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あるいは裏切りという名の犬

2013年10月24日 16時07分16秒 | 洋画2004年

 ◎あるいは裏切りという名の犬(2004年 フランス 110分)

 原題 36 Quai des Orfevres

 staff 監督・脚色・台詞/オリヴィエ・マルシャル

     演出/フレデリック・テリエ

     脚本/オリヴィエ・マルシャル フランク・マンクーゾ ジュリアン・ラプノー

     共同脚本/ドミニク・ロワゾー 撮影/ドゥニ・ルーダン

     美術/アンブル・フェルナンデーズ 衣装/ナタリー・デュ・ロスコー

     音楽/エルワン・クルモルヴァン アクセル・ルノワール

 cast ダニエル・オートゥイユ ジェラール・ドパルデュー ヴァレリア・ゴリノ

 

 ◎オルフェーヴル河岸36番地

 パリ警視庁の所在地の番号なんだけど、

 この看板を盗み出して、先輩の刑事の定年を祝うってのは、

 なんとも洒落てるのかどうかわからないけど、

 ともかくその場面だけで、ダニエル・オートゥイユの人望が察せられる。

 ま、そんな小技はさておき、実によくできてる。

 いや、まじ、ひさしぶりに、

 こんなけ込み入った話なのに上手に作った脚本に出会ったわ~。

 ダニエル・オートゥイユもジェラール・ドパルデューも、

 とてもじゃないけど、美男とはいえない。

 ふたりとも特徴的な鼻をして、アラン・ドロンみたいな美しさは欠片もない。

 フランス人は美意識と芸術性の塊みたいなものなんだけど、

 それ以上に人間性っていうか、個性を愛する。

 人間味の豊かな人間を好んで、作品やその内容を愛する。

 ちょっと日本に対してはえこ贔屓みたいなものがあって、

 そういうときは目が曇りがちになるんだけど、

 それ以外では、文化や芸術に対して実に感性が高い。

 てなことで、このふたりの演技が好いんだ。

 結局のところは、恋人をめぐる三角関係がこうじて、

 庁内でもライバルになり、出世争いをし、罠に嵌め、

 あるいは裏切るっていう関係になっちゃうんだけど、

 そのあたりの筋の運び方が、どうにもうまい。

 画面も落ち着いた渋さで、これまたうまい。

 音楽がなんといってもしみじみと渋くて、まったくうまい。

 フレンチ・ノワールは見事に復活してるよね。

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