△大洗にも星はふるなり(2009年 日本 103分)
staff 原案舞台/ブラボー・カンパニー『大洗にも星はふるなり』
監督・脚本/福田雄一 撮影監督/中山光一
撮影/高野稔弘 美術/小泉博康 ヘアメイク/池田真希
タイトルバック/本郷信明 主題歌/メロライド『ココニアル』
オープニングテーマ/スケルト・エイト・バンビーノ『I'll be waiting』
劇中歌/Mountain Mocha Kilimanjaro+Nello『Just A Rambiling Man』
cast 山田孝之 戸田恵梨香 山本裕典 ムロツヨシ 佐藤二朗 安田顕 小柳友 白石隼也
△クリスマスイヴってなんだろ?
日本だけがこんなことになってるんだろか?
こんなことってのは、要するに惚れた腫れたっていう話だが、
「メリークリスマス」
とかいって乾杯したり贈り物したりご馳走食べたりエッチしたり、
幸せだな~っておもう恋人や家族がいる一方で、
不幸せさを噛み締めてる孤独な者もいたりするし、
さらに「そんなもん、どーでもええわ」とおもってる奴もいる。
人は、それぞれだ。
ところが、この映画は登場人物のベクトルがおんなじで、
ただひたすら戸田恵梨香のことを好きな連中が大洗に呼び出される。
もちろん、勘違いしてるわけなんだけど、それぞれに個性はあるものの、
結局のところ、戸田恵梨香に翻弄されてる哀れな男どもでしかない。
さらには、クリスマスイブの海の家に呼び出したのは、
戸田恵梨香じゃないっていう最初からわかりきってる話に展開するんだけど、
とにもかくにも、舞台が元になってるものだから、台詞がめったやたらに長い。
さらにいえば、映画的な手法は取らずに、
ひたすら舞台を思い出させる感じの固定キャメラと長回しで進んでく。
好い悪いはこれもまた人それぞれだけど、
舞台的な撮り方をしてるものだからか、大仰な芝居で包まれてるのには、
いや、たしかにみんな一所懸命だし、
練習も積んできたんだろうな~って感じは、
ひしひしと伝わってはくるんだけど、
ちょっとだけ「ん?」っておもわざるをえない。
だって、
舞台を元にしてても映画は映画なんだから映画的な撮り方でいいし、
芝居も同じことだ。
舞台を映画にするのであれば、舞台そのものを撮ってもいいんだし、
そういうことからいうと、
なんだか映画なのか舞台なのか微妙な感じもあって、
どっちつかずな印象をちょっとだけ持っちゃったかな~って感じだ。