テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 遠く、近く、光は瞬く ~

2023-12-22 22:08:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 かぼちゃはァ~やぱりィ~」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!プリンに限る!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今年の冬至のカボチャ料理は、煮物や天ぷら……ではなく、

 プリンにしてみましたよww

 美味しくいただいたところで、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― くもをさがす ――

 

 

 著者は西加奈子(にし・かなこ)さん、2023年4月に発行されました。

 ’23年前半期の読書界で大きな話題となったこの御本は、

 いわゆる“闘病記“の枠には収まらない

 ノンフィクション作品と申しましょうか。

 

「くもォ、というとォ~…」

「ぐるるがる……?」(←訳:もしやあの……?)

 

 日本からカナダへ移住した著者・西さん。

 或る日、身体の不調に気付きます。

 

 左足の膝と、右足のふくらはぎに、

 赤い斑点と、猛烈な痒み……?

 虫か蜘蛛にでも刺されたのだろうか、と首を傾げつつ、

 クリニックに連絡を入れたのでした。

 

「ややこしィ~のでスゥ!」

「がーるるぐるるぅ!」(←訳:ハードル高いよぅ!)

 

 風邪か?と思えば、近所の内科医さんへ。

 ひどい耳鳴りがするのなら、耳鼻咽喉科へ。

 切り傷や打ち身は外科か整形外科へ。

 花粉症でお肌が荒れてしまったら皮膚科へ。

 

 という具合に、

 専門分野のお医者さんにすぐ診てもらえるのが、

 日本の医療システムです。

 

 けれど、欧米諸国では、

 まずはファミリードクターなどと呼ばれる

 総合医さんに連絡を取って、症状を診てもらって、

 それから専門医さんに紹介状を書いてもらって、

 予約を取って……という方法が一般的なので、

 緊急性の高い疾病である場合、

 遅々として進まない手続きに

 患者さんはどれほど心労を深めることか――

 

 西さんもこのシステムの壁に阻まれ、

 さらには言葉の壁にも邪魔されて、

 なかなか前に進めません。

 

 赤い斑点……それに、胸のしこり。

 私は、病気なのか。

 病気なのだとしたら、精密検査は? 治療方法は?

 どうしたらいい?

 

「ふァいッ! そんなときはァ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:大声でヘルプ!)

 

 幾つもの壁をようやく乗り越え、

 検査を経て、告げられた病名は、乳がん。

 まさか私が、と呆然とする西さんですが、

 いえ、呆然としたままではいられません、

 治療にかからなくては!

 

 西さんが治療を始めるのと同時に、

 カナダの医療システムは“本気“モードで動き出します。

 そして、

 よりいっそう“本気“になったのは、

 西さんのご家族&友人知人さんたち!

 

「ううゥ、ありがたいィ~のでスゥ!」

「がるるる!」(←訳:嬉しいね!)

 

 どんなに医学が進んでも、

 最先端医療が普及しても、

 重い病に罹れば、こころは揺れます。不安です。

 

 それでも、誰かがいてくれれば、

 やがて見えてくるのは、

 日常生活をも浸蝕してゆく真っ黒な不安を、

 えいやっ!と蹴飛ばすコツ。

 とりゃっ!とハネのける方法。

 新しい自分を受け入れる、涼やかな境地。

 

「もうゥ、くもはァ~…」

「ぐるるるっる?」(←訳:いなくなった?)

 

 カナダで、日本で、

 コロナ禍と、病と対峙しながら、

 未来を探る。

 

 一見飄々としていながらも、

 西さんの真情がずしりと凝縮された

 渾身のノンフィクション作品です。

 全活字マニアの皆さま、ぜひ!

 

 

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~ 見る&探る、《かたち》の理由 ~

2023-12-21 22:08:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 とまとッ! しんぶんしィ~!」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!たいやき焼いた!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日12月21日は《回文の日》ですよ。

 回文――どちらから読んでも同じ、って英語でもあるそうで、

 例えば……『Was it a car or a cat I saw?』。

 シュールな笑いにニヤリとさせられながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 物のかたち図鑑 ――

 

 

 監修は 形の科学会 の皆さん、2023年11月に発行されました。

 『大人もしらない かたちのひみつ』と副題が付されています。

 

   《物のかたち》には理由がある。

 

 科学的な理由から、

 文化や歴史から、

 習慣から、かっこいいから、と

 《かたち》が持つそれぞれの理由を、

 この『かたち図鑑』は解き明かしてゆきますよ。

 

「たおるのォ、ふかふかッ!」

「ぐるーるるがるるる!」(←訳:段ボールの波型構造!)

「あんてなのォ~とげとげッ!」

「がっるるぐるがるる!」(←訳:ヨットの帆の三角形!)

 

 ええ、タオルの手触りがフカフカなのも、

 ヨットのセールが三角形をしているのも、

 きちんと理由があってのこと。

 

 この御本に収録されている《かたち》の理由を

 ぜ~んぶお喋りしたいところですが、

 ネタバレ厳禁!ですので、ここでは1コだけ、

 私ネーさが、なるほど!と感服したエピソードをご紹介いたしましょう。

 

「それはァ~すうがくゥ!」

「ぐるがるるぐる!」(←訳:いや物理学かも!)

 

 サッカーのボールは、なぜ、あの形なのか――

 

  五角形と六角形が組み合わさっている、

  サッカーのボール。

 

  実は、元々のサッカーのボールは、

  細長い革を組み合わせた

  茶色のボール、でした。

 

  しかし、茶色のボールは、

  初期のテレビ受像機の画面では見えにくくて、

  ボールの所在が分かりません。

  視聴者さんのストレスは溜まる一方です。

 

 そこで、スポーツメーカーさんが製作したのは。

 

「しろくろッ!」

「がるるぐーる!」(←訳:2色のボール!)

 

 五角形12枚と、六角形20枚。

 

 “球体にいちばん近い立体“

 とされるこの組み合わせは

 『切頂二十面体(せっちょうにじゅうめんたい)』

 と呼ばれています。

 

 そして、この多面体の考案者は、なんと、

 アルキメデスさん(紀元前287年~紀元前212年)!

 

 古代ギリシアの数学者、物理学者にして、

 技術者、発明家、天文学者でもあったアルキメデスさんが考えた

 《アルキメデスの立体(全13種)》のひとつが、

 『切頂二十面体』なんです。

 

 いやーまさか、アルキメデスさんもね、

 2200年後に大人も子どもも

 『切頂二十面体』を蹴り合う世界が来るとは

 予想しなかったでしょうねえ。

 

「いだいなるゥ~かがくしゃさんッ!」

「ぐっるがるるぐるがるるっる!」(←訳:もっと長生きしてほしかった!)

 

 で、結論は。

 

 サッカーのボールが五角形と六角形の組み合わせなのは、

 いちばん丸くて丈夫な形で、

 TV映りが良かったから。

 

「でスねッ!」

「がる~!」(←訳:納得~!)

 

 というように、

 《物のかたち》に関するQ&Aがたっぷり詰まった図鑑本は、

 児童書ではあるんですけど、

 大人が読んでも楽しい一冊ですよ。

 雑学好きな活字マニアさんにもおすすめですので、

 ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪

 

 

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~ 仕掛けて、魅せます! ~

2023-12-20 22:08:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぶるるゥ! みみがァ~こおッちゃうゥ!」

「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!鼻も凍るよ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 シモヤケの恐怖をひしひしと感じつつ、

 たっぷりのハンドクリームでマッサージを終えたら、さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 世界でいちばん透きとおった物語 ――

 

 

 著者は杉井光(すぎい・ひかる)さん、

 2023年5月に発行されました。

 『The clearest story in the world』と英語題名が付されています。

 

 2023年の各ミステリ ランキングで上位に食い込み、

 年末のいま、本屋さんの特設コーナーで脚光を浴びている

 文庫作品のテーマは……

 探しもの?

 

「どなたかァ、みかけませんでしたかァ~?」

「ぐるるるがるるる~!」(←訳:原稿用紙600枚~!)

 

 語り手の“僕”こと

 藤坂燈真(ふじさか・とうま)さんは、

 先年、お母さんを交通事故で亡くしたばかり。

 

 まだ気持ちを沈ませている彼のもとに、

 或る日もたらされたのは、

 父親が亡くなったという報せでした。

 

 そうと聞かされても、

 燈真くんに実感はありません。

 

 父とは一度も会ったことがない。

 有名なミステリ作家だったそうだけど、

 作品を読んだこともない。

 遠い存在、としか言いようがない。

 

「ふァ? あッたことォ、ないィのでスかァ~?」

「がるるぐるる~…!」(←訳:それは寂しい~…!)

 

 表面はともかく、

 燈真くんのこころの内側では

 複雑な思いが渦巻きます。

 

 そして、その渦をさらに掻き回し、

 波立てるような出来事が起こりました。

 

 父の息子だという人物が、

 燈真さんに問うのです。

 

 遺作は、どこだ?

 原稿用紙にして600枚ほど、

 父が書いていた最後の作品『世界でいちばん透きとおった物語』は、

 いったいどこにある?

 あんたが預かっていたんじゃないのか?

 

「はァ??」

「ぐるる???」(←訳:はああ???)

 

 係わりたくない

 と強く思い、同時にまた、

 知っておきたい、

 とも思う燈真さん。

 

 戸惑いながら、父親の過去を探ってゆく事態に。

 

「どこにィ~あるゥのかなァ?」

「がるぐっるるる?」(←訳:誰が持ってるの?)

 

 その答えは……って、ええ、この先はもう土足禁止、

 ネタバレ厳禁ですから、

 お喋りすることは出来ませんが。

 

 著者・杉井さんの創意工夫、

 切れ味あるギミックは

 ミステリ好きさん必読!ですよ。

 

 はたして、原稿の所在は。

 燈真さんの想いの行方は。

 

 沸騰する数多の《?》をすっきりさせるためにも、

 ミステリ&エンタ作品好きな活字マニアさんは、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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~ 来年も、この手帳で ~

2023-12-19 22:08:20 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 そろそろォ~したくゥしなくちゃッ!」

「がるる!ぐるるがるぐるがる!」(←訳:虎です!まずはこの辺りから!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2024年まであと10日余りとなりました。

 そこで本日の読書タイムは、

 毎年恒例!なこちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― ほぼ日手帳 公式ガイドブック 2024 ――

 

 

 編著者は『ほぼ日』の皆さん、2023年8月に発行されました。

 毎年、『ほぼ日』こと『ほぼ日刊イトイ新聞』さんから発売される

 《ほぼ日手帳》――

 この御本では、手帳ユーザーさんの

 『わたし、こんな風に手帳を使ってます!』情報を

 大特集しています。

 

「なんとォ~じゅうねんめッ!」

「ぐーるるがっるる!」(←訳:ネーさもびっくり!)

 

 ええ、我ながら驚いています。

 私事になりますが、

 私ネーさも《ほぼ日手帳》ユーザーの一員なんです。

 しかも、来年で10年目……!

 こんなに長いお付き合いになるとは、全く予想していませんでした。

 

 で、来年2024年の《ほぼ日手帳》のラインナップは。

 

 スタンダードなオリジナルサイズから、

 大きめのカズン、

 5年手帳や、細長いweeks、ノート手帳、

 ハードカバーの書籍に似た形のHON、

 そして、

 手帳にプラスするカバー、

 下敷き、付箋、シールなど、

 グッズ類もとても豊富です。

 

「まァ~よォ~いィ~まスゥ~♫」

「がるるぐるるがる?」(←訳:どれにしようかな?)

 

 歌人の俵万智さんは、

 2010年から《ほぼ日手帳》を使っている

 ヘヴィユーザーのおひとり。

 

 本文30~33ページには、

 短歌の“種“になる言葉が浮かんだら

 すぐに手帳を開いて書き留めている、という

 俵さんの手帳のページの写真が

 ドカンと公開されちゃってますけど?

 

「ほほゥ! これはァ、まさしくゥ~」

「ぐるるがる!」(←訳:創作の秘密!)

 

 漫画家・中川いさみ(なかがわ・いさみ)さんが

 《ほぼ日手帳》に書き込むのは、いえ、描き込むのは、

 愛猫ケダマちゃんとテツオちゃんの線画。

 

 夜、仕事を終えてから寝る前の習慣にしているのが、

 《ほぼ日手帳》への描き込み、なのだそうです。

 誰かに見せるためのものではない、

 日常の風景や、

 肩の力を抜いて描かれたペン画のニャンコたちは、

 ユルくて可愛らしい~!

 

「もゥひとつゥ~ちゅうもくゥでスよゥ!」

「がるぐるるる!」(←訳:紙の製作!)

 

 手帳に使われている紙『トモエリバーS』は、

 どうやって作られ、出荷されてゆくのか。

 職人さんの凄腕っぷりが、

 112~117ページで紹介されています。

 一枚の紙に、かくも多様な工夫が……と思うと、

 感激が、じわり。

 

「たいせつにィ~しまスゥ!」

「ぐるるるるがるるる!」(←訳:三日坊主にしません!)

 

 来年の手帳?とっくに買っちゃったよ。

 という御方も、

 今週末に買いに行くんだ~!という御方も、

 僕、手帳は4月切り替えなんです!という御方にも、

 おすすめの一冊です。

 書店さん&全国のLoFt各店で見かけたら、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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~ 深く、静かに鐘を ~

2023-12-18 22:08:15 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 らいねんはァ、へいあんじだいィ~!」

「がるる!ぐるるるがるぐる!」(←訳:虎です!未知なる世界だね!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 『どうする家康』スタッフ&俳優の皆さま、お疲れ様でした!

 『光る君へ』チームの皆さまには歓迎の拍手を送りながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― コロナと潜水服 ――

 

 

 著者は奥田英朗(おくだ・ひでお)さん、

 単行本は2020年に、画像の文庫版は2023年12月に発行されました。

 今年2023年は、トンデモ精神科医・伊良部さん復活!と話題を呼んだ

 『コメンテーター』が大好評だった奥田さん、

 ↑こちらは文庫最新刊ですよ。

 

「ころなッ……!」

「ぐるるがる!」(←訳:出たな妖怪!)

 

 ここ数年、“新たな感染症“は

 私たちの生活を変えてしまいました。

 山ほどの悲しいこと、苦しいこと、無念、怒り、諦念……

 

 さまざまな思いが渦巻く状況の中、

 著者・奥田さんは、

 最も早く、新型ウィルスの存在と影響を

 エンターテインメントへと昇華させようと試みた作家さんです。

 単行本『コメンテーター』での表題作品、

 そしてこの『コロナと潜水服』の表題作品でも、

 ヒトと新型ウィルスのかかわりが

 ユーモアたっぷりに描かれています。

 

「くるしいィときもォ、わらいをッ!」

「がるるるるるぐるるるーるがるるる!」(←訳:笑い飛ばしてエネルギーに変えよう!)

 

 この御本には、

 『海の家』

 『ファイトクラブ』

 『占い師』

 『コロナと潜水服』

 『パンダに乗って』

 の短編5作品が収録されています。

 

 『コロナと潜水服』の面白さ&良さは、

 敢えてここでは説明せず……

 

 私ネーさが推したいのは、

 『ファイトクラブ』!

 

「ごんぐがァ、なりひびくゥ!」

「ぐるがるる~!」(←訳:立ち上がれ~!)

 

 『ファイトクラブ』だなんて、

 なんだか非常に威勢よく感じられる言葉ですけれど、

 物語の幕開けは悲惨かつ非情です。

 

 三宅邦彦(みやけ・くにひこ)さんは、

 早期退職の勧告に抵抗し続けた結果、

 本社のオフィスから

 工場警備の勤務に飛ばされました。

 

 警備とは名ばかりの閑職は、

 三宅さんに圧力をかけて、追い出すためのもの……

 ですが、屈する訳にはゆきません。

 

 二人の子どもはまだ学生で、

 家のローンも残っている。

 いま会社を辞めるなどあり得ない!

 ……とはいえ、耐えるばかりの日々も、ツライよなあ……。

 

「しょんぼりィ~…」

「がるるるる~…」(←訳:やるせない~…)

 

 そんな或る日。

 三宅さんと同様の境遇にある沢井(さわい)さんが

 何気なく言い出しました。

 

   ここの倉庫、

   運動具がたくさん放置してあるんだよね。

 

 調べてみると、壁際のコンテナには、

 筋トレマシン、バレーボールのネット、

 鉄アレイや縄跳び、

 そして、

 

 ボクシング用のグローブとサンドバッグが。

 

「ほんものォでスよゥ!」

「ぐるがるぐっるる!」(←訳:道具一式揃ってる!)

 

 三宅さんと仲間たちの運命のギアが切り替わったのは、

 その瞬間だったのでしょうか。

 

 ボクシンググローブを手にした彼らの前に

 拓けてゆく道とは――

 

「かおをォあげてッ!」

「がるぐるる!」(←訳:腰を据えて!)

 

 三宅さんたちの幸運を祈らずにいられなくなる

 『ファイトクラブ』をはじめ、

 豊かな読後感を残す5作品は、

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ 今宵も、カウンター席で ~

2023-12-17 22:08:20 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ひゃわわわッ! みやざきィさァ~んッ!」

「がるる!ぐるるるるがるぅ!」(←訳:虎です!ナウシカの画だぁ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 12月16日の夜は『プロフェッショナル』のジブリ回に見入って、

 『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士(前編)』にも……と忙しく過ごしました。

 23日放送の『デフ・ヴォイス(後編)』を心待ちにしつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― 居酒屋ワカル ――

 

 

 著者は深谷かほる(ふかたに・かほる)さん、

 2023年11月に発行されました。

 大人気作《夜廻り猫》シリーズのちょっと番外編というか、

 スピンオフ作品、ですね。

 

「しゅやくゥ、ちぇんじィ!」

「ぐるるがるぐるる!」(←訳:ワカルくんカモン!)

 

 本編《夜廻り猫》でメインキャストを務めるのは、

 渋~い灰色のニャンコ・遠藤平蔵(えんどう・へいぞう)さん。

 一方、こちらの《居酒屋ワカル》では、

 “かわいいこねこ“(本猫談)の

 ワカルくんが中心となって

 居酒屋さんでの物語が始まります。

 

 ただね、このワカルくんがですねえ、

 やや“天然ちゃん“気味というか、

 見切り発車で、食いしん坊で、

 でも頑張り屋さんで、

 玉子焼きはけっこう上手で。

 

「えへんッ! とりあえずゥ~のれんをォだしてッ」

「がるぐる~!」(←訳:開店だよ~!)

 

 どこかの繁華街の、

 どこかの通りで営業中の

 《居酒屋ワカル》。

 

 お店は広くはなくて、

 カウンター席が7席か8席ほど。

 それでも、なぜかついているんです、

 常連さんが……!

 

「ありがたやッ!」

「ぐるるるぅ~!」(←訳:嬉しいぞぉ~!)

 

 お店のメニューは、

 だし巻き玉子、枝豆、ポテサラ、あじのなめろう等、

 居酒屋さんらしい御品から、

 時にはフレンチトーストや牛丼大盛り(玉子つき)、

 ドライカレーにアクアパッツァなんてのも!

 

 ……まあ、実はコレには或るカラクリがあるんですけど、

 そこはワカルくんの名誉のために

 内緒にしておくことにして。

 

「たいせつゥなのはァ~」

「がるるる!」(←訳:お客さん!)

 

 お店の大将・ワカルくんと

 お客さんが語り合うのは、

 愚痴や、ちっちゃな自慢や、昔の話や、

 こどもの頃の思い出や、

 なんてことない世間話。

 

   あ~俺仕事でミスったわ~…

   都会の人って冷たいんだなぁ~… 

   いろいろあって、今は生活立て直し中……

 

 というような、

 自分をへこませる幾多の暗黒エピソードも、

 ワカル大将と居合わせたお客さんを相手に

 思い切ってお喋りしちゃったら、

 はい、気持ちはスッキリ!

 足取りもしゃっきり!

 

「すきッぷゥ~したくなるゥ!」

「ぐるるがるぐる!」(←訳:なんかいい気分!)

 

 ワカルくんの物語とお客さんの物語、

 そして猫たちの物語も加味された

 笑いと涙と煙が目に沁みる《居酒屋ワカル》の夜は、

 今日もゆっくり更けてゆく――

 

 コミック好きな活字マニアさんに、

 お料理好きな方々にもおすすめですよ。

 本屋さんのコミック新刊コーナー、

 もしくはコミックエッセイ本のコーナーで、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

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~ 新春アートは、トーハクの光悦さん! ~

2023-12-16 22:08:15 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 いえやすさんともォ~とうとうゥおわかれッ?」

「がるる!ぐるるがるるぐるる!」(←訳:虎です!明日の放送が最終回!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 1年間視聴してきた大河ドラマ『どうする家康』、

 明日がラスト回なんですね。

 どのようなエンディングなのか、楽しみにしながら、

 さあ、本日は読書……をサボって、こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 本阿弥光悦の大宇宙 ――

 

 

 東京・上野の東京国立博物館 平成館にて、

 会期は2024年1月16日~3月10日

 (月曜休館、ただし2/12は開館して翌2/13は休館)、

 『The Artistic Cosmos of Hon'ami Koetsu』

 と英語題名が付されています。

 

「わおおおォ! こうえつゥさんッ!」

「ぐーるるるがるるる!」(←訳:トーハクで光悦さん!)

  

 はい! 来ましたわ、時代が!

 東京国立博物館でドーンと

 光悦さんがスポットライトを浴びる日が!

 私ネーさ、嬉しゅうございます(涙)。

  

 本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ)さん(1558~1637)は、

 室町末期から江戸初期にかけての、

 《知の巨人》。

 

 本阿弥家の家業である刀剣の鑑定や研ぎはもちろん、

 『寛永の三筆』と讃えられる巧みな書のスキル、

 俵屋宗達さんとのコラボで数々のアート作品を世に問い、

 陶芸・漆芸にも秀でていて……と、

 レオナルド・ダ・ヴィンチさんに比すべき

 偉大な天才さんです。

 

「さいこうのォ~まえすとろォ!」

「がるるぐるる!」(←訳:今なお影響力大!)

  

 この展覧会では、

 国宝『舟橋蒔絵硯箱』(江戸時代・17世紀)、

 重要文化財『黒楽茶碗 銘 時雨(しぐれ)』(江戸時代・17世紀)、

 宗達さんと共同制作した重要文化財

 『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』(江戸時代・17世紀)など

 光悦さんの作品と、

 『紫紙金字法華経幷開結』(重要文化財・平安時代)、

 『短刀 銘 兼氏』(重要文化財・鎌倉~南北朝時代 14世紀)他、

 光悦さんが愛蔵した文物も展示されます。

 

 特に、『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』は

 全巻が一挙公開されますので、

 光悦さんのファンの方々はお見逃しなく!

 

 なお、会期中、一部作品の展示替えが予定されています。

 詳細については、美術館HPを参照してくださいね。

 

「しんねんのォ、とくべつてんッ!」

「ぐるがるるるる~!」(←訳:ぜひお出掛けを~!)

 

 

    では、ここで美味しいオマケ画像も、しゃら~ん!

   

   『トワイニング』さんの

   《ザ・フルーツ・セレクション》には

   カフェインゼロのフルーツ ハーブ ティー4種が入って、

   カフェインレスのアール グレイ1袋のオマケも付いています。

   「すいぶんッ、ほきゅうゥしましょうゥ~」

   「がるるるぐるる!」(←訳:乾燥対策すべし!)

   湿度も気温も不安定な12月後半、

   しっかり喉を潤して、

   皆さま、どうか穏やかな休日を♪

 

 

   

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~ 古習を離れて ~

2023-12-15 22:08:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 …………でこぴんッ??」

「がるる!ぐるるるがぅる!」(←訳:虎です!デコピンちゃん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大谷翔平さんの愛犬ちゃんの名が

 『デコピン』だと知って、朝からクスクスwww♫

 デコピンちゃんとご主人のいっそうの健勝を祈りつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― ロスチャイルドの女たち ――

 

 

 著者はナタリー・リヴィングストンさん、

 原著は2021年に、日本語版は2023年11月に発行されました。

 英語原題は『THE WOMEN OF ROTHSCHILD』、

 世界で最も知られる”お金持ち一族“ロスチャイルド家の、

 女性たちをテーマとするノンフィクション作品です。

 

「えいきょうりょくゥ、はんぱないィのでスゥ!」

「ぐるるるがるるぐるるがるる!」(←訳:金融業に政治に科学にワイン!)

 

 ロスチャイルド、というのは英語読みで、

 フランス語では、ロシルト、だったでしょうか。

 欧州各国にベースを持つロスチャイルド家が誕生したのは、

 しかし、英国でもフランスでもなく、

 都市フランクフルト(現在はドイツ)の

 ゲットー(ユダヤ人街)でした。

 

 1753年、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドさんと

 グートレ・シュナッパーさんが結婚、

 若いふたりはゲットーの中で暮らしながら、

 古物や雑貨などを商い始め、

 少しずつ手を広げて、

 やがて、金貸しへ、

 そして本格的な銀行業へと

 事業を拡大させてゆきます。

 

 そういった、フランクフルトのロスチャイルドが、

 欧州きっての銀行家ロスチャイルド一族になるまでを

 詳しく調べ上げ、論じた書物は

 既に多数出版されているものの。

 

 それらの殆どは、

 ロスチャイルド家の男性を中心とするもの。

 

 では、ロスチャイルド家の女性についての書物は?

 なぜ無いのだろうか?

 と、著者・リヴィングストンさんは疑問を持ちました。

 

「そこォ、だいじィなのでス!」

「がるぐるる!」(←訳:肝心かなめ!)

 

 実は、ロスチャイルド家の金融基盤を造ったのは、

 グートレさんと彼女の娘さんたちだったのです。

 

 仕事の帳簿をつけ、

 金銭の出納を厳しく管理していたのは、グートレさん。

 ロスチャイルド家が莫大な財産を築くに到ったのは、

 グートレさんの手腕あってこそ、と言えましょう。

 

「それなのにィ~!」

「ぐるるるるがる!」(←訳:ひどいんだよう!)

 

 グートレさんの夫・マイヤーさんは、

 自分の妻、娘、義理の娘たちが

 事業に関心を抱くこと、

 商売関係の書類や文書を見ることも

 堅く禁じました。

 

 遺言書にも、

 男子の名はあっても、

 娘さんや孫娘さんの名はありません。

 

 19世紀ではこれが普通なのか、

 ユダヤ文化では絶対的な家父長制度が基本なのだろうか、

 などと考えてしまいますが……。

 

「そうはァ~いかないィぜッ!」

「がるるぐるる!」(←訳:変化よ来たれ!)

 

 文句も言わず夫を手助けしていた

 グートレさんの世代から、

 次の世代へ、その次へ、と時代が進むにつれ、

 ロスチャイルド家の女性たちの役割は

 大きな変化を遂げます。

 

 政治活動、社会福祉、

 作曲家、画廊の運営、昆虫学などなど、

 金融以外の分野で大躍進。

 

 特に、

 チャーリー・パーカーさん、セロニアス・モンクさんの後援者となった

 ニカ・ロスチャイルドさん(1913~1988)

 の生涯を描いた章は不思議な美しさに満ちています。

 ジャズの、ピアノの音色が底流となっているかのような。

 

「そしてェ、げんざいィ……!」

「ぐるるがるるる?」(←訳:どこへ向かうの?)

 

 19世紀~20世紀、

 西欧の国々を背後から動かしたとさえ噂された

 ロスチャイルド家――

 世界が予測できぬスピードで変容してゆく現代、

 一族の女性たちは、21世紀をどう過ごすのか。

 

 ずっしり厚い一冊は、

 ノンフィクション好きな活字マニアさんにおすすめですよ。

 冬休みの読書リストに、ぜひ、加えてくださいね~♪

 

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~ 鳥たちは招く ~

2023-12-14 22:08:20 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふたござァりゅうせいィ~ぐんッ!」

「がるる!ぐるるるがるる?」(←訳:虎です!見られるかなあ?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2023年のふたご座流星群のピークは、

 12月14日夜から15日の明け方にかけて!

 お天気が微妙なんですけど、

 観測できますように~と祈りながらの読書タイムは、

 さあ、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― 孔雀屋敷 ――

 

 

 著者はイーデン・フィルポッツさん、

 画像の日本語版は2023年11月に発行されました。

 『PEACOCK HOUSE AND OTHER STORIES』と英語題名が付されています。

 

「めずらしィ~のでス!」

「ぐるるるがる!」(←訳:まさかの刊行!)

 

 ええ、私ネーさも驚きましたよ。

 21世紀の今、まさかフィルポッツさんの作品が読めるとは!

 

 著者のイーデン・フィルポッツさん(1862~1960)は

 インドに生まれて英国プリマスで育った作家さんです。

 フィルポッツさん、ミステリ界では、

 少女時代のアガサ・クリスティーさんがお隣りに住んでいて、

 創作に関して有益なアドバイスを与えた、

 というエピソードで有名な御方なんですけど、

 いえ、それだけじゃありません。

 

「しんぞうゥどきどきのォ、さすぺんすゥ……!」

「がるるるぐる……!」(←訳:歴史的な傑作……!)

 

 フィルポッツさん御自身も、

 江戸川乱歩さん激賞の『赤毛のレドメイン家』(1922)をはじめ、

 名作と謳われる作品を著している

 20世紀英国文壇の偉人さんです。

 

 そして、フィルポッツさんの短編作品の中から、

 6作品を選んで日本で独自に編まれたのが

 この御本――『孔雀屋敷』なのでした。

 

「むむゥ? いんぐらんどにィ~くじゃくゥ?」

「ぐるる?」(←訳:いるの?)

 

 表題作品『孔雀屋敷(PEACOCK HOUSE)』の舞台は、

 イングランド南西部のデヴォン州。

 

 ジェーン・キャンベルさんは、

 亡き父の友人であり、教父(ゴッドファーザー)でもある

 ジョージ・グッドイナフ将軍の招きを受け、

 グラスゴーから旅をしてきました。

 

「にもつのォなかにはァ~」

「がるる!」(←訳:自転車!)

 

 将軍の館に到着して2日目、

 近隣を探検すべく、ジェーンさんは自転車に乗って出発します。

 

   この辺りに来たのは初めてだけど、

   サイクリングには良さそうね。

 

 デヴォンといえば、そう、かの湿地――

 バスカビル家の魔犬も出没したダートムーアを抱える土地です。

 とはいえ、お天気さえ良好なら、

 自転車での散策も爽快なものになるはず……が。

 

「くうきがァ、かわッてまスゥ!」

「ぐるるがるる?」(←訳:これは何ごと?)

 

 はたして、ジェーンさんが巡りあった

 『孔雀屋敷』の“秘密“とは。

 

 ネタバレ回避のため、

 これ以上は明かせませんが、

 1926年刊の短編集の表題作であった『孔雀屋敷』は、

 つまりほぼ100年前の作品なのですが、

 全く“古さ”を感じさせません。

 

 クラシカルなミステリやサスペンスが大好き!

 という活字マニアさんに激おすすめの一冊は、

 本屋さんの文庫新刊コーナーで、

 ぜひ、探してみてくださいね。

 

 なお、フィルポッツさんの作品では、

 『闇からの声』もおすすめですよ~♪

 

 

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~ 白地に咲く花・完結編 ~

2023-12-13 22:08:20 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 すすはらいィ~!」

「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!松迎え!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日12月13日は《正月事始め》の日――

 煤払いなどをして、お正月を迎える準備を始める日、ですね。

 いよいよ年末かぁ~とビビりながら、

 さあ、スキマ時間はしっかり読書!ですよ。

 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 青の花 器の森 全10巻 ――

 

 

 著者は小玉ユキ(こだま・ゆき)さん、

 最終巻第10巻は2022年8月に発行されました。

 先日来、少しずつご紹介している『青の花 器の森』全10巻を、

 えいやっ!と、今回は思い切って。

 

「いッきょにィ~ゆきまスゥ!」

「ぐーるるがるぐる!」(←訳:どーんと10巻まで!)

 

 長崎県の、波佐見。

 波佐見焼(はやみやき)で知られる陶磁器の町の、

 とある窯(かま)にやって来たのは、

 フィンランドで作陶のお仕事をしていた

 真鍋龍生(まなべ・たつき)さん。

 

 愛想なし、笑顔なし、社交辞令もなし、の龍生さん、

 最初の挨拶時にいきなり

 『絵付された器に興味なし』発言をして、

 馬場青子(ばば・あおこ)さんの怒りを買いました。

 

 青子さんのお仕事は、絵付。

 素焼きされた器に絵を描くこと、ですから……

 

「むりもないィのでス!」

「がるるるぐるるる!」(←訳:カチンとくるよね!)

 

 自分がしている仕事、

 絵付という大好きな仕事を否定され、

 気分最悪な青子さんでしたが、

 よ~く観察してみれば、

 龍生さん、器を作る技術は図抜けています。

 

 青子さんが理想とする形のお皿、一輪挿しなどを

 ろくろでササッと作ってしまうんですから、

 感情は憤りから感心へ。

 

「はなしてみればァ~」

「ぐるがるぐぅるる?」(←訳:悪いヤツじゃない?)

 

 共鳴する青子さんと龍生さんの思いが

 好意に変わったのは必然でしょうか。

 

 そうしてついに、

 お付き合いを始めることになった二人の前に、

 さらにまた幾つもの壁が……?

 

「きんきょりィれんあいィ!」

「がるるぐるるるがる!」(←訳:これもタイヘンだよ!)

 

 職種と職場が同じでいつも顔を合わせていて、

 互いを理解し、思いやっていて、

 けれど逆にそれが迷いを深めてしまう場合も、ある……

 こうして一緒にいて、私たちは幸福になれるのか。

 私ではない誰かといる方が、

 もっと幸せになれるんじゃないか……?

 

 青子さんの、龍生さんの恋ごころは、

 なかなか、真っ直ぐには進まないようで。

 

「そこをォ、なんとかッ」

「ぐるがるるる~!」(←訳:成就させよう~!)

 

 ふたりの恋路を照らすように、

 物語には波佐見の風景や四季、

 波佐見のお隣りの唐津、

 フィンランドの風物が繊細に描写されています。

 

 青子さんと龍生さんの恋、

 そして波佐見焼の魅力も楽しめる10巻の物語は

 (第10巻には番外編2篇も収録されています)、

 冬休みの読書タイムのおすすめですよ。

 旅好きな方々、陶磁器マニアさんも、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

  

 

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