◎スマイルコレクター(2007年 フランス 112分)
原題 LA CHAMBRE DES MORTS
加題 MELODY'S SMILE CHAMBER OF DEATH
米題 ROOM OF DEATH
staff 原作/フランク・ティリエ『死者の部屋』
監督・脚本/アルフレッド・ロット
撮影/ジェローム・アルメーラ 美術/ジャン=ピエール・フイエ
衣裳デザイン/オリヴィエ・ベリオ 音楽/ナサニエル・メカリー
cast メラニー・ロラン エリック・カラヴァカ ジル・ルルーシュ セリーヌ・サレット
◎青いテディベア
メラリー・ロランは『オーケストラ』で注目したんだけど、
こっちの方が先に出てたんだろうか。
ともかく、知的な印象があって、とっても好い感じの美人だ。
飾り気がなくて、さりげなく自然な顔つきってのがいい。
自分の美しさを知ってる女の人は、
なにかっていうと必要以上のお洒落をするときがあるけど、
この役どころが地味な面もあるにせよ、ロランからはそういう無理が感じられない。
これって、いいよね。
それはさておき、
この作品は「2」というキーワードで括られてる。
前にも別な映画の批評で書いたことだけど、
双子のシングルマザー、
死んだ母親の娘2人、
ひき逃げ犯の2人組、
誘拐される2人の少女ってのが、そうだ。
それらの「2」がロランのように決して目立たず、さりげなく組み入れられ、
過去と現実という、2つの時の流れの中で交差して、
たったひとつのラストに向かって収斂されていく。
こういう構成は嫌いじゃないし、どちらかといえば興奮する。
しかも、
物語のある種の象徴になってる青いテディベアが、
ゴミ収集車によって何気なく回収されてゆくカットは、
重層的ながらもきちんと整頓されている美しさが感じられて、
とってもいい。