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鉄人28号 白昼の残月

2013年10月02日 00時01分28秒 | 邦画2007年

 ◇鉄人28号 白昼の残月(2007年 日本 95分)

 staff 原作/横山光輝『鉄人28号』

     監督・脚本・絵コンテ/今川泰宏 演出/古川順康

     キャラクターデザイン/なかむらたかし 石川晋吾

     作画監督/石川晋吾 櫻井邦彦 美術監督/松本浩樹

     音楽/伊福部昭

     主題歌/六本木男声合唱団倶楽部『進め!正太郎』『鉄人28号』

 cast くまいもとこ 粟野史浩 牛山茂 石塚理恵 内海賢二 語り/矢島正明

 

 ◇昭和30年、東京

『パシフィック・リム』を観ると、どうしても『鉄人28号』を観たくなるのは、

 ぼくだけだろうか?

 ギレルモ・デル・トロは、小さなときから『鉄人28号』のファンだったらしい。

 なるほど、わかる。

 あの鋼鉄の巨体ががちあう圧倒的な重量感は、

 ぼくたちが子供だった頃、鉄人から受けた感覚そのものだ。

 そのデル・トロがこの映画を観たとき、

 はたして、どんな感想を口にするのかはわからないけど、

 今回の作品は、おそらく歴代の鉄人の中では最高の出来栄えだろう。

 作品を比較することは好きじゃないけど、

 これよりも数年前に制作された実写版に比べて、

 充分に留飲の下がるものだった。

 伊福部昭の楽曲を用いたのも、昭和ノスタルジーが感じられて好い。

 とはいえ、

 ぼくにはぼくなりの鉄人の好きな部分がある。

 歩くときに旧テレビ版では、がるらん、ごるらん、という音が立っていた。

 鉄が転がるような、いかにも重々しい音に、幼いときのぼくには聞こえた。

 咆哮は、ばぁんぎゃおぅん、と聞こえた。

 ソノシートにそれが入っていたのかいないのか、

 今では実家の物置をかっさばいても聞き返すことはできないけど、

 ともかく、

 その効果音は『マグマ大使』の笛の音「ぴびゅるぴぴぃ~」と同じく、

 ぼくの中ではどうしても変えてほしくないものの筆頭なのだ。

 当時、

 プラモデルやおもちゃに始まり、

 グリコの景品はもちろんのこと、

 月刊誌「少年」を毎月とってて、

 カッパコミックス版が刊行されるや、やっぱり毎月買ってたぼくは、

 漫画や景品からは絶対に聞くことのできない鉄人の跫音と咆哮に、

 もうめちゃくちゃ胸を躍らされたものだ。

 それが、今回もまた聞くことが叶わなかった。

 悲しい。

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