◇ヴィクトリア女王 世紀の愛(2009年 イギリス、アメリカ 109分)
原題 The Young Victoria
staff 監督/ジャン=マルク・ヴァレ 脚本/ジュリアン・フェロウズ
製作/マーティン・スコセッシ グレアム・キング
ティム・ヘディントン セーラ・ファーガソン
撮影/ハーゲン・ボグダンスキ 美術/パトリス・バーメット
衣装デザイン/サンディ・パウウェル 音楽/アイラン・エシュケリ
cast エミリー・ブラント ルパート・フレンド ミランダ・リチャードソン ジャネット・ハイン
◇1840年6月、ヴィクトリア&アルバート狙撃事件
子孫の呼称ってのは、なかなか知らないものだ。
子、孫、曾孫、玄孫(やしゃご)までは、たいていの人間は知ってる。
でも、その後も続いていくわけだから、とうぜん、呼称がある。
来孫(きしゃご)、昆孫(こんそん)、仍孫(じょうそん)、雲孫(つるのこ)だ。
8代後まで、決められてる。
なんでそんなことをいうかといえば、
この映画には、
ヴィクトリア女王とアルバート公の昆孫にあたるヨーク公爵令嬢ベアトリス王女が、
侍女役で出演してるからだ。
へ~ってな話だけど、
そもそも、この作品を作ったらどうかしらって発案したのが、
エリザベス女王の次男ヨーク公爵アンドルー王子の元妻セーラ・ファーガソンらしい。
つまり、ヨーク公爵令嬢ベアトリス王女のお母さんね。
ちなみに元妻ってのは不倫報道の結果、離婚したからなんだけど、
映画のプロデューサーまで務め、
実際に王位継承権を持ってる自分の娘を出演させるのは、さすがだ。
まあ、そのあたりのことはさておき。
ヴィクトリア女王の治世はヴィクトリア朝とまでいわれるくらい長く、63年と7か月。
その間、大英帝国は繁栄の一途を辿って「太陽の沈まぬ国」とまでいわれ、
諸外国との婚姻政策も進んで、彼女は「ヨーロッパの祖母」といわれた。
7つの海を支配したおかげで植民地は最大に広がり、初のインド女帝にもなった。
こんな凄まじい女帝の話なんだから、えらい大作かとおもいきや、
なんとまあ、結婚と狙撃事件の前後に焦点をしぼった恋物語でありました。
配役を見れば、そりゃそうだよねってことになるんだけど、
少女の殻を脱しきれず、操り人形のように扱われていた女王が、
恋愛と結婚を背景にして、
次第に真の女王への陛を登り始めるっていう筋立てからすれば、
ちょうどいい感じに仕上がってたような気がするんだけど、どうなんだろ?