◇コールド・クリーク 過去を持つ家(2003年 アメリカ、カナダ、イギリス 119分)
原題 Cold Creek Manor
staff 監督/マイク・フィギス 脚本/リチャード・ジェフリーズ
撮影/デクラン・クイン 特撮/ドリュー・ロングランド
美術/レスリー・ディリー 音楽/マイク・フィギス
cast デニス・クエイド シャロン・ストーン クリステン・スチュワート クリストファー・プラマー
◇寒々しい入江の荘園
Cold Creek Manorを直訳するとそうなる。
もっとも、Manorは大邸宅という意味もあるから、
「冷たく、曲がりくねった小川の錯綜するほとりにある大邸宅」
となるのかもしれない。
けど、これは屋敷の置かれているところの情景を説明しただけで、
題名がなにかを暗喩しているのかといえば、どうもそうじゃないらしい。
もちろん、一家惨殺という過去を持った屋敷なんだから、
何本もある小さな川は、もしかしたら、
人間の体内を無数に流れている血管すなわち赤く細い川なのかもしれない。
でも、だからといって、過去の暗喩にはならないし、
息子の交通事故をきっかけにして引っ越してきた一家4人の運命を、
なんとなく示しているというわけでもない。
てなことから考えると、
「悪くしたら、なんのひねりもない映画なんじゃないか」
という不安が脳裏をよぎったんだけど、案の定、そうだった。
役者に費用をかけている分、つらいかもしれないね。
クリステン・スチュワートはこのときまだまだ少女の面影をとどめていて、
ビキニになってもその少女らしい貧相さが際立っちゃう。
ちょっと、かわいそうかな。
ただな~、一家惨殺の犯人が別な罪で服役していたから捕まらず、
それで服役を終わって帰ってきたことで、ふたたび家が血に染まりそうなるって話は、
作りようによってはもうすこし面白くできたんじゃないかって気もするんだけど、
そんなことはないんだろか?