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★TIKTOK禁止をめぐる米政治の奇妙な攻防

2024年03月15日 | アメリカ

 

TIKTOK禁止を巡るアメリカの政治がおかしいようです。宮崎さんが取り上げてくれています。
  どうやら禁止するには遅すぎたのかもしれません。どうやら面倒なことになるようです。詰まりは、金の亡者達の思惑が絡んでいるのでしょう。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024)3月12日(火曜日)弐 通巻第8174号 

 TIKTOK禁止をめぐる米政治の奇妙な攻防
  バイデン、突如、禁止法に「賛成」。トランプ「禁止したら誰が一番裨益するか」

 バイデン大統領は、「国家安全保障」の観点を重視して、TikTokを禁止する超党派の法案に支持を表明した。
 バイデンは大統領専用機に搭乗する前、記者団に「議会が法案を承認すればTIKTOKから米国人を保護する法案に署名する」と語った。この法案はすでに下院エネルギー・商業委員会で全会一致で可決され、本会議審議を待っている。

 法案で名前が挙がったのは中国、イラン、北朝鮮、ロシアだが、狙いは中国に本拠を置くバイトダンス。TikTokはその傘下にある。
下院議員らは「TikTokは中国共産党のプロパガンダを米国内で促進し、米国民のデータを流用している。これは中国の兵器化アプリケーションだ」と警告した。

 下院エネルギー・商業委員会のキャシー・マクモリス・ロジャース委員長(共和党、ワシントン州)は、「この法案はアメリカ人を標的にし、監視し、操作す る中国共産党の取り組みを止めさせるため不可欠である」とし、「わたしたちはTikTokに明確な選択肢を与えました。中国共産党の影響下にある親会社と 絶縁し、米国で事業を続けるか。それとも中国共産党側に立ち続けて禁止されるかです」。

 現実をみれば、TIKTOKは1億5000万人のアメリカ人が利用している。若者たちは熱中している。いまさら禁止しても、巧妙な奥の手を発明し接続方法を編み出すだろうから「禁酒法」がアルカポネを裨益させたような結果になるだろう。

 下院委員会全会一致とは言え、民主党は選挙キャンペーンにTIKTOKを大々的に活用しており、バイデンの表明とは矛盾している。
だから「本気とは考えられない」とするラルフ・ノーマン下院議員は、「バイデン政権は法案可決にそれほど真剣ではない」と示唆した。

 一方、中国のネットでは一斉にTIKTOK擁護論が沸騰し、「言論の自由を封殺する動きだ」と反対論を展開している。「言論の自由」のない国から言われる筋合いはないが、あきらかに共産党の指令を受けた五毛幇らがネットでネチズンを装って舞台裏で暗躍している。

 さてさて、「?」。
 トランプはTIKTOK規制に疑問符を投げかけた。
「もしTIKTOKを禁止したらどうなる? ザッカーバーグのフェイスブックが二倍になるだけじゃないか。フェイスブックも国民の敵である」。
 ネット世論で左翼思想を蔓延させるフェイスブックも、禁止させなければ意味はないというわけである。予備選で善戦した実業家のラムスワミらもトランプの意見に賛意を表明した。
このトランプ前大統領の発言で「メタ」(フェイスブックの親会社)の株価が4・18%も下がった。

 他方、TIKTOKの強力なロビィ「成長倶楽部」はこれまで大金を民主党へ献金してきたが、黒幕とされるジェフ・ヤスは共和党へも巨額の献金を始めた。
このヤスという人物は億万長者の実業家(純資産は285億ドル)で政治献金者としても有名な存在である。

 ヤスは「サスケハナ インターナショナル」の共同創設者で初期のTikTokにも投資していた。(サスカハナとは! ペリー艦隊の旗艦だったフリゲート艦でペリーが乗船していたのだ)。

 ウォールストリートジャーナル(3月11日)の「マーケットウォッチ」欄に次の逸話がさりげなく挿入されている。「スティーブ・バノンによればトランプ前 大統領は、ジェフ・ヤスと面談したあとに『TIKTOK』云々の発言をしています。かれは選挙資金の話はしなかったと言っていますが。。。」
舞台裏はかくも面妖!

  こういうソフトは一度広まると禁止するのは難しいようです。やはり、とっかかりに注意しないとこうなってしまうのでしょう。それは、日本では特にそうなのじゃないでしょうか。
  それが、未だにLINEを禁止に出来ないことに現れているのじゃないでしょうか。
  それにしても、ネットの時代とは便利ですが恐ろしいとも言えそうです。


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