人間の知恵なんて大自然の前には役に立たないようです。オーストラリアやカリフォルニアの山火事を、20日、第1634回の「★オーストラリアの大火に自衛隊が応援」などで、取上げましたが、どうやら山火事は温暖化に責任を全部被せるわけにも行かないようです。
昔ながらの現地人の知恵を蔑ろにしたことにも原因があるようです。所詮は人間の浅知恵は自然に勝てないのかも。
産経が詳しい記事を取り上げてくれています。何と、オーストラリアとカリフォルニはは以前から季節の反対を利用して助けあっていたのだそうです。ところが、山火事が季節を超越したので人手が足りなくなっているそうです。
記事の一部を取上げさせてもらいます。
・・・略
かつて数千年の間、どの土地でも先住民たちは火との健全な関係を維持してきた。地球上で初めて森林火災が起こって以来、火は常 に生態系のリセット役となっており、先住民たちはこの働きを理解していたのだ。小さな火で茂みを焼いておけば、あとで成長しすぎ て手の付けられない大規模火災に発展するのを防ぐことができる。
オーストラリアへやってきた英国人は、火災に関してはどんなに小さなものでも許さず、野火が起こったらすぐに消火した。ところが 第二次世界大戦後、オーストラリアの政策立案者たちはこのやり方を見直し始めた。アボリジニや地方に住むオーストラリア人の山火 事対策から学び、広範囲での野焼き政策を採用したのだ。
「ある程度の科学的厳密性と官僚的な規律を採り入れることにしたのです。それが転機となりました」と、歴史家のパインは言う。 「これが国家的な業績のようなものとして捉えられ、もはや英国式のモデルに従う必要はなくなったのです」
米国もまた、最初は英国式の妥協を許さないモデルを追及していたが、やがてオーストラリアに続いた(カリフォルニア州は、もう少 し管理下の野焼きを実践すべきだが、南東部の州ではうまくいっている)。
だが、その後オーストラリアでは森林の野焼き擁護者と、とりわけ野火といった火災の潜在的な破壊性を懸念する都市環境保護家との 間で対立が生まれた。「英国の伝統から来る火への不信感もいまだに根強く、(火災の影響を懸念する人々は)いつでも火災を防ぐ方 法を模索しています」と、パインは言う。
火種が徐々に大きくなっているところに厳しい干ばつが襲うと、スーパーチャージされた森林火災が発生する条件が整う。植物がから からに乾き、風が激しく吹けば、よく手入れの行き届いた農園ですら火の手を免れることはできない。
北半球と南半球で山火事シーズンが重なり始めた
オーストラリアとカリフォルニア州の関係は、土地の状態だけにとどまらない。ふたつの土地は北半球と南半球に分かれているため、 これまでは山火事のシーズンが真逆だった。オーストラリアが夏のときはカリフォルニア州は冬であり、逆にオーストラリアが冬にな るとカリフォルニアに夏が訪れる。
このため交換プログラムのようなかたちで、それぞれの国の消防士たちは太平洋を越えて互いの季節的な森林火災の消火活動を助け 合ってきた。ところが、気候変動によってその関係は複雑化した。双方の山火事シーズンが長期化し、一部が重なり合ってきているの だ。実際、今季オーストラリアで火災シーズンが始まろうとしていたころ、カリフォルニア州ではまだ各地で過去最悪の森林火災に苦 しんでいた。
「準備が特に難しくなっています。互いの人員だけでなく、機材にも依存していますから」と、オーストラリアの気候評議会の研究責 任者マーティン・ライスは言う。「オーストラリアはカリフォルニア州のような上空からの消火能力が十分ではありません」・・・以 下略
今や先人が残してくれた貴重な森を手入れせずに放置している日本もいずれ大変なことになりそうです。
折角の森林を有意義に使うべきですね。日本の家は日本の木で建てましょう。これこそが地産地消です。