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ムーンライズ・キングダム

2013年09月12日 18時53分11秒 | 洋画2012年

 ◎ムーンライズ・キングダム(2012年 アメリカ 94分)

 原題 Moonrise Kingdom

 staff 監督/ウェス・アンダーソン 脚本/ウェス・アンダーソン ロマン・コッポラ

     制作/ウェス・アンダーソン スコット・ルーディン

         スティーヴン・レイルズ ジェレミー・ドウソン

     撮影/ロバート・イオマン 美術/アダム・ストックハウゼン

     衣裳デザイン/カシア・ワリッカ=メイモン 音楽/アレクサンドル・デスプラ

     音楽監修/ランドール・ポスター

 cast ブルース・ウィリス エドワード・ノートン ビル・マーレイ ティルダ・スウィントン

 

 ◎月出ずる王国

 その昔『小さな恋のメロディ』で、

「トロッコに乗っていった2人はあの後どうしたんだろう?」

 って野暮なことを口にするやつがいたりした。

「どうしたもこうしたもあるか」

 と、メロディ好きなぼくはおもったものだけど、

 これはその後日譚までも物語に組み込まれてる。

 場所は、アメリカ。

 ニューイングランド沖に浮かぶニューペンザンス島だ。 

 要するに、カーキスカウトの坊主が弁護士の娘と駆け落ちする話なんだけど、

 ヒロインの母親は、

 島の保安官でやがて少年を養子にする保安官と不倫してたりして、

 まあ、

 ちょっとばかり粘っこいところを子供が垣間見ることもあったりしつつ、

 実のところは、

 大人になったつもりでいる子供と、大人になりきれない大人たちの、

 味わい深くも幸せな島の物語だ。

 ちなみに、月出ずる王国はどこにあるかというと、

 島の中の「3.25海里、潮流口」にある。

 愛の逃避行をしたその先に手つかずの自然が残った美しい入江があるんだけど、

 そこを、

 12歳で結婚することになる2人は「ムーンライズ・キングダム」と名付けたんだな。

 最初は2人を追い駆けて、熾烈な戦いを繰り広げたスカウトの連中も、

 犬を殺された1名をのぞいて、みんな、2人の駆け落ちを応援し、

 やがて、結婚させてやろうとする。

 まあ、このあたりが『小さな恋のメロディ』なんだけど、

 実はとっても好きなタイプの映画で、

 決して大仰な演技もなく、豪華なキャストが静かにくそまじめな顔をして、

 ありそうもない恋と養子縁組という材料を使って、

 親と子の理解と絆ってのはどういうものなんだろねっていう話を作り上げてる。

 こうしたところ、実にうまい。

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