◇悪の法則(2013年 アメリカ 118分)
原題 The Counselor
staff 監督/リドリー・スコット 脚本/コーマック・マッカーシー
製作/リドリー・スコット ニック・ウェクスラー
ポーラ・メイ・シュワルツ スティーヴ・シュワルツ
製作総指揮/マイケル・コスティガン マーク・ハッファム
コーマック・マッカーシー マイケル・シェイファー
撮影/ダリウス・ウォルスキー 美術/アーサー・マックス
衣裳デザイン/ジャンティ・イェーツ
衣裳/エンポリオ・アルマーニ(マイケル・ファスベンダー)
ジョルジオ・アルマーニ(ペネロペ・クルス)
ポーラ・トーマス(キャメロン・ディアス)
ヴェルサーチ(ハビエル・バルデム)
音楽/ダニエル・ペンバートン
cast マイケル・ファスベンダー ペネロペ・クルス キャメロン・ディアス
ハビエル・バルデム ブラッド・ピット ブルーノ・ガンツ ナタリー・ドーマー
ジョン・レグイザモ(カメオ出演)
◇ニーチェか
「深淵を覗き込む者は深淵もまたこちらを覗き込んでいる事を忘れてはならない。
怪物と戦う者はその過程において自分が怪物にならないよう気をつけねばならない」
とはいえ、
この映画の主役たちは皆、怪物になりきれずに深淵に呑み込まれてしまうのね。
けど、そんな哲学的な話だとはおもえず、迫力ばかりが押し出されてた。
ちなみに、
舞台になってるアメリカとメキシコの国境の町、
シウダー・フアレス(エル・パソ・デル・ノルテ)はやばい。
世界で2番目に危険な町(1番目はホンジュラスのサン・ペドロ・スーラ)だからだ。
いやまったくそのとおりの展開で、
バキュームカーがいまだにがんがん現役なのも、
それだけ下水道が完備されていないってことで、
麻薬も汚水も一緒くたというのが、善も悪も一緒くたってことの象徴なんだろね。
男はほんとにアホで、
愛人のためなら犯罪も犯して、
3・9カラットの黄色がかったHランクのダイヤモンドを買ってやったりする。
2000万ドルの儲けを4人で分配すれば、ひとり500万ドル。
巨額だ。
ダイヤを買ったところで、一生遊んで暮らせるのはいいけど、
うんこと一緒に流れていっちゃったお金の変わりに命を奪われてゆくさまは、
なんともいえず、後味が悪すぎる。
なによりこの難解さと、
怪物に追われる者たちの一方的な逃走と戦慄、そして敗北感。
観終わったときよりも、
しばらくしてからの方がより映画の世界が見えてくるのは、
それだけ、ぼくに直観力と洞察力が欠けているからなんだろな~。