◎サイド・エフェクト(2013年 アメリカ 106分)
原題 Side Effects
staff 監督・撮影・編集/スティーヴン・ソダーバーグ
脚本/スコット・Z・バーンズ
制作/スコット・Z・バーンズ ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ
グレゴリー・ジェイコブス
美術/ハワード・カミングス 視覚効果監修/トーマス・J・スミス
衣装/スーザン・ライアル 音楽/トーマス・ニューマン
cast ジュード・ロウ ルーニー・マーラ キャサリン・ゼタ=ジョーンズ チャニング・テイタム
◎ソダーバーグ、引退作品
まあ、自分で引退するっていうんだから、
本気で、今後、劇場用映画を撮る気はないんだろう。
世の中には引退を宣言できる人間ほど恵まれている人間はない。
それだけ、その個人的な才能について、世間が認めているからだ。
幸せな半生っていうべきだよね。
さて、本作だ。
題名のSide Effectsの意味は、薬の副作用。
ってことからもわかるように、話の核心は副作用だ。
ヒッチコック的なスリラーとかいうのがいちばん楽だし、
ああ、なるほどね~とかわかってくれる人は多いんだろうけど、
あんまりヒッチコック的な印象はなかった。
鬱病に処方された薬が原因で、ほんとに夢遊病になり、夫を殺すのか?
インサイダー取引で服役した夫のせいで貧乏暮らしが嫌だったんじゃないのか?
夢遊病説は彼女とレズビアンの関係にある女医の私説なんじゃないのか?
鬱病で車ごとぶつかって自殺しようとしたのにシートベルトを締めるのか?
どうして過去に自殺した患者を持っている精神科医をわざわざ指名したのか?
てな感じの伏線がいたるところに散りばめられているのは、
なにもヒッチコックじゃなくてもありそうな展開なんだもん。
とはいえ、カッティングと構成はさすがだし、絵づくりも好い。
やっぱり、引退しなくたっていいじゃん、ソダーバーグ。