こんにちは、ネーさです。
体調不良につき、本日の読書タイムは、
お休みいたします。
今年も熱中症になってしまいました。
どうか皆さまは御自愛くださいね。
(ああ、涼しいところへ行きたい…涙)
こんにちは、ネーさです。
体調不良につき、本日の読書タイムは、
お休みいたします。
今年も熱中症になってしまいました。
どうか皆さまは御自愛くださいね。
(ああ、涼しいところへ行きたい…涙)
「こんにちわッ、テディちゃでス!
かうんとォだうんッほんのうじィ~!」
「がるる!ぐるが~る!」(←訳:虎です!信長さ~ん!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『どうする家康』第26回では
本能寺の変カウントダウンが始まってしまいました……
どうにか悲劇を避けるすべはないものかと模索しつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪
―― 永遠の映画大国 イタリア名画120年史 ――
著者は古賀太(こが・ふとし)さん、2023年2月に発行されました。
日本で公開される作品は多くはないながらも、
確固たる人気を誇る《イタリア映画》――
この御本では、19世紀から現代まで続く120年の歴史を辿り、
約800作品をガイドしてゆきます。
「ひゃくゥにじゅうゥねんッ?」
「ぐるがるぐる~!」(←訳:長い歴史だね~!)
序章+8つの章で構成される本文は、
サイレント時代から、
ファシズム政権下で映画産業が整備されたこと、
ネオレアリズモの登場と変容、
若手監督たちの登場と”鉛の時代”、
そして、《イタリア映画》の黄昏と
21世紀の《イタリア映画》が語られています。
正直に言ってしまいますと、
古い時代の《イタリア映画》は、
探し出すのも、観るのも、
難しいものですよね……。
私たちが比較的容易に観賞できる《イタリア映画》は、
やはり、
フェリーニさんの『道』(1954年)
あたりから、でしょうか。
「めいさくゥ、たくさんッありまスゥ!」
「がぅるるぐるる!」(←訳:ファンも多いし!)
『道』、『甘い生活』(1960年)、『8 1/2』(1963年)
といった作品を送り出すフェリーニさんがいて、
もうひとり、世界的な人気を獲得していたのは。
ルキノ・ヴィスコンティさん。
『夏の嵐』(1954年)、『山猫』(1963年)他、
現代では豪華なセットも衣装も再現不可能とされる作品は、
ヴィスコンティさんの独壇場でした。
「まだまだァ、ありまスよゥ!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:素晴らしい作品が!)
ヴィットリオ・デ・シーカさん、
ピエル・パオロ・パゾリーニさん、
パオロさんとヴィットリオさんのタヴィアーニ兄弟、
ナンニ・モレッティさん、
それから……
ジュゼッペ・トルナトーレさん。
「わほほゥ!」
「がるぐる!!」(←訳:トトくん!!)
『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988年)は、
音楽の美しさも相まって、
今も大人気の作品ですよね。
「とびきりのォ、めいさくゥ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:大好きだよ~!)
黄昏、と形容されたりしつつも、
いやいや、《イタリア映画》は今後も長~く生き残って、
これからも名作を生み出してくれそうです。
欧州の映画が好きで、
イタリア語の響きやイタリアらしい美男美女が好きさ!
という映画好きさんや、
映画ならジャンル年代関係なしに観まくってます!
という映画マニアさんにもおすすめの一冊ですよ。
ぜひ、探してみてくださいね~♪
「こんにちわッ、テディちゃでス!
うむッ! あついィ~ときィにはァ~」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!これだ!)
こんにちは、ネーさです。
暑い夏に《涼》を求めるなら、
そう、怖~い話で震え上がりましょう!
という次第で、本日の読書タイムは、
こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― アンソロジー 死神 ――
編者は東雅夫(ひがし・まさお)さん、
2023年3月に発行されました。
“信頼のアンソロジスト“東さんが収集したのは、
《死神》をテーマにした小説、童話、漫画、落語など、
古今東西の名品11作品です。
表紙を捲れば、
織田作之助さんの未完作品『死神』、
三遊亭円朝さん/三遊亭金馬(二代目)さんの『死神』、
円朝さんの『死神』の原典のひとつとされる
グリム童話の『死神の名付け親』
といった歴史的傑作が並んでおりますが、
存在感の点で他を圧倒しているのは――
「これでスねッ!」
「ぐるがる!」(←訳:これだよ!)
水木しげる さん作
『死神のささやき』。
『コケカキイキイ外伝《4》』と副題が付されたこの作品には、
鬼太郎くんも目玉のお父さんも出てこないのですけれど、
代わりに……
作家・三島由紀夫さんが準主役に??
「ふァ?」
「がるぐるる??」(←訳:三島さんが??)
16ページほどの短い作品ではありますが、
『死神のささやき』に描かれているのは、
三島さんの“事件”を
同時代で体験した人にしか描き得ない複雑な感情です。
紙に書かれた文章で知り、
フィルムに残された映像で眺めるのみ、な私たちと違って、
“市ヶ谷の事件”をリアルタイムで経験した水木さんは、
そこにどんな“感情“を見て取ったのか……
怖くもあり、虚しさもあり、
読後もいろいろと考えさせられる作品ですね。
「いろいろなァおもいィとォ~」
「ぐるるるがるぐるるる!」(←訳:いろんな姿の死神さん!)
落語『死神』の由来を知りたい方々は、
巻末の、編者・東さんによる解説を
読み逃さないでくださいね。
ひんやり気分を味わいたい方々も、
ぜひ、手に取ってみてくださいな~♪
「こんにちわッ、テディちゃでス!
わおッ! さかやきィ~!」
「がるる!ぐるがるぐるる!」(←訳:虎です!総髪から月代へ!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『どうする家康』は後半戦に突入して、
明日以降は月代アタマのお武家さんがゾロゾロ……?
ちょっぴり不安をおぼえつつ、
さあ、本日は読書……をサボって、
こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪
―― ピーター・シスの闇と夢 ――
東京・八王子市の八王子市夢美術館にて、
会期は2023年6月30日~8月31日
(月曜休館、ただし7/17は開館して翌7/18が休館)、
『Peter Sis : Labyrints and Dreams]』と英語題名が付されています。
「きれいなァ~あおッ!」
「ぐるる……!」(←訳:蝶々だ……!)
ピーター・シスさん(1948年~)は、
チェコスロヴァキア(現チェコ共和国)出身の、
現在は米アメリカ合衆国で制作活動を行っているアーティストさんです。
イラストレーション、アニメーションなど、
広範囲に活躍するシスさんですが、
日本では絵本作家さんとして知られていますよ。
チェコ・アニメを代表する存在であったシスさんは、
ロサンゼルス・オリンピックのアニメ制作のため渡米したものの、
東欧諸国がボイコットする事態になり、
帰国を要請されるも拒否して、
米国に単身亡命、という
劇的な人生を歩んできたアーティストさんです。
この展覧会では、
『飛行士と星の王子さま サン=テグジュペリの生涯』
『星の使者 ガリレオ・ガリレイ』他、
シスさんの作品が展示されますよ。
「あおォ、でスねェ~…!」
「がるぐるるるがる!」(←訳:青の画家さんかも!)
目の覚めるような蒼、
くすんだ青、
深い藍、
淡い水色、と
青が印象に残るシスさんの原画展へ、
皆さま、ぜひ、お出掛けしてみてくださいね。
(なお、会場ではギャラリートークが予定されています。
詳細については、美術館HPをご覧下さいね)
では、ここでオマケ画像も!
『ロッテ』さんの
《キシリトール オーラテクトガム クリアミント》は、
“歯垢の生成を抑え、歯ぐきを健康に保つ”機能を加えた
いま評判のガム……
ううむ、これは放っておけません!
「もぐもぐもぐゥ!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:噛む噛む噛む!)
出来ることなら、
“噛むうちに歯が真っ白になる“効果もあれば、
もっと嬉しいんですが。
アイスクリームや冷たい飲み物を
つい多めに摂ってしまうシーズンです。
皆さま、歯の健康にも留意して、
どうか穏やかな休日を♪
「こんにちわッ、テディちゃでス!
ささのはァ~しゃららァ~んッ!」
「がるる!ぐるるがるる~?」(←訳:虎です!熱風に揺れる~?)
こんにちは、ネーさです。
全国的に、暑い暑~い七夕となりました……
織姫さんと彦星さんはちゃんとランデヴーできただろうか、
と夜空を見上げつつ、さあ、読書タイムですよ。
本日は、7月7日にぴったりなこちらの御本を、どうぞ~♪
―― 空をこえて七星のかなた ――
著者は加納朋子(かのう・ともこ)さん、
2022年5月に発行されました。
『七星』は『ななせ』とお読みくださいな。
「おほしさまァでス!」
「ぐるがる!」(←訳:宇宙です!)
収録されているのは、
『南の十字に会いに行く』
『星は、すばる』
『箱庭に降る星は』
『木星荘のヴィーナス』
『孤舟よ星の海を征け』
『星の子』
『リフトオフ』
という《宇宙》をテーマとする連作短編7作品ですが、
先日『星は、すばる』についてお喋りしましたので、今回は
『箱庭に降る星は』
を、ぐいぐい推してゆきましょう。
「むむッ? ここはァ~…がッこうゥ??」
「がるるぐるがる~?」(←訳:高校の廊下だね~?)
文芸部の部長・日野(ひの)くんは
とあるドアの前で身をすくませています。
……とうとう、きた。生徒会からの呼び出しが。
何を言われるかはわかっています。
日野くんが率いる文芸部の部員は、
実質、彼ひとり。
新しく部員が入部する予定もないし、
となれば……廃部にされてしまうのも必然なのかも……。
「まけないでッ、ひのくんッ!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:食らいつくんだ!)
ところが。
頭脳明晰、成績優秀、スポーツ万能と評判の
生徒会副会長との話し合いは、
奇妙な方向に進んでゆきました。
文芸部は、なくなる。
ただし。
廃部ではなく、形を変えて存続?
「ふァ?」
「がるっ?」
いやそれ高校生の青春ドラマじゃん?
《宇宙》なんて出てこないじゃん?
と慌ててツッコミするなかれ。
文芸部から生まれ変わった
スペースミステリー部ことスぺミス部の活動は、
日野くんもアッと驚く急展開をもたらします。
物語のオチも……なるほど、これは紛れもなく
《宇宙》ですね!
「そッ、そうかァ~!」
「ぐるがるるぅ!」(←訳:そう来たかぁ!)
重力をふり切って、星の世界へ。
SFも、ミステリも、青春ものも、
ちょっぴり笑いとスリルとサスペンスも、
軽快かつ壮麗にシェイクした連作集は、
全活字マニアさんにおすすめですよ。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪
「こんにちわッ、テディちゃでス!
がいしゅつゥはァ、ちゅういィ~でスよゥ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!熱中症に警戒を!)
こんにちは、ネーさです。
日中の戸外は、まさに“危険な暑さ“でしたね。
陽も暮れて涼しいお部屋でリラックスしたら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― Xだらけの社説 ――
著者はエドガー・アラン・ポーさん、2023年3月に発行されました。
『X-ing a Paragrab』と英語題名が、
『ポー傑作選3 ブラックユーモア編』と日本語副題が付されています。
エドガー・アラン・ポーさん(1809~1849)といえば、
“ミステリの父”とされる作家さんであり、
詩作にも秀で、
母国アメリカよりも欧州で高く評価され、
私生活は不幸続きで……といった事柄が話題になりがちですが。
こういう作品も、話題にしてほしい~!
「にやりィ!とわらッちゃうゥ~」
「ぐるるるるがーるる!」(←訳:ヒネくれたユーモア!)
この御本に収録されているのは、
風刺小説、謎かけ詩、創作論など、
ブラックな笑いが顕著な作品23篇です。
河合祥一朗さんによる新訳は、
見事に韻を踏んでいたり、独特のリズムがあったり、
とっても楽しくて……また同時に、
怖い……!
「むむゥ、これはァ、たぶんッ?」
「がるっるぐるー……!」(←訳:ゴシックホラー……!)
その“怖さ”ゆえ、
私ネーさがおすすめしたいのは、
『メッツェンガーシュタイン』。
1832年1月発行の『サタデー・クーリエ』誌に掲載されたもので、
初めて活字になったポーさんの小説だったといいますから、
記念碑的作品と位置付けられましょうか。
ハンガリーを舞台に繰り広げられるのは、
ふたつの名家――
メッツェンガーシュタイン家と
バーリフィッツィング家の
数代にわたる争いです。
「きなくさいィ!」
「がるるぐる!」(←訳:妬みや悪口!)
メッツェンガーシュタイン男爵フレドリックさんは
まだ成年に達していない18歳、
ハンガリー貴族随一の財産家で、
一方のバーリフィッツィング伯爵ウィリアムさんは
身体が弱ったご老人。
ああ……勝敗は明らか、ですね。
目に余る裏切り、
前代未聞の残虐な行為を重ね、
若きメッツェンガーシュタイン男爵は
老いたバーリフィッツィング伯爵をじわじわと追い詰め、
ついに勝利!
……したはず、でしたが……。
「つまりィ、いわゆるゥ~」
「ぐーるるる!」(←訳:ブーメラン!)
悪事は必ず返ってくる。
報いは、必ず、ある。
メッツェンガーシュタイン男爵の物語とともに、
もうひとつ、激おすすめしたいのは
巻末に収録されている
訳者・河合さんによる評論『ポーの文学闘争』です。
ええっ?ポーさんてそういう人だったの?
と驚かされる快作を、
皆さま、ぜひ、読み逃さないでくださいね~♪
「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふうたァくゥ~んッ!」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!祝誕生日!)
こんにちは、ネーさです。
おお、レッサーパンダの風太くんが20歳に!
おめでとう&これからも元気で長生きしてね~!
とエールを送りながら、さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪
―― モモの医術史 2 ――
ネーム原作は猶本三羽(なおもと・さんば)さん、
作画は浅葉のん(あさば・のん)さん、
2023年7月に発行されました。
『MOMO’S MEDEICAL HISTORY』と英語題名が付されています。
天才少年医師・モモくんを主人公とする
《モモの医術史》シリーズ第2作ですよ。
「たいぼうゥのォ~」
「ぐるる!」(←訳:2作目!)
いま死の淵に立って、
黄泉の国へ降りゆこうとしている
ひとつの生命――
“彼“を、恩人というべきか、
導師(メンター)的存在というべきか。
“彼“を救いたい、死なせたくない、
と切望している天才少年医師モモくんは、
死者蘇生の秘術が書かれている医術書
『アピスの書』を探し求めて、
見知らぬ国々を旅している最中です。
「ずッとォ、さがしてるゥんだけどォ~…」
「がるる~…」(←訳:無いよね~…)
『アピスの書』はどこにあるのか。
この国か、あの都市か、それとも……砂漠の果てか。
この第2巻から、
旅するモモくんをさりげな~く補佐すべく?
物語に新たなキャラクターが登場、
いえ、乱入してきます。
李静(リー・ジン)さんは、
帝国王家専属科学者(アーク・デ・エンペラーレ)。
比類なき権勢を誇るラディアニア王家に属する……
マッドサイエンティスト??
「あわわッ? まッどォ??」
「ぐるるがる~」(←訳:お若いのに~)
少年医師と、若きマッドサイエンティスト。
『アピスの書』の手掛かりはないかと、
ヴェルデ王国のモリス家を訪ねた二人は、
幽霊騒ぎに巻き込まれます。
“緑の幽霊“によって、
モリス家の当主たちが次々と
落命してゆく……
これは、偶然なのか、それとも何らかのトリックが?
「とりッくゥ、だよねッ?」
「がるるぅぐるる!」(←訳:でなきゃ怖いよ!)
幽霊の正体は。
医師・モモくんが下した冷静な診断結果とは。
モモくんの過去がちょっぴり明かされるエピソード他、
歴史好きさんにもミステリ好きさんにも
きっと楽しんでいただける《モモの医術史》最新刊は、
本屋さんのコミックコーナーで
探してみてくださいね~♪
「こんにちわッ、テディちゃでス!
はッけんしましたでスよゥ~!」
「がるる!ぐるるるがるるる!」(←訳:虎です!ひらひら飛んでる!)
こんにちは、ネーさです。
毎夏恒例、我が家の庭へやってくるのは
漆黒のオハグロトンボちゃん。
今年の初ひらひら飛翔をうっとり眺めながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は。こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― サエズリ図書館のワルツさん 1 ――
著者は紅玉いづき(こうぎょく・いづき)さん、
2023年5月に発行されました。
『WALTZ OF SAEZURI LIBRARY 1』と英語題名が付されています。
「おおッ、としょかんッ!」
「ぐるるるる!」(←訳:ボクらの砦!)
私たちがいつもお世話になっている公共機関であり、
頼りになる相棒のような存在でもある、図書館。
けれど、もしも……
本――すべての書物が、
途方もない価値を持つ貴重品になっている世界があるとしたら……?
「ううッ? きちょうひんッ??」
「がるるるるぐるるるがるる?」(←訳:触ることも出来ない貴重品?)
あんまり貴重なので、
本を手に入れるのはもちろん、
気軽に本を手にすることもなくなってしまった世界――
第一話『サエズリ図書館のカミオさん』に登場する
上緒(かみお)さんも、
本とは“縁遠い“暮らしをしています。
本がどんな形をしているのか、知ってはいます。
通っていた高校には本が所蔵されて……はいたものの、
ガラスケースの中で、大切に、
厳重に管理されておりました。
生徒が触れるなど、もってのほか。
まあ、それで支障はありませんでしたから、
上緒さんも深くは考えなかったのです。
本を持っていなくとも、
読みたければ、電子書籍で読めばいい。
紙の書物にこだわる必要はないよね、と。
「でもォ、ここにはッ……!」
「ぐるがっるる……!」(←訳:本がいっぱい……!)
サエズリ図書館は、
郊外の、私鉄の駅から少し離れたところに建っています。
その駐車場に車を停めようとした上緒さんは、
ああ、失敗です、ハンドルの切り方が甘かった……
横に駐車していた車両に傷を付けてしまったんです。
しょんぼりしつつも、
当て逃げはいけないと自分に言い聞かせ、
車両のオーナーさんを探しますが。
オーナーさんは、サエズリ図書館の中?
「それならァ~」
「がっるるるるる!」(←訳:入ってみないと!)
ついさっきまで縁遠かった書物の宇宙に、
上緒さんは踏み入ってゆきます。
サエズリ図書館館長にして、
特別保護司書官である
ワルツさんに案内されて……本の世界へ。
上緒さんは、
本と”幸福な出会い“をできるのか。
本を、読んでくれるのか、
好きになってくれるのか。
そして、ワルツさんという不思議な人物は。
本好きな方々のこころをゆさぶる
書物にまつわる物語は、
全活字マニアさんにおすすめですよ。
図書館っていいなぁ~
毎日通ってもいいよね~
いや、いっそ図書館に住みたいよぅ~
などと夢想しながら、皆さま、ぜひ♪
「こんにちわッ、テディちゃでス!
きょうはァ~まんげつゥ!」
「がるる!ぐるるるがるぐる!」(←訳:虎です!鹿さんの満月だよ!)
こんにちは、ネーさです。
7月3日の満月は、英語圏では《Buck Moon(バックムーン)》、
若い鹿の満月、を意味するそうですが、
これが南半球へゆくと《Wolf Moon(ウルフムーン)=狼の月》に。
夜空って動物園か!とツッコミながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― ぼくは古典を読み続ける ――
著者は出口治明(でぐち・はるあき)さん、
2023年2月に発行されました。
『珠玉の5冊を堪能する』と副題が付されています。
著者・出口さんが2018~2019年にかけて
光文社で行った講義をベースとするこの御本では、
《古典》とされる5作品を題材に、
作品自体の魅力と、
《古典》が持つ魅力を論じてゆきますよ。
「ゆうめいなァ~さくひんッ」
「ぐるるるるーがる!」(←訳:ロングセラーです!)
ダーウィンさん著『種の起源』。
プラトンさん著『ソクラテスの弁明』。
ジュール・ヴェルヌさん著『地底旅行』。
ジョン・ロックさん著『市民政府論』。
唯円さん著、親鸞さん述『歎異抄(たんにしょう)』。
と、微妙にハードルが高い……かもしれない5冊の中で、
私たちがいちばん親近感を覚えるのは、
そうね、やっぱりヴェルヌさんの作品でしょうか。
「ちていでェ、だいぼうけんッ!」
「がるるるるぐるるる!」(←訳:単純にしてパワフル!)
『地底旅行』が刊行されたのは、1864年のことでした。
地のはるか底を旅する――
書き方によっては、法螺話かデタラメか、
となってしまう作品を、
ヴェルヌさんはアイディアあふれるストーリーで
読者を地底世界へ引き込み、
これからどうなる?と、手に汗を握らせて、ハラハラドキドキ。
この”面白さ”こそが《古典》のキモであると、
著者・出口さんは指摘します。
現在も世界中で読まれている『地底旅行』。
その理由は、面白いから。
そして、
《古典》がなぜ面白いかというと、
そもそも面白いものしか残っていないから。
「うふふゥ!」
「ぐるる!」(←訳:名言だ!)
また、上記の5作品以外の、
出口さんおすすめの《古典》ブックリストや、
コラムなども収録されていて、
このコラム『読書の愉しみ』がまた傑作です。
本を読もうとして挫折したことは、
子どもの頃からいっぱいあります。
人間には好みがありますから、
100冊のうち、2、3冊読めれば十分です。
自分に合うものを読めばいいのです。
だなんて!(本文133ページから引用いたしました)
「おおおッ! ふとッぱらッ!」
「がるるぐるるる……!」(←訳:それでいいんだ……!)
本を読む――
何千何万何億もの書物の中から、
とある作品と出会って、
一心に読みふける。
その幸福と幸運があらためて身に沁みる一冊です。
《古典》マニアさんも、
新作好きな方々も、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
「こんにちわッ、テディちゃでス!
かいまくゥ~しましたでスゥ!」
「がるる!ぐるるがーる!」(←訳:虎です!今年もツール!)
こんにちは、ネーさです。
《2023 ツール・ド・フランス》が開幕!
今夏はスペインのビルバオから始まり、数多の山岳ステージを経て
ゴール地パリを目指しますよ。
毎日の結果を楽しみにしつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― ハリウッドのルル ――
著者はルイズ・ブルックスさん、
原著は1982年に、日本語版は2023年3月に発行されました。
英語原題は『Lulu in Hollywood』、
映画俳優ルイズ・ブルックスさんの“自伝的エッセイ”作品です。
ルイズ・ブルックスさん(1906~1985)の名を知らなくても、
御本の表紙写真を見れば、お分かりでしょうか。
「ぼぶゥすたいるゥ!」
「ぐるる!」(←訳:黒い髪!)
ええ、ボブスタイルの短い黒髪、
ダンスで鍛えたすらりとした手足と、
強烈な目ヂカラ――
傑作『パンドラの箱』のルル役によって、
現在でもルイズさんの功績は語り継がれています。
そしてルイズさん、
ハリウッドの黄金時代を飾った
押しも押されぬスターでありながら、
日本語でいう『おきゃん』な女優さんだったようで。
「はにィきぬゥきせぬッ!」
「がるぐる!」(←訳:遠慮なし!)
誰かに媚びるため、にっこり笑う。
はっ、まさか!そんなの冗談じゃない!
というのが、ルイズさんの信条で、
映画デビューした直後のルイズさんを取材した記者さんは
↓こう描写しています。
《洗練された冷徹ぶり》
「ぷふふッ!」
「ぐるる!」
この御本でルイズさんが発揮するのは、
まさにその《洗練された冷徹》と、
冷徹さの奥に隠した優しい心、という
二つの眼差しです。
ニューヨークでダンサーとし
エンターテインメントの世界に乗り出し、
大手の映画会社と契約して、
映画の都――ハリウッドへ。
ルイズさんは、デビュー前の少女時代や、
俳優になって以降の出来事を、
時系列に従うことなく、
テーマごとに書き進めてゆきます。
実家のあるカンザスからニューヨークへ。
スター女優マリオン・デイヴィスさんの姪の思い出。
“ボギー“になる前の、ハンフリー・ボガードさん。
そうして、『パンドラの箱』に出演したこと……。
「ねッけゥでス!」
「がるぐるるるがる!」(←訳:筆もこころも熱い!)
冷徹な表情の陰に脈打つ、
ルイズさんのクリエイティビティ。
映画好きな活字マニアさんに、
『パンドラの箱』ファンの方々にも激おすすめの、
というよりも、まさに
“読むべき一冊“です。
本屋さんで、図書館で、ぜひ、探してみてくださいね~♪