ》の

 《ーブル》の上にマスキングテープが貼られていて、

 テープの上には《ッチャ》の文字。

 って、つまり――

 

「まッちゃッ?」

「がる!」(←訳:抹茶!)

 

 《抹茶カフェ》……って、

 いったいどういうことなのでしょう?

 何かの冗談なのかしら?と

 首を傾げる美保さんの迷いを見透かしたかのように、

 ドアが開きました。

 

 はたして、

 突然現れた《抹茶カフェ》とは、何者、いえ、何モノ?

 そして、

 このお店で、美保さんは何と出逢うのか。

 

「おいしィ~ものッ?」

「ぐるるがる?」(←訳:温かいもの?)

 

 『月曜日の抹茶カフェ(睦月・東京)』から始まる

 起伏と魅力に富む12の連作短編は、

 映像化してほしくなる楽しさ♪

 

 東京と、京都。

 お茶と、和のお菓子。

 美味しいものに目がない活字マニアさんに

 おすすめの一冊ですよ。

 本屋さんで、図書館で、ぜひ、探してみてくださいね~♫

 

 

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~ 歩こう、世界を ~

2022-02-02 23:19:05 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あらためてェ、けッていィ~したのでスゥ!」

「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!10日からです!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、

 開幕が延期されていた『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』は

 2月10日~4月3日での開催が決定されました。

 お出掛け予定の方々は、展覧会公式HPで詳細をご確認くださいね。

 さあ、では、ここからは読書タイムですよ。

 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 歩くひと ――

 

 

 著者は谷口ジローさん、

 画像の『完全版』は2020年8月に発行されました。

 ええ、大人気のため、品切れになっていた谷口さんの代表作が、

 ようやく本屋さんに入荷し始めましたよ♫

 

「まッてましたでス!」

「ぐるるっる!」(←訳:ようやっと!)

 

 ええ、私ネーさも待ちかねていたこの御本、

 手に取ってみた瞬間、

 わーお!と驚きました。

 

 製本がステキに凝っていて、

 一般的な上製本ではなく、

 製本の途中段階でそのまま本にしてしまったような、

 コデックス装という方法で製作されています。

 

 そして、このコデックス装の特徴は、

 ”開きがいい”こと!

 

「おおきくゥ、どォ~んッ!」

「がーるるぐるるるるる!」(←訳:ページを開けられます!)

 

 コデックス装が採用された理由は、

 表紙を捲ってみれば、分かります。

 

 著者・谷口さん渾身の、

 細密に描き込んだ画は、

 ページを大きく開けた状態で、

 ひとコマひとコマずつ、

 急がず、慌てず、ゆっくりと鑑賞してゆかねば、

 もったいな~い!

 

「すこしずつゥ~!」

「ぐるがる!」(←訳:大切にね!)

 

 収録されているのは、

 『歩くひと』全17話と、

 是枝裕和さんによる解説『カタクリの花』、

 ルイ・ヴィトン社がフランスで刊行した東京のガイドブック

 『TOKYO LOUIS VUITTON CITY GUIDE2011』に掲載された

 『歩く…井の頭公園で』、

 欧州の出版社が刊行していたコミック誌『BANG!』に

 描き下ろされた『川を遡る』。

 

 どの作品もそれぞれに素晴らしく、

 ただただ溜め息しながら、

 このお話はいいなぁ、こっちのお話もいいなぁ、と

 眺め入っているのですけれども。

 

 世田谷文学館で原画を拝見した私ネーさとしては、

 第4話の『木のぼり』が

 もう大好きで大好きで♪

 

「みじかいィのにィ~!」

「がるぐるがるるるる!」(←訳:長編にも負けないよ!)

 

 わずか、8ページ。

 その8ページの中に、

 谷口さんは広大な物語を織り込みます。

 

 空を見上げ、

 枝を仰ぎ、

 木に登り、

 手を伸ばす。

 たったそれだけのことが、

 世界全体を見晴るかすような、

 ”無限”へとつながってゆく清々しさ。

 

「えいがァみたいィ!」

「ぐるるがるるるるるる!」(←訳:音楽が聞こえてきそう!)

 

 郊外の町の、

 路地を、小径を、公園を、

 ときには壁と壁の隙間や軒先を、

 歩く、歩く。

 ちょっと酔っていたり、

 暑さにバテかけたり、

 犬と一緒に、歩いて。歩いて。

 

 もし谷口ジローさんの作品に触れたいとお考えならば、

 谷口さん御自身が

 とても気に入っていらしたという

 『歩くひと』、その完全版を、

 全活字マニアの皆さま、

 ぜひ手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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~ 街の、ともしび ~

2022-02-01 22:33:41 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うきゃゥ! はやくもォ、にがつゥ~!」

「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!いつの間に!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 年末からの流れでアタフタバタバタしているうち、

 超音速で過ぎ去った1月を見送ったら、

 さあ、2月最初の読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― 欧州カフェ紀行 ――

 

 

 文書と写真はAya Kashiwabaraさん、

 写真は飯貝拓海さん、

 2021年8月に発行されました。

 『CAFE TRAVELOGUE IN EUROPE』と英語題名が、

 『カフェの旅で出逢う、珈琲と人生の物語』

 と日本語副題が付されています。

 

「たびィだァ~♪♫」

「ぐる~!」(←訳:旅行~!)

 

 かつて、これほどまでに全人類が

 《旅》を制限され、規制された時代があったでしょうか。

 中世だって、世界大戦中だって、

 多くの人々は何のかんのと理由をつけ、

 あっちこっちに移動していたものです。

 

 なので、

 遠くへお出掛けしたいよう~!と熱望する皆さま、

 カフェの旅に出発してみましょう。

 

「れきしィとォでんとうゥのォ、おみせッ!」

「がるるぐるぅ!」(←訳:気楽なお店も!)

 

 ヨーロッパでカフェ、といえば、

 先ずイメージされるのは、

 パリのカフェ♪

 

 なのですが、

 外資系旅行会社にお勤めしているという

 著者のAya Kashiwabaraさんは、

 ベルリン在住のエッセイストさんです。

 そのためか、ドイツや東欧の情報に詳しく、

 御本の本文で紹介されているのは、

 

 『ベルリン』

 『ライプツィヒ』

 『ローマ』

 『ヴェネツィア』

 『クラクフ』

 『ウィーン』

 『パリ』

 『プラハ』

 『ロンドン』

 

 と、ちょっと意外とも言える”顔触れ”です。

 

「ぷらはッ?」

「ぐるるる!」(←訳:クラクフ!)

「らいぷつィひッ?」

 

 ローマ帝国時代から商業都市として栄えた

 ライプツィヒ。

 このライプツィヒこそが、

 ドイツのカフェ文化が最初に花開いた街だと、

 Ayaさんは指摘します。

 

 ベルリンの壁が崩壊したのも、

 ライプツィヒで大規模な市民デモが

 起こったことに起因する、と。 

 

 では、なぜドイツの街にカフェが浸透したかというと……

 冬のせい!

 

「ふァ??」

「がっる?」(←訳:冬って?)

 

 ドイツの冬は、それはそれは寒くて。

 ベルリンでは、マイナス20℃にもなっちゃう!

 朝は真っ暗闇で、

 冬季の日照時間は平均3時間。

 天候によっては、一日中どんより薄暗闇……なんてことも。

 

「こここッ、こごえるゥ~!」

「ぐるる~!」(←訳:寒過ぎ~!)

 

 寒さが厳しい時期の行動範囲は

 自ずと限定されてゆきます。

 自宅、職場、そしてカフェ。

 かくして、ドイツのカフェは

 暮らしに欠かせないものとなっていったのでした。

 

「あたたかなァ~しつないィ!」

「がるるぐーるー!」(←訳:温かなコーヒー!)

 

 ショパンさんの国・ポーランドのカフェ。

 チェコの古都・プラハのカフェ。

 ヨーロッパ最古のカフェは、イタリアのヴェネツィアに。

 コーヒーから紅茶の国へと変化した

 英国・ロンドンのカフェ。

 

 Aya Kashiwabaraさんの文章と、

 美しいカフェの写真は、

 旅好きな活字マニアさんに、

 歴史好きな方々にもおすすめです。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♫

 

 

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