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ブリット

2013年10月29日 11時30分59秒 | 洋画1961~1970年

 ◇ブリット(1968年 アメリカ 114分)

 原題

 staff 原作/ロバート・L・パイク『ブリット』

     監督/ピーター・イェーツ

     脚色/アラン・R・トラストマン ハリー・クレイナ

     撮影/ウィリアム・A・フレイカー 美術/アルバート・ブレナー

     装飾/ラルフ・S・ハースト 音楽/ラロ・シフリン

 cast スティーブ・マックイーン ロバート・ボーン ジャクリーン・ビセット

 

 ◇1968年型のチェイス

 大学時代、

 1968年型フォード・マスタングGT390と同年型ダッジ・チャージャーといえば、

 これはもう『ブリット』だろ、みたいな感じでいわれてた。

 もちろん、サンフランシスコの坂道をばんばん跳ねるカーチェイスといったら、

 これもやっぱり『ブリット』だろといわれるのが、常だった。

 けど、ぼくはどういうわけか、自動車には興味がなかった。

 男臭いものがあんまり好きじゃなかったっていうか、

 自動車にしてもそうだし、飛行機や船や戦車や拳銃とかっていう、

 ありとあらゆる「鉄物」に、興味がなかった。

 まあ、刀とかは興味があったけど、かといってナイフにはまるで興味がない。

 およそ、戦うものや速度を競うものについて、興味がなかった。

 だから、マックイーンの映画はあんまり興味がなかったし、

 ましてや、ハードボイルドとかいうものもなにがいいのかよくわからなかった。

 そんなやつが、浪人の頃、中日シネラマの1階奥にある名画座で、

 なんでこの映画を観たのかはわからないけど、

『新幹線大爆破』を観てすぐのときだったもんだから、

「犯人ってのは最後はなんでか知らないけど、空港に逃げるのね」

 とおもった。

 もっとも、高飛びするには、空港か港なんだけどさ。

 で、そのときの印象と今回観た印象はあんまり変わらない。

 たしかに、映画史上初めてアリフレックスを車内に持ち込んだ、

 一人称の絵作りはそれなりに大変だったんだろうし、

 コマおとしを使わずにおもいきり速度を出した撮影方法もわかるし、

 当時は映画はすべて手仕事だからかなりの時間が掛かったんだろうってことも、

 いや、ほんとによくわかる。

 ただ、マックイーンの渋さを出すために寡黙にしすぎてるきらいはあるし、

 ちょっといろんな意味でご都合主義な筋立てになってる気がしないでもない。

 けど、

 とっくりにジャケットっていう業界的な恰好は、

 たぶん、このときのマックイーンが作りだしたものだろうし、

 サンフランシスコがカーチェイスに適してるってのもマックイーンの発見だろう。

 そうした意味からすれば、

 この作品は映画史になくてはならないものだってこともよくわかる。

 もちろん、

 ジャクリーン・ビセットはそんなに出番もないし、なんかいきなり怒ってるのに、

 結局ちゃんと元の鞘におさまっちゃうのは、マックイーンのかっこよさなんだよね、

 てなこともわかる。

 そんなことどもを、ぼんやりとおもった。

 あ、そうそう。

 ロバート・ボーンは、ぼくらにとっては『0011 ナポレオン・ソロ』が一番で、

 イリヤ・クリヤキン(デビット・マッカラムね)と肩を並べて、

 颯爽と悪人退治をするっていう人間なものだから、

 こういう敵役になってるのが、なんとなく違和感があるんだよね。

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