一昨日読み始めた『雨と詩人と落花と』(葉室麟著)だが。
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やはり良かった。
三年前に一度読んでいるのだが、ストーリーはすっかり忘れていた。
読みながら「ああ、そうだった」と思い出すのだが、その先は思い出せなくて、「どうなるのかな?」とワクワクしながら読んでいた。
先ほど読み終えたのだが、やっぱりこの小説は抜群に素晴らしい。
前にも感動したのだったが、今回はそれがより深まったようにも思える。
漢詩がたくさん出て来る。
わたしは漢詩が苦手なのだが、ちゃんと解説が載っているので苦にならない。
タイトルにもなっている主人公旭荘の詩「春雨到筆庵」がいい。
菘圃葱畦
路を取ること斜に
桃花多き処是れ君が家
晩来何者ぞ門を敲き至るは
雨と詩人と落花となり
これについて解説の内藤麻里子さんはこんな風に書いておられます。
《タイトルにも取られたこの詩が最後に出てきたとき、胸を突かれた。最初に反故に書かれているのを松子が見つけた場面で抱いた印象では、センチメンタルにも思えた詩境が俄然痛切なものを帯びる。これは葉室さん自身の、松子に象徴される「妻」への絶唱ではないか。それに思い至って、泣きそうになった。》。
これはわたしも同感だった。わたしも涙を催したのだった。
小説好きの人にはお勧めです。これを読んで泣けない人とはお付き合いしたくありません。
『コーヒーカップの耳』 この本も涙なしには読めない。
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やはり良かった。
三年前に一度読んでいるのだが、ストーリーはすっかり忘れていた。
読みながら「ああ、そうだった」と思い出すのだが、その先は思い出せなくて、「どうなるのかな?」とワクワクしながら読んでいた。
先ほど読み終えたのだが、やっぱりこの小説は抜群に素晴らしい。
前にも感動したのだったが、今回はそれがより深まったようにも思える。
漢詩がたくさん出て来る。
わたしは漢詩が苦手なのだが、ちゃんと解説が載っているので苦にならない。
タイトルにもなっている主人公旭荘の詩「春雨到筆庵」がいい。
菘圃葱畦
路を取ること斜に
桃花多き処是れ君が家
晩来何者ぞ門を敲き至るは
雨と詩人と落花となり
これについて解説の内藤麻里子さんはこんな風に書いておられます。
《タイトルにも取られたこの詩が最後に出てきたとき、胸を突かれた。最初に反故に書かれているのを松子が見つけた場面で抱いた印象では、センチメンタルにも思えた詩境が俄然痛切なものを帯びる。これは葉室さん自身の、松子に象徴される「妻」への絶唱ではないか。それに思い至って、泣きそうになった。》。
これはわたしも同感だった。わたしも涙を催したのだった。
小説好きの人にはお勧めです。これを読んで泣けない人とはお付き合いしたくありません。
『コーヒーカップの耳』 この本も涙なしには読めない。