◎ザ・タウン(2010年 アメリカ 劇場公開版124分 未公開場面追加版150分)
原題 THE TOWN
staff 原作/チャック・ホーガン『強盗こそ、われらが宿命』
監督/ベン・アフレック
脚本/ベン・アフレック ピーター・クレイグ アーロン・ストッカード
撮影/ロバート・エルスウィット アレクサンダー・ウィット
美術/シャロン・シーモア 衣装デザイン/スーザン・マシスン
音楽/デビッド・バックリー ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
cast ベン・アフレック ジェレミー・レナー レベッカ・ホール ジョン・ハム
◎ボストン、チャールズタウン
ベン・アフレックは、怖いほどでかい。
常に強烈なオーラを発散させてるんだけど、
それが知的であったり、暴力的であったり、感傷的であったりと、
ひとつにまとまっていない分、かえって始末が悪い。
どんなふうに対処していいのかさっぱりわからないからだ。
オーラをぐっと堪え、おさえつけていたのは『アルゴ』だった。
それは単に長髪で髭面という、
傲慢不遜であつかましさを前面に出しながらもどこか気が優しい特徴的な顔を、
なんとか印象を薄くさせていたからかもしれないんだけど、
今回は、いつもどおりのベン・アフレック、全開だ。
銀行強盗の仲間から抜け出したいともがくアフレックが、
目撃者となってしまうレベッカ・ホールを連れ出してしまい、
いったんは解放したものの、彼女が証言されるのを恐れたために、
正体を隠して付き合う内に、抜き差しならない関係になっていき、
そのために自分の身が危うくなってゆくという皮肉な物語は、
非常に合ってる。
アメリカという国家が、超大国でありながらも、
若者たちは、
自分の置かれている世界でもがき苦しみ、
幸せを求めて旅立とうする。
アフレックは、
そうした若者たちの代弁者のような存在になってるのかもしれないね。
アメリカの若者たちにとって、
タウンは、そこらじゅうにあるんだね。