何だか中東が怪しい雰囲気になっているようです。「I2U2」なる「中東版クアッド」の動きがあるようです。
宮崎さんが詳しく解説してくれています。ここでもインドが絡んでいるようです。やはりインドが世界をリードする時代が来るのでしょうか。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和四年(2022)10月31日(月曜日)弐 通巻第7507号
「I2U2」は「中東版クアッド」になるか?
シリアはロシア、イランは露と蜜月。中東に中国の影
「I2U2」とは何か。
Iがふたつはイスラエルとインド。「U」が二つは米国とUAE(アラブ首長国連邦)である。この四ヶ国で中東版「クアッド」を形成し、安全保障度を高め るという動きが、インドを基軸にバイデン政権内でお膳立てが進んでいると『サウスチャイナ・モーニングポスト』が報じた(10月31日、電子版)。
問題は山のようにある。
第一にバイデン政権のアフガニスタンからの無様な撤退を目撃し、中東諸国は米国の軍事戦略に大きな疑問を見いだしている。
第二に米国とサウジアラビアとの関係にすきま風。バイデンのリヤド訪問をサウジは冷たくあしらい、むしろロシアとの距離を縮めた。この亀裂が「ペトロダラー体制」をぐらぐらに揺さぶる。
ペトロダラー体制とは、1974年にキッシンジャーがサウジと取り決めたもので(1)石油決済をドル建てとする(2)余剰金をつかってサウジは米国国債を買う(3)その代償として米国はサウジに武器供与をつづける、という骨子である。
この意義が減少し、サウジは中国とロシアからも武器を購入している。
第三に中東の軍事、政治地図をみると軍事大国はイランとトルコであり、イスラエルは周辺諸国と握手してはいるが、潜在的な軍事脅威であること。
イスラエルを滅ぼせと叫ぶイランとイスラム過激派が、その反イスラエル姿勢を変えていない。
第四にイラクに介入した米国は、結局シーア派にバグダッド政権を明け渡してイランの脅威を増やしてしまった。アフガン以前の不手際だった。
第五にシリアにネオコン主導で介入したが、チュンジア、リビア、エジプトとつづいた「アラブの春」はことごとく失敗し、米国の企図と結果は逆となったように、アサド独裁政権はロシア支援で存続している。
第六にバイデン政権となってから、イスラエルとの関係がもつれ始めており、イスラエルもまた独自の行動をとる。具体的には米国のウクライナ支援要請に対して、イスラエルはゼレンスキー大統領に批判的で軍事支援をせず、人道支援と難民受け入れにとどめている。
第七に「I2U2」がインドを基軸にするとなると、中東諸国にとって、インドの政治的位置づけに変更が生じる。
つまり中国との関係を見直さざるを得なくなり、中東は最大顧客の中国の出方をさらに神経質に気にすることになるだろう。
かくして「I2U2」は構想倒れに終わるか、あるいはインドの裏交渉次第でどこまで具体化するか?
イスラエルとインドがこれからの世界のカギとなるのでしょうか。いずれにしても、中東は本当に困り者ですね。これも宗教問題が原因なのでしょうか。
やはり、中東には神道が必要なのかも。
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